ハーネスの装着とチェック

大体車体が組み上がったので,いろいろ部品を取り付けていく前にフレームにハーネスを這わせておきましょう.

今回取り付けるハーネスはベース車体とともに入手したものですが,ベース車体と初めてご対面した時点ですでにほとんどの部品が車体についておらず,ハーネスがフレームのどこをどのように這わされていたのか全く分かりません.ほとんど部品がない状態で車体を入手したケースというのは以前のGPZ1000RXがそれにあたりますが,GPZ1000RXの場合はフレームにハーネスを留める引っかけが多数ありますし,あの時は車体にどのようについているかをしっかり記憶しながら取り外し作業を行いました.それにジャンクションボックス周辺を始めニンジャと共通点も多く,多少時間が空いてからの組み立てでしたが比較的簡単にハーネスのレイアウトをイメージすることが出来ました.

今回の空冷GPz1100についてはフレームにハーネスを固定するものがなく,インジェクションでもありハーネスの設計が今までと全然違うのでてんでちんぷんかんぷんの状態で作業しなければいけません.とりあえずわかっているのはジャンクションボックスの位置とレギュレータがバッテリーケースの下に取り付けられていることぐらいなので,まずジャンクションボックスからハーネスを這わせて行きます.

這わせるといいつつもまずジャンクションボックスの裏はすなわちバッテリーケースであり,その外のうち後ろを通してよいのか下を通してよいのかで悩みました.ひとまずレギュレータの向きから推測して後ろを通して車体の右側にハーネスを出します.テール周りのハーネスは明らかにこっちというのがわかりますので,テール周りへ伸ばします.

次は車体の前方へと伸びる方です.ここからフレームのどこを通すのかちーとも分かりません.ここは這わせ方を間違えると後でエアクリーナーボックスが取り付けられなくなったりします.ニンジャの場合はここを通しなさいよと暗示しているようにイグナイタの脇にスペースが空いていたりするのですが,1100ではそのイグナイタがどこに収まるのかが分かりません.ここでハーネスをちゃんと車体に留めるのは諦め,フロント周りのそれらしい場所までハーネスを伸ばしてハーネスの状況を確認することにしましょう.

まあハーネスの程度というのは今初めてチェックするわけではなく車体を入手したときに大体の状況は確認済みなんで,ある意味おさらいみたいなもんです.まずハーネスを仮にセットした順番でいくと,ブレーキスイッチのコネクターの根元に分岐をした形跡があります.これは陽極陰極ともに分岐がされております.ということは明らかにブレーキスイッチとは別の何ものかでブレーキランプを点灯させたのでしょう.でもその用途や意味が全然分かりません. それに片方は銅線に大きなダメージが残っております.これはそのまま使ってしまうと思わぬトラブルの原因となってしまうでしょう.後での作業になりますがいずれかの対策が必要でしょう.

カウルの中に収まるべきところではヘッドライトの三極のコネクターはそのハウジングがなくなっています.これはハウジングが損傷したためにハウジングがない状態でそのまま接続したのでしょうか?これは誤配線してしまったときのことを考えると甚だ恐ろしい.またはハウジングが損傷した車体に部品取りにされたのでしょう.変なカスタムをされた挙句部品取りにされたのだとしたら,かわいそうな車体だこと.

また右側のハンドルスイッチについては,ハイスロ化されていたのでしょう.OW-01のような薄いハンドルスイッチがついています.通常ハーネスを這わせただけだとハンドルスイッチはついていない状態なので,スイッチそのものはチェック対象に含まれない筈なのですが,このハーネスの場合コネクターがぶったぎられて薄いハンドルスイッチとの接続部はビニールテープが巻かれています.そのビニールテープを剥がしたところ案の定ケーブルを口出しして手で撚っただけ.こりゃまたお粗末なカスタムで目も当てられない感じ.

これにめげず全域にわたりハーネスをチェックしたところ,ほかにもギボシがあるべきところになかったり,コネクタが欠損していたりというのが結構ありました.ハーネス自体の硬化はそんなでもなく,腐食が起きているようなところは少ないのですがGPz1100の配線図が現状では入手できておらず,カスタムされたハーネスでは今後組んでいくのにとっても不安.

ということでせっかく作業したのに徒労感のみがひたすら募ったハーネスチェックでありました.

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