種車?の引き取り

さて,この度の出品者は都内のバイク屋さんのようです.都内のバイク屋さんというと,少しイヤな予感がします.1000RXの時に種車を引き取ったときはかなり交通量の多い通りに車体を置いて作業したので生命の危険を感じながら,人目をはばかりながらの作業を行った思い出があります.今回もあんな感じだったらどうしようなんて思いつつ,とある日曜の朝工具を車に満載して出発します.

ショップの位置はわかっていたのですが,事前に交渉しておいたばらすためのスペースが一体どんな場所なのか心配です.心配しつつも定刻通りにショップ前に到着.出品者はショップオーナーの方で丁寧に車体の在処に案内してくれました.

その場所はショップの入っているマンションのデッドスペース.ここをばらすのに使ってよいとのことで,どうやら今回は生命を危険にさらさないでも作業が出来そうですな.一応多めに見積って1.5時間程度場所をお借りすると伝えて作業開始です.

まずばらす工程で破損の恐れのあるハーネスやテールランプから外して行きます.次にリアキャリパーを外し,アクスル周りのネジを緩めます.次にこの車体はメインスタンドがないのでジャッキアップします.といっても元々エンジンが乗っていないので,軽くリア周りが浮く程度です.

ここでアクスルナットを外したら,アクスルシャフトを抜きます.が,どうも内部で固着しているようで全く抜けてくれる気配無し.う〜む,こりゃ困った.それでもリアホイールをスイングアームとくっ付けたまんま持ち帰ることは出来るので,その線で作業を進めます.

ところが,しばらく作業を続けているとショップから若いメカニックの方が出てきて"大丈夫ですか?"と声をかけてくれました.なにげなくアクスルが抜けないのでホイールとスイングアームを一体で持ち帰ることを伝えたところ奥の方からいろいろ工具を持ってきて手伝ってくれました.でも車体についたまんまだとどうも無理みたいです.結局リアサスペンションを外し,スイングアームを車体から外したらホイールごと店内に持っていってしまいました.

このゴタゴタで既に40分くらいが経過してしまいましたので,少しペースを上げて行きます.フレームの前部分にもジャッキを当ててフロント周りのネジを緩めます.キヤリパーを外したらアクスルを抜いてホイール,トップブリッジ,三つ又とフロントフォークを外します.これでフレームがほぼ単体状態になりますので車に積むことが出来ます.

ここでお店から先ほどのお兄さんがホイールとスイングアームを持ってきてくれました.お話しではなかなかアクスルが抜けないので結局ナットをお釈迦にしてプレス機にかけて抜いたのだとか. これをもしそのままうちに持って帰ったら後ですこぶる苦労をしたことでしょう.ここはとても親切なお兄さんに大感謝です.

後はそれぞれの部品を車に積み込んでいくだけです.まず他の部品を積む前に一番場所を取るフレームです.400Fの時もそうでしたがこのタイプのダブルクレードルのシートフレーム一体のものはトランクに入らないので,助手席を倒して載せることになります.助手席のドアを全開にして歩道側から積む訳ですが,そろそろ昼時が近くなっていますので人通りも少しある状況です.そんな中重いフレームを必死の形相で持ち上げてはあーでもないこーでもないと繰り返しやっているのはどう見ても異常者.少なくともお店に迷惑がかからないうちに終わらせる必要があります.

そんな気持ちでかなり焦りつつもなんとかフレームを積むことに成功.後は他の部品を積み込んで,元々お店の方で外していてくれた部品,車検証を受け取り出発.その前にとりあえず車検証とフレームナンバーを確認しました.フレームは職権打刻ということでちょうどエアクリーナー横にありました.

で,車検証をシゲシゲ眺めてたらちょっとショックなことを見つけてしまいました.なんとエンジンのところを見たらこっちも職権打刻になっていたのです. これは1100の純正エンジンを載せたとしても改造申請しなければいけないということかしら?となるとせっかく手間がかからないようにベース車体を手に入れたにもかかわらず,結局手間がかかってしまうということでしょうか?

帰りの車内であれこれ考えて見ましたが結局答えは出ませんでした.まあこんな事もあるさと自分を言い聞かせて家路を急ぎます. うちに到着して,またかみさんの怖い顔を横目に部品を収納して行きます.さすがにフレームは家の中ではなく庭の片隅にシートを被せてカムフラージュ.一通り部品の隠ぺいが終わったらその日の作業は終了.

それにしても色々悩んで種車を入手した割りに達成感がないというか,かえって問題を背負い込んだ感じ.いきなり部品入手の困難さを痛いほど感じてしまう私なのでした.

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