タンクキャップのキーで問題発生

前回比較検討してタンクキャップを取り付けたのです.が!なんと今度はキャップが開かなくなってしまいました.今まで似たようなトラブルというとZXRで経験したことがありますが,あの時は確かグリスメイトをしこたま鍵穴から吹き込んでこと無きを得た筈.今回もそれで行こうということで,グリスメイトを持ち出して吹き込んでは鍵を差しを繰り返します.しかし何度かやってみたものの一向に様子は変わらず.これは困った.結構手ごわい相手なのかも.

一旦手を休めて次の手立てを考えます.今の感じだとひっかかっているのはキーシリンダーではなく,キャップのカンヌキが鍵の動きに連動していないか,戻り切っていないかのどちらかです.鍵を回すときの摺動抵抗からどうも後者の可能性が高いようです. 鍵を回し切っているにもかかわらずカンヌキが戻り切っていないというのは,すなわち鍵がかかりっぱなしの状態から抜け出せないということであり,簡単に言うなれば絶体絶命.

それでもせっかくのお気に入りのタンクですので,絶対に無駄にはしたくないのですがどうせ使えない可能性があるのであれば,ここは一つ冒険してみたくなってきました.そうです,力技です.

まずタンクキャップの構造をよく理解するところから.キャップのカンヌキはタンクの前方でひっかかっています.キャップを上から押しつけ,なおかつ前から押した状態で鍵を回せば可能な限りカンヌキがタンクの入り口にひっかかっているラップしろが少なくなります.ここで無理矢理キャップをこじ開けられないかと考えたのです.

思い立ったが早速実行です.構想の中で登場した工具はマイナスドライバー一本.このマイナスドライバーをキャップの前側から押し当てつつなおかつキャップを押しつけながらキーを回します.摺動抵抗もほとんどなくキーが回ったので,ここの時点でカンヌキは可能な限り後ろに下がっていると思います.ここでおもむろにドライバーの柄をゆっくり引き上げます.この一撃だけだとまだ開きそうにありません次は先ほどより少し力を入れてやってみます.今度はなんかタンク側で変形したのかカンヌキが乗り上げて来たのか少しキャップが浮いて来たようです.3度目はちょっと力を強く,早めにドライバーを引き上げました.するとズルズルッという感触とともにキャップが開きました.

やったーっ!ひとまずタンクが開き大喜びの私ですが,それがぬか喜びに終わらないようにタンクとキャップのダメージを確認する必要があります.まずタンクについては給油口の周りにドライバーの先が当たった跡が残りましたが凹みにまではなっていないので,これは許容範囲です.給油口の中のカンヌキが当たっていた部分は少ししゃくれていましたので,ここに適当な丸棒を当てハンマーで変形を戻しました.ここはこのままではまたカンヌキがひっかかってしまいますからね.

カンヌキの方は先端に擦り傷がついています.鍵を回してみたところ,カンヌキの先端はキャップのボディより約1mm出っ張っています.これは通常より少し出っ張っているレベルかな?という感じです.でもまたひっかかってしまってはまずいので,カンヌキの先端を少し削って出っ張り量を減らすことにしましょう.

ヤスリでこの出っ張りを0.5mm以下になるまで削り,キャップをタンクに再装着.恐る恐るキャップを閉めて,鍵でちゃんと開くかどうか確認します.緊張の一瞬ではありましたが,キャップは無事開けることが出来ました.これでなんとかお気に入りのタンクをお釈迦にすることが無くなりました.

まあ途中かなり強引な行動にも出てしまいましたが,ここまで結果オーライなのは単なるラッキーでしょう.カワサキのこの年代のタンクが開かなくなって困った皆さん,タンクを捨てる覚悟のない人は絶対に真似しないでくださいね〜.

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