キャブレターのレストア(その2)

前回フロート室を開けてなにやら得体のしれない粉があると言っておきながら作業を開始してすぐ.

いきなりキャブを逆さにしたらその粉が靴の上に.それもその靴が夏用のゴム製でクロックス程ではないけどボコボコ穴が開いているものであったので,写真のような悲惨な事態になってしまいました.強酸性の粉とかではないとは思うのですが,靴下についた分とかも含め一旦念入りに落としてから作業再開です.本当ならばいったん靴下を脱いで足を洗浄して,別の靴下に履き替えて,または靴も一度洗浄してなんてことが必要だったかもしれませんが,もうこうなったら多少のケミカル負傷は目をつぶってしまいます.

ひとまずすべてのフロート室を開けてこの得体のしれない粉を落としてしまったらフロートなどを取り出して,フロート室内の壁をとにかくきれいにします.大体立体的なほどに成長した腐食は小さめのブラシなどを駆使して取れたのですが,それ以上深さをもった腐食は表面の不純物は取れたと思いますがどうしても一見してきれいと感じるほどのレベルまでは清掃できませんでした.なお,フロート室のパッキンは完全に硬化しており,取り外しただけで2分割あるいは3分割されてしまうという状況.ここは新品を買っておいて正解でした.

で,フロートバルブ,メインジェット,スロージェットを外してすべて洗浄.それでも穴がふさがっているものはケーブルの撚線をほどいた銅線でコリコリ通していきます.フロートバルブは4ケ中2ケがプランジャが動かず,オイルでなじませてから少し強めに押したら動くようになりました.ボディ側のフロートバルブのシート部分はそれほど荒れておらず,まあまあ使えるレベルだったので清掃しておしまい.メインジェットは1,4番と2,3番でメインジェットホルダの穴の数が違うので,それに注意しながら作業を進めます.スロージェットは4ケ中3ケの穴がふさがっていました.でもニンジャやKSRのフロート室内がタールでべとべとになってしまったものをやった時を思い出すと,比較的楽に穴を通すことができたので,ジェット類は最後にもう一度洗浄してボディに組み付けてとりあえずキャブレターそのものの作業は終了です.

車体への取付です.もちろんエアクリボックス側のインシュレーターは新品に交換しておいたのですが,どうもニンジャのように一旦口を外に折り返しておくことがどうしてもできません.前回のGPz400Fの時はゼファーのキャブにゼファーのインシュレーターだったと思いますので,ここんところがGPz空冷からゼファーに至る過程の中で改善されているのでしょう.

結局折り返せない分キャブを横から挿入するのに相当な力技を発揮して,10分ほど格闘してようやくキャブが定位置にはまりました.アクセルがスムーズに動くのを確認して,今日はここらへんで暗くなってきたので終了.取り付けに多少苦労した感じがありますが,全体としては超長期放置車の割に順調な作業であったと思います.もっと想定外のことが起きると思っていたんですが.でもまだこれから何かキャブ周りで出てきちゃうかもしれませんが,まあそれはガソリンを通してからのお楽しみということで.

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