テール周り

テール周りは以前組み上げのときに仮に組んでおいたのですが,ここが仮組みである理由は二つあります.一つはテールカウルがかなり汚いため.二つ目はグラブバーが入手出来ていなかったためです. テールカウルについては,ものがGPz750用ということで売られていたもので,ベースは黒赤で赤の部分のデカールが経年劣化のため全体的にバリバリに干からびています.恐らくテールカウルについては1100と750は共通だろうということで,まずこの程度の悪いテールカウルの補修から始めましょう.

第一の工程は汚い塗装を剥ぐところからです.本来ならば塗装の表面のある程度ならしてからパテ埋めすればいいのですが,このテールカウルはあまりに汚いので,そのパテ埋め箇所が多いと予想され,もうどうせなら最初に完璧に塗装を剥いでしまい凹凸を最小限にしておいたほうがいいだろうと考えたのです. いつもとは違いかなり粗いペーパーでガリガリ塗装を落として行きます.でも思った以上に傷の深いところも多く,相当な時間を費やして塗装剥がしは終了.

なかなかプラスチックのパーツでここまで塗装を剥がした経験はなかったのでその出来上がりを見て一人よがりな達成感を噛みしめることが出来ました.それでも2箇所は凹みをとるまでは至らず乾燥させたらパテ埋めをします.パテ埋めをしたら何がなんでもその日のうちには作業を続行しない主義の私なので,この日の作業はここで終了.

さて次の週末にパテをならすところから作業再開.パテは薄付けパテで済ますことが出来たので,ここでは水を付けずにいつもと同じ400番でパテ部分のみならず全体的に整面します.今回は水を使っていないのでその日のうちに塗装作業になだれ込みます.

まず空冷GPzでは定番のKawasakiロゴなどがプリントされた切り妻面の部分ですが,ここは文字が少し薄くなっていますが,またUNI TRACロゴのステッカーを購入するにも高い買い物になってしまうのでここはそのまま利用することにしました.従って塗装前に切り妻面のマスキングを行います.まあ簡単なマスキングなので,済んだらすぐに塗装に移ります.庭でプラサフを吹き,シルバーを吹き,クリアをシルバーと重ね塗りし,最後にボカシ剤を塗ったところで乾燥を待ちます.

乾燥途中でマスキングを剥がし,1週間完全に乾燥させたら補修作業は終了です.ここで一部の空冷GPzフリークの方はあれっと思ったかもしれません.シルバーの上に750の剥がすのに苦労したデカールがあるので,それを塗ってからマスキングを剥がすべきでは?ということですね? 実は私も今回初めて知ったのですが,フロントカウルからテールカウルに向けて流れるようなラインが特徴的なGPz1100はA3の代になってパターンが若干変わっていて,主にフロントカウルとテールカウルの変化が顕著なのです.というのはテールカウルについては他の排気量やA2以前に見られた側面のパターンがなくなっているのです(フロントカウルはまた別の機会にご紹介するとして).まあコストダウンなのか単なるデザイン変更なのか分かりませんが,とにかく塗装は出来るだけ純正路線で行きたい私は流れるようなラインの美しさよりもそっちを優先することにしたのでした.

あとは取り付けです.取り付けにあたってはもう1つ補修しておきたかったところの完成を待ちます.サイドグラブバーです.これは入手済みのものがあまりに汚いので,あらかじめ塗装を剥がしてあるものをまた入手しておいたのです.これを整面して同じく塗装します.これでサイドグラブバーは準備OK.テールカウルとサイドグラブバーを別々に進めているあたりずいぶんゆったりと作業を進めているように見えますが,そのとおりです.実は早くやっても意味がない事情があったのです.

テールカウルの作業を開始した時点で実はグラブバーが入手出来ていなかったのです.グラブバーについては車体について来なかったので,いずれ入手しなければとは考えていたのですが,どうも外している車体が多いらしく出品が少ない上に毎回高額になってしまうので落札をためらってきたのです.また,テールカウルが流用出来ることから,当然グラブバーも750のものが使えるだろうと考えていたのですが,750は内側からネジ止めするタイプ,1100はそれに反して外側からになっています.

フレームをばか穴にして入手しやすい750のグラブバーを買ってみようかとか考えては見たものの,表に出ないこんな部分であっても純正っぽさにこだわりたい私はこれを却下.ふつふつとそんなことを考えていたところ,結構きれいな1100のグラブバーが出品され,マヒしてしまった頭のまんま入札してしまったもんだから全く予期していないほどの高額でそれを落札.

届いたものは写真で見た感じよりもずーっときれいだったので少し救われましたが,こんなことの積み重ねでさんざん散財している中でそろそろ反省して姿勢を改めたほうがいいかもしれません. ということでグラブバーが揃い,テールカウルも準備OKとなるとあとは取り付けです.まずテールカウルにサイドグラブバーを取り付けます.これをシートフレームに仮においた状態でグラブバーを仮にネジを締め込まずに取り付けます.

これはニンジャなどのグラブバーのあるモデルのテールカウルの取り付けでさんざん経験したのですが,先にテールカウルをがっちり取り付けてしまうとグラブバーの取り付けで苦労するというのを避けるためです. それぞれを仮組みの状態から本締めしてようやくテール周りの作業は終了.毎回のことながらテール周りの出来上がりに見とれつつ至福の一時を過ごしている間に夕闇が迫ってきました.

このテール周りに代表されるようにどうもGPz1100の場合,部品の入手の困難さに加えいろいろ思いを巡らせることも多くことさら時間がかかっています.やっぱり旧車もこのレベルになると大変なのね〜.

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