ステム問題の解決

車体の組み上げに大きな障害となっているステム周りのミスマッチ.なんとかしたいのは山々なんですが,方針がなかなか決まらず,先に進みません.以前入札せずにウォッチだけして流した長い三叉の落札価格があまりに高く,ある意味トラウマのようになっていて入札にも至らないというのを一度経験した後,真剣に方針を考えている私がおりました.それでも前に進まなければいけないのは変わりません.まず自分の欲するものは何か,自分の持っているものはどのようなものなのかを考察しました.

私の持っている三叉はシャフト長さが190mm.採用すべきものはその長さが210mmであれば問題はないわけです.加工することを考えれば長いより短いほうが追加工すればよいということで楽なんですが,今回は不幸にもその逆です.こうなるとひらき直ってステムシャフトを新規に作り直してもいいかなということで,高い210mmの三叉を落札するのは早々に見切りを付けて,まず短い三叉を落札してそのスケッチをして長いステムシャフトを自作してしまう案を採用しました.なんで落札するの?と変に思う方もいらっしゃるかもしれませんが,短いものは無理やり車体にくっつけていますので,それを引っぺがしてまでスケッチに供するのはどうかな?と思ったわけです.作業も面倒ですし,スケッチがいつ終わるかわかりません.しばらく取り外している間にジャッキで挙げておかなければいけないのですが,そのフロント周りがまだエンジンを載せていないので意外に軽かったりするのです.不安定な状態で放置するのもいやだし,かといって手持ちの忍者なんかのフロント周りを仮に付けておくのも付けられるかどうかわかりませんし,付けて何か不具合でもあったらいやです.

しのごのうるさい感じもありますが,本人としては思い込んだらそんなことぜんぜん気になりません.早速比較的安価に落札出来る短い三叉を落札.各所採寸し,ベアリングがはまるところ,アンダーブリッジに圧入する軸径なども考慮して公差を割り出し,図面を作成するところまでやって,あとはこれを加工してくれるところを探します.まあ旋盤ものなので特別に難しい加工でもないので,ここは適当に...と思っていたのですがなかなか踏ん切りが付きません.だって材質がちゃんと純正と同じでないといやなので,SCMとかでやりたいのですが,この材質で頼むと結構高かったりします.ジュラルミンを使う人もいますが,そんなのはいやです.

結局この踏ん切りがつかないまま時が過ぎ,約2ヶ月の間放置.自分的にもかなりジリ貧状態に追い込まれてしまって,もうどうでもいいやと思いかけたところで,しまいにオークションで偶然長い三叉を見つけてかなりな高額ながら落札してしまいました.短い三叉の落札から長々と時間をかけて熟考したと見せかけて(そうみえないっつーの)こういった方針転換をするあたり,これはあまりにも行き当たりばったりというかなんというか酷すぎる感じです.元々短いステムシャフトをスケッチするつもりなら,何も高額を出して長い三叉を落札する必要は全くない筈です.それをなんで常識はずれな方向に行ってしまうのか.自分ながらあまりの破天荒さに呆れるばかりです.でも,長いステムシャフトを外注して作ってもらい,短いのを抜いてまた長いのを圧入してということを考えたらコストも時間もえらく短縮しているはず.そう考えるとはじめの短い三叉の入手が無駄なだけで,結局は順当なプロセスを経て前に進んでいるわけです.まあ一時の迷いがいかに無駄な作業を生んでいるかということがわかったわけです.(ぜんぜん反省してない気がする)

で,結局長い三叉を入手したので,追加工は一切不要になりました.あとは取り付けるだけです.一応作業前に短いもの長いものせっかく同時に保有しているという稀有な状況になったわけですから記念写真でも撮っておきましょう.ものの程度は短いのも長いのもほぼ同じ程度.早速作業です.フロント周りのネジを緩めて,ジャッキアップ.ホイール,フォークの順に取り外し,三叉を交換.純正の組み合わせでナットやワッシャを取り付けていきます.新しい三叉は曲がりなんかはない様でフォークもするすると入っていきまして,結局かなり簡単にフロント周りが復旧できました.ハンドルを取り付けてハンドルを左右にぐりぐりまげて感触を確認.変なガタもなくって(もともとありませんでしたが),これで一安心.

というわけでいろいろ悩んだ末に意図も簡単な結末になったというお騒がせな顛末なのでした.

KEN-Z's WEBのトップへ NEXT