エンジン載せ換え(その2)

さてみずから招いた窮地を脱したはいいけど,次にどういった手を使えばよいか一層わからなくなってしまい途方に暮れる私.まあ学習したことと言えば所詮足周りはいずれかのレベルまでは外してしまわなければならないことぐらい.その足周りを外した状態にしたとして,スイングアームとフロントフォークを外してしまうとあとはフレームだけになってしまいますので,それじゃつまらないと感じてしまうのが私の悪いところ. そう考えてしまったらまずホイールを外してから考えましょうとなるわけです.で,メインスタンドとジャッキで支えられている車体を見て思い付きました.ホイールのついていない状態で地べたに置けばエンジンをちょっとだけ持ち上げて横スライドさせてフレームの中に収められるのでは?そうすればボルトを入れるときにはフレームを少しだけ持ち上げたり算木をはさんだりして穴をあわせることが出来るかも?

それでダメなら今度はフロントフォークとスイングアームを外してやればいいだけなので,先ほど招いてしまった惨状から比べると失敗したあとの対応もずいぶんと楽です.そうと分かれば早速実行です. ジャッキアップしてフロントホイールを外して,ジャッキを下ろしフロントフォークを接地させます.リアホイールを外したら今度はテール周りを持ち上げてメインスタンドを外しますこれでカーペットの上にホイールを外されたフレームが乗っている状態になりました.

次にエンジンをその脇に並べ,ファイト一発でちょっと持ち上げてフレームの中に収めました.簡単そうに書いていますがこれが実はかなりな力技でして,やっぱりヘッドがフレームに干渉しない程度の持ち上げ具合をキープしつつフレームを跨がせるのに結構神経を遣いつつこなしましたので時間にして約10分,息もつかせぬ瞬間を経てなんとか収まったのです.

あとはちょっとフレームを前後に動かして位置を調整したあとフレームを少し持ち上げながら後ろのボルトを差し込みました.同じように前のボルトを差し込んで,相手側のブラケットを取り付けたら完全に締め込む前に前の下側のボルトを締め,3箇所を均等に締め込みます.これでとりあえずエンジンとフレームがくっ付けられたわけですが,ここからどうやって持ち上げようか?なんて無計画な私. で,とりあえずこのままメインスタンドを立ててみようとしましたがさすがにエンジンが載った車体は簡単には持ち上げることはできません.うーん,どうしよう?ここで少し手持ちのものでなんとかならないか頭をひねって見ます.

まず少なくともジャッキを差し込む隙間を作るかメインスタンドを立てるところまで行けば,ホイールを付けられる位置まで揚げられそうです.手持ちはジャッキの他には様々なサイズの算木があります.これだけだと想定される作業はちょっと危険な感じがします.で,あと少し工夫したいなとさらに考えていたところ,ひらめきました.手持ちのものでなんとかとばかり考えていましたが,車体にはメインスタンドだけでなくサイドスタンドというものもついているではないですか.これを利用してみましょう.

まずサイドスタンドを出せるだけ車体を逆に傾け,手でサイドスタンドを出します.ここでサイドスタンドを出している側に車体を傾けつつ体重を向こう側に預けながら徐々に持ち上げます.この時点で車体はフロントフォークとサイドスタンドと私の体で支えられているだけですので,かなり不安定です.ここでフレームに体を預けながら地面に置いておいた大きめの算木をフレームの下に挟みます.この時点でフレーム下に約15cmの隙間が出来ています.あとはジャッキを軽く掛けておきながら,テール周りを少し浮かしてメインスタンドを掛け,このままではフロントが下がり気味なのでジャッキを少し揚げて車勢を整えて終了です.

これで車体が上がりましたのでホイールを取り付けることが出来ました. あとは外したフロントカウルやテール周りを取り付けて終了.外した腰下についてはすぐにばらして売るなんてもう踏ん切りのついたずいぶん先の話しになるでしょうから,水分が入って悪さをしないようにサランラップとウレタンシートでぐるぐる巻きにしておきます.これを木製パレットの上に載せて車体の脇に目立たないように隠しておきます.

ちょうどここで日没タイムアウト.それにしてもずいぶん大掛かりなことを成し遂げたわりに達成感が薄く感じます.確かにいろいろ手を抜けないものか必死に考えてカッコ悪いながらも実現してきたわけですが,それが過度に効き過ぎたかもしれません.でもしっかり筋肉疲労は体中に残っているので,これはこれでいいかな?

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