カウルステー問題(その2)

前回部品のない中での難題解決ということで頭の痛い状態で続くにしてしまいましたが,今回本当にそれらが解決されるかどうか,ご期待(?)ください.まずは考察から.

カウルステーにライトを取り付けるにあたって現状のコンビネーションでは,穴を拡げるということではライトリム側かカウルステー側かということになります.

ここで考えたいのは追加工を入れる部品は高額でないほうであるべきことです.これはもし加工をミスしても再び入手する必要が出来ても安価で調達出来たほうがいいからということで,今までの渋ちん製作記から得た私の貴重な教訓です.この場合安いのはライトリムの方なので,加工を入れるのはライトリムに決定.

次に問題になるのはその穴径です.いくらもの好きでものの管理にだらしない私でも,20mmのドリルなんてものは持っていません.ホームセンターで念のため価格調査したところ,とても買えそうにないお値段.ここでなんとか20mmの穴が開けられるお安い工具はないか考えました.穴を拡大するということではホルソーが思い付きますが,ライトリムの側面の穴はナットが溶接されたものでホルソーの下穴には不適.加えて仕上がり径が20mmのホルソーなんて細すぎてそうそうない筈.かといって溶接されたナットが無くなるほどヤスリで削るなんて選択肢は体力的にあり得ません.

ここで工具の調達というところで事態は暗礁に乗り上げてしまいました.高いドリルを買えばいいじゃないのよ!と言われればそうも思うのですが,いかんせん今までそういった浪費が家族の不協和音を呼び,私の家庭内での地位を落としめて来たのです.いわば私にとってここが考えどころな訳です.悩みはじめて約一ヶ月経ったでしょうか?一条の光が差してきました.さんざん悩んだ挙句に何で?ということになりますが要はA1用のヘッドライトASSYが出品されたのです.悩みに悩んでいるところに出品されたそれは,私にとってまさに砂漠の中のオアシスでありました.飢餓状態の私は地獄の亡者達の如く蜘蛛の糸をたぐり,当然の高額落札.こんな奴がいるから部品の入手が一層困難になるのねと自責の念にかられつつライトの到着を待つ私.

さて高額落札は抱き合わせ落札の言い訳になりがちであり,今回も例に漏れず高額商品が揃い踏みの抱き合わせ落札です.それでも出来るだけ小さいパーツを狙ったのでちゃんと一箱に収めて発送してもらえ,かなりコンパクトに収納してもらえたのでいきなり到着して家族を不機嫌にすることも ありませんでした.それでも数日間はその荷物を玄関に置きっぱなしにしておいたので,十分不機嫌になっていたかもしれませんが.

家族の事情はさておいて次の週末は早速取り付けです.まずものを確認したところが,年式なりの錆びがリムに浮いています.これを除去して再塗装してからの取り付けにせざるを得ません.それに加えて,このライトよく見たらレンズカットが右側走行用です.ヘッドライトバルブの前にリフレクタがついていて関節照明になっており,しかもその右側走行用の左右非対称をなんとか対称にするためかハウジングのバルブを差し込む穴の周りだけ一度くりぬかれ位置をずらしてサイド接着された痕があります.こりゃそのまま使うのはいきなりの車検で光軸不合格になってしまう危険性が高い.そんなのはいやなので,ここで前回登場したZRXのヘッドライトハウジングと交換することにしました.

まず分解です.カバーについては400Fの場合はリムとの嵌め合いがきついのでなかなか外れないのですが,1100はそんなではありませんでした.これは元の設計がそうなのかあるいは何度と無く分解組み立てを繰り返した末にこうなったのかは定かではありません.リムとライトハウジングを分解するときも,1100独特の部分を垣間見ました.ライトハウジングの固定はニンジャやZRXと同じでしょうと思い込んでいたのですが,意外にも上下の固定部分のネジとナットが違います.ニンジャなどの場合リム側の穴は単なるばか穴で,ネジも普通のナベ小ネジです.ナットは樹脂製の四角いものです.それに対し1100はネジが段付きネジを使用しておりナットは通常の六角のもの.当然ナットの入り込むリムの部分も形状が異なります.

こんなにも部品を共通化しやすいところであり見映えはほとんど変わらないのにそうしていないというのは,どう考えてもトラブルの匂いを感じざるを得ません.実際この時期のカウル付きのモデルは年々新しいモデルが各メーカーからリリースされしのぎを削っていた訳で少しでも品質を上げられるのであれば共通部品のメリットなんか些細なものであったのでしょう.ということは古いほうはあんまりよろしくないっていうこと?なんて思ってしまいます.

話を戻しますが,ライトリムが外れたらリムの錆びを落とします.ワイヤーブラシでごしごしこすって,それでもダメなところはヤスリを当てます.塗装を全部剥がすようなことは今回はせず,ペーパーで適当にならしたところでサフと艶消し黒を乗せます.乾燥は外装部品ではないので例によって一時間程度で早速取り付けです.ヘッドライトハウジングはZRXを流用しましたがリム側は純正であり,カウルステーとももちろんパーツリストに載っている組み合わせであり,散々悩んだ割りに結構順当な方法でカウルステーにライトASSY外装しっかり取り付けることが出来ました.

でもこれで完成かというと決してそうではありません.まだライトの上下方向の調整が出来ないのです.パーツリストによると,ライトのカバーとカウルステーの間にあと1部品あれば完璧なのですが,あいにくその調整の為のパーツをライトとカウルステーのいずれとも一緒に入手出来なかったのです.ザンザスの時のように違う車体のものを社外品を介して取り付けた場合は,自作で対応せざるを得ないのですが,純正部品同士にここまでこだわって最後は自作というのもかなり悔しい感じなので,どこにか純正部品を手に入れたいんですが,例によってあいにく新品はメーカー欠品.こんな部品を単体で出品する人もおらず途方に暮れる私.

ということで一難去ってまた一難.また続くのでございます.

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