フォークオイル漏れ?

とある週末,GPzをいじっているときにふとフロントフォークを見てみたら,ダストシールより上に,少し厚めのオイルにじみが見えてしまいました.まあ,試走前の車体はシール交換の時にダストシール表面や,オイルシールとダストシールの間に残ったオイルが少し表側に出てきて,虹色に見えたりするんですが,それどころではない間違いなくオイル漏れを匂わせる分量です.

ひとまずそのダストシールを見てみたところ,写真のようにところどころひび割れが発生しています.まだ1mも走っていないし,2年も経っていないのに何で〜?と頭の中はパニック状態.でも何か対策は打たないといけないので,さっそくオイルシールとダストシールを再び購入して次の週末を待ちます.

その次の土曜日,朝から早速やることは決まっているのでさっさとフロントフォークを外します.まず車体についたままの状態でトップブリッジのネジを緩め,キャップスクリューを緩めたらエキパイに算木をかましてフロントをジャッキアップして,ブレーキキャリパー,ホイールを外して車体から抜くだけ〜.といってもGPzの場合は左右をつなぐバイパスパイプが走っていますので,ここらへんのオイルシールを傷つけないように気を付けて抜く必要があります.少し時間をかけて慎重に抜いたのですが,作業中に不用意に傾けてしまったので,フォークの側面に開いている穴からフォークオイルがどろっと流れ出てしまいました.う〜む,長時間経過しているとはいえ,まだピンク色のフォークオイルをわざわざ抜くのは気が進まないな〜.

で,まずはひび割れたダストシールを外してみると,ダストシールとオイルシールの間にはオイルが漏れていません.あれ?なんで?ということでストロークさせつつよくよく見てみればオイルシールからは一切漏れはないようで左右ともにじみも見られません.どうもオイルが漏れていたのはオイルシールからではなくバイパスパイプ用の穴から漏れていたようです.

実はここ,自分的にも思い当たる節がないわけではなかったりします.というのも,この車体のフレームはA2以降のステムの長さが20mm長い仕様になっています.もちろん3つ又もA2以降にした経緯は以前ご紹介したのですが,あいにくフォークはA1のものなのです.このコンビネーションで何が起こるかというと,車体に対してステムの下端が20mm下にあるのにフォークのこの穴の位置がA1の位置にあるということ.本来は三つ又のすぐ上にこのバイパスパイプのリングを取り付ければその中央にバイパス用の穴が来る設計になっているのですが,このコンビネーションでは20mmちょうどかさ上げしておかなければいけません.

これを前回フロント周りを組み付けたときに目分量で位置合わせをして,何度かストロークさせて漏れがなかったのを確認して安心していたのです.恐らく今回何度も車体を押し引きしているうちにバイパスパイプがずれて,フォークの穴が外れてしまったのだと思います.確かにバイパスパイプのリングの上下にクランプを取り付けるべきところを下のみに取り付けたのが悪かったか,もしくは最初からぎりぎり外れそうな位置に取り付けていたのかもしれません.自分の作業ながらなんていい加減なんだとあきれるばかり.

さて原因がわかったらあとはひび割れたダストシールの代わりに新品のダストシールを取り付け,フォークを元に戻します.今度はバイパスの高さをしっかり20mmになるように金尺を当ててあわせこんで,バイパスのリングの上下にクランプを入れました.オイルレベルを合わせてフォークキャップを締め,ホイールまで取り付けてジャッキダウンしたら,結構な力でフロントを上下にゆすり,漏れがないか確認します.前回よりかなりしつこくやりましたので大汗かいてしまいましたが,一応漏れはなさそうです.あとは走ってみて確認するしかなさそうなので今日の作業はこれでおしまい.

それにしてもろくに使い込んでもないダストシールがあのようにひび割れしていたのはショックです.カワサキのパーツセンターに長期在庫で滞留していたものなのかそれともまさか私のガレージが強酸雰囲気にあったのか.まあ後者はありえないと思いますので,前者が限りなく怪しいわけで,旧車を弄るというのはこのような苦難にも耐えなければいけないのかというのを目の当たりにした感じの今回のトピックなのでした.

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