ブレーキ周り(その1)

グリップがなんとかなるのが確認できたので,その内側のブレーキに取り掛かります.まずブレーキ周りで何とかしなければいけないのは,マスターが完全に固着してしまってレバーがびくともしないということ.これを何とかしなければいけません.ちなみにキャリパーの方はパッドを押し広げてみたらそんなに力を掛けなくても拡がってくれたので,これはそのまんまでも行けそうです.

早速マスターを分解して,ゴムブーツを外してみたところ,ピストンロッドが写真の様に出っ張ったまんま全然動きません.摺動部位はいったいどこなのかわかりませんが,全体的に錆色がついていて,このまんま強行したのではシールを痛めてしまいそうです.そこで一旦清掃します.といってもCRCやパーツクリーナーを付けては細めの真鍮ブラシでこするぐらいですが,30分程度の根を詰めた作業で見た目きれいには綺麗になりました.

次にこのロッドを一旦でも押し込んでおきたいので,マスターをバイスに挟んで,ロッドの先端をこんこん叩いてみます.徐々に叩き方を強くしていったところ,何度目かで,一瞬だけ少しロッドが動いたような感触がありました.ここでレバーを一旦取り付けて握ってみたところ,ロッドが少し重いながらも動くようになりました.あとは摺動面から出てきたであろう汚れをパーツクリーナーで清掃しながら何度かピストンの押し込みをして,最終的には通常の方さでレバーを握れるようになりました.あとはここにブレーキオイルを入れて漏れてこないかということになります.

で,マスターカップの蓋についてはこれもネジが固着しているので,プラスドライバー,ショックドライバーとやってみても結局ネジのリセスを真ん丸にしてしまうだけでしたので,ドリルでネジの頭を飛ばします.蓋はとりあえず外れましたので,あとはこのカップの上面から突き出ているねじの残存部分をバイスクリップでねじりつつ除去するだけです.1本目はうまく除去でき,2本目で事件発生.この2本目というのがバイスクリップでねじっても全然動く気配が無く,何度かやっているうちにポロッと折れてしまいました.これではつかむところが無く,バイスクリップをしても将に歯が立ちません.一旦ドリルでここにネジ穴をあけなおすことも考えましたが,精度よくあけられたとしても,蓋も含めてサイズ大きなネジに する必要があり,この時点でこのマスターの使用をあきらめざるを得なくなってしまいました.

手持ちにGPZ400あるいは400F用のフロントマスターがないため,しかたなくヤフオクで物色しましたが,程度の良いものは結構なお値段になってしまいます.同じように蓋が開かなさそうなものならば安いは安いのですが,ロッドの固着も含めまた同じような作業はしたくありません.そこで他車流用はできないか?と考えて実車をよく見たら,このGPz400は,ニンジャなどのマスターが使えるじゃあないですか.というのも,ニンジャなどと空冷GPzシリーズではマスターの形状が大きく違い,それはハンドルクランプの上部への張り出しを避けるため空冷GPzにニンジャ以降のマスターが使えないというのが私の先入観に合ったのですが,GPz1100空冷とは違って,GPz400はハンドルクランプのネジを下側で締めこむタイプで,上への張り出しがほぼニンジャなどと一緒なのです.そのため,はじめ考えていたよりも幅広いチョイスの幅があるということに気付いたわけです.

そうなると手持ちの中にGPz400RあるいはFX400R用のものがありますので,それを取り付けてみたところ,ちゃんと取り付くではないですか.それにモノの状態は私の今まで見てきたストックの中では一番の上玉.案の定ハンドルに取り付けてみて,ひとまず問題なく取りつくのと,その外観の美しさも相まってうっとりと見つめてしまいました.

次はホースです.GPz400は片側のフォークにのみアンチノーズダイブがあるので,その分岐のための短いホースがあるのですが,これは以前入手したGPz1000RXあたりの短いホースを1本ひっつめてオリーブ交換して対応しました.アンチノーズ機構のない右側も適当なホースをそのまま流用して,エア抜きをしていきます.いつもの手順で抜いていき,左側のキャリパーで負圧を掛けながらレバーをニギニギしてフルードの流れを意識しながらやっていくと,ものの2分で左からチューブにフルードが流れてきて,右側に移ってからもすぐにフルードが流れてきた後にビオレから通常のチューブに変えて数回ニギニギを繰り返したらすぐにカチッと感が出てきました.

で,マスターですったもんだはあったものの,かなり順調にすすんではきたのですが,ここで一つ問題発生.気を持たせる状況ではありますが,ここで次回に続くのであります.

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