キャブレターのレストア(その1)

タンクの下のあれというのはもうお分かりの方の方が多いと思いますがキャブレターです.実際はタンクの後半部分と並行して作業を進めたのですが,まあ古いのと超長期放置車であるが故のいい写真が撮れたので,今回はそれが目玉になりましょうか.

キャブの外観ですが,側面は塗装が広範囲にはがれて居たりしますが,外してみたところは随分と綺麗な印象です.外観や触ってみてわかる不具合点は

・バタフライバルブが動き渋い.→ オイルを吹いて何度か動かして徐々に改善
・チョークが動かない → ちょっとやそっとでは無理そうなので後で対応
・アイドルスクリューが錆びて動かない → CRCを吹いてちょっとずつ回るようにしたけど….
・1番と4番のピストンが上がっていかない → 原因わからず

といった感じです.さあ,ここからばらしていきましょう.

まずピストンの動きですが,上周りからまずアクセス.キャップを外してダイヤフラム部のゴムをボディから…あれれ?外れない.ゴムはあまり硬化もなく破れもなくこのまま使えそうなんですがキャップで溝に押し込まれている縁の部分が固着してしまって取れません.というか取れるには取れるんでしょうけど,無理矢理とるとダイヤフラムのゴムが破れてしまいそうでここはあまり強行しないほうがよさそう.ピストンの周辺にベンチュリの入口,出口側からオイルを射しながら,マイナスドライバーで少しずつこじって上に上がるようにしましたが,慎重に慎重にやったので,1番と4番やってしまうのに1時間以上費やしてしまいました.まあオイルで中身がべとべとになってしまいましたが,押し上げて戻るときにちゃんと4つともプスーっといいながらほぼ同じ速度で戻るので,OKでしょう.ということでひとまず難関を一つクリアできました.

次はチョークに行きましょう.ここはもしかしたらシリンダーが詰まっているかもしれないということで慎重に行きます.今回チョークレバーが全く動かないのですが,それに対しシリンダのお尻についているフックが少しガタを持っているので,チョークシリンダをレバー経由でなくこのフックの部分を直接動かしてみます.すると1〜3番は約1mmぐらいはある程度の力をかけるとすんなり動いてくれます.4番はびた一文動かなかったので,4番のシリンダが詰まっているのかな?と思ったのですが,特に4番だけ内部の汚れがひどかったりということもないので,つまりよりは固着かな?と推測しかけたのです.でもシリンダ固着だったら少し力を掛けたら動いてくれないかしら?と思って,マイナスドライバーで少し強めにひっぱったところ,シリンダーが動きました.で,チョークレバーを引いてみたら,あれ?動かない.で,レバーがひかっかる要素がないか良く見てみたら,4番シリンダ―のフックをひっかけているレバープレート先端を少しキャブボディと反対側に倒すと軽く動くことがわかりました.

ということで原因はレバープレートの変形であり,3番と4番の間の部分にマイナスドライバーをはさみこじって変形を修正させたところ,スムーズにチョークレバーが引けるようになりました.これでまた重要な課題を一つ解決.

では下周りにいきましょう.フロート室をまず開けてみたのですが,ちょっとこれはどうなの?という状況でした.あまりの長期放置が故か,通常のジャンクキャブレターにあるようなタールは一切ありません.その代わりにひたすらフロート室壁面の腐食とタールが完全に固体化してしまった末路なのかさらさらの粉がたまっています.その乾燥具合により,メインジェットなんかはそんなにひどい状況ではないように見えます.

まあ下周りの方はここからさらなる困難がありそうなので,あとは次回ということで.

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