火入れ

前回車体に取り付けるべき部品も全て装備され,思わせぶりに暗示したとおり今回は火入れです.あらかじめバッテリを満充電にしておいた土曜日の朝,タンクにガソリンを少量移して,イグニッションをオンにしたところ燃料ポンプがウィーンと音を立ててまわり始めました.じきに停止して,将にこれで準備OKということです.

緊張の面持ちでセルを回します.さて,エンジンはすぐにはかかりません.セルは十分元気に回っているのですが,どうも火が入っていきそうな雰囲気が感じられません.あれ?イグニッションを一旦切り,時間を空けて再度セルを回します.それでもダメ.う〜む,今回はブースターケーブルをつながずにトライしているため,何度かに分けて比較的長時間まわしているとそのうちにセルは回らなくなってしまいました.まあ,バッテリは再充電すればなんとかなるでしょうが,すぐにはトライを再開できないでしょうから原因を見つけないといけません. まずバッテリがすってんてんになる前に確認したので,プラグに火花は飛んでいることはわかっています.またプラグは全くといっていいほど湿っておらずかぶってしまったということもないようです.プラグとシリンダのにおいを嗅いでも,各気筒ともあまりガソリンくさくなかったりします.う〜ん,あれだけクランクをまわしてもガソリンくさくないということになるとこれはインジェクションがらみかも? インジェクタまわりの配線をチェックして,コネクタの刺さりや取れるだけの導通を確認して問題ないのを確認したら,インジェクションASSYを外してみます.インジェクタを外して確認しましたが4ケ中1ケが少しガソリンくさいだけで,他はどうもインジェクタとしての役割を果たしていないようです.どうもインジェクタを作動させる電装系はOKなのにインジェクタが詰まっているか,もしくはインジェクタそのものに問題があって作動しない状況になっているようです.

さて,インジェクタに問題があると踏んで,インジェクタの新品調達を目論見て,新品のパーツをオーダーしようと画策したのですが,高額かそうでないかといった私の小さいこだわりの前に,インジェクタは生産中止であることがわかりました.う〜む,確かに20年以上前の車体の高額部品をストックして置けるほどカワサキも資金繰りが充実していないでしょうし,無理もない話しなのか...ちょっと絶望的になりながら策を練ることにします.

インジェクタについては二輪より四輪での採用がいち早く拡がったことから,4輪の旧車トピックを紹介している方の中にはインジェクタの詰まりを自ら修理してレストアしてしまう人もいるようですが,どうもインジェクタのレストア作業自体を紹介しているケースは少なく,一部どうしても専門業者さんに出してやってもらうケースが多いようです.確かにインジェクタの動作確認なんて専用の検査装置でもない限り一度車体につけてみるしかないので,どうしても専門の業者さんに高額でお願いをすることになろうかと思います.

しかし私にそのような資金力を期待されても,それは無理って言う話しで,今後継続して乗ることを考えた場合,インジェクション仕様ではなくキャブ化してしまうことも含めて考えていかなければいけないかも知れません.といってもこれまでここまで大きな仕様変更を車体に施したことはなく,依然不安が付きまといます.このような長考に陥ってしまった私はしばらくの思考停止なども含み,1ヶ月以上も作業や部品調達に走ることなく,情報収集しては考えてを繰り返していたりしました.

ということで長考ついでにここで一休み.

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