フロントカウルとその周辺(その2)

フロントカウルには直接ウィンカーが付きますが,これを後で付けると裏から手を回して狭いところでの作業になってしまい結構面倒なので,あらかじめカウルに取り付けておきたいので,とにかくカウルを仕上げる作業の合間にウィンカーを準備しました.

元の車体には割れたカウルがついていましたが,フロントウィンカーはその割れた左側の分もハーネスにぎりぎり釣り下がる感じで,存在はしていました.果たしてこれがどの程度使えるかというのが今回のキモであります.で,いきなり衝撃写真どぉ〜ん.あまりのショックにピントも少しずれ気味ですが,元の車体のカウルからウィンカーを外すときチャプチャプ音がするのでおかしいなと思っていたら,こんな状態でした.もうなんて言っていいかわかりませんが,見事なまでの泥水.確かに各所泥まみれというか砂まみれのところはありましたが,こんな色の濃厚な泥水が如何にしてこのウィンカーに浸入したのか謎.

この泥水の下ではウィンカーバルブは粉々に割れていますし,接点も泥をかぶってしまっています.もうどこから手を付けていいやらという状況でした.ひとまず危険なガラスの破片を除去して泥水を抜いたら,ひたすら中を洗っていきます.泥水の中の泥もかなり多めに堆積していて,ブラシを根気よくかけても一向に流れ落ちる水がきれいになりません.こりゃすげえと感心しつつもどこでこのウィンカーを使うのをあきらめるべきか真剣に考えてしまう私.

で,錆びて再利用できない部品などを除去したら,次にウィンカーの取り付けネジのほうに作業を移します.というのもこの取り付けネジ,カウルの一部と一緒にもげてしまっていたので車体についていた状態と同じナットの位置で錆まくってしまっています.この取り付け部分が再利用できなければ,このウィンカーは流用不可.ここがOKならば勇気を出して流用へのいばらの道を突き進むこといしようと心を決めました.

で,ウィンカーの根元にあったと思われる金具は取り付けネジと共に見事なまでに錆び落ちていますが幸いにもウィンカーのほうのネジはちゃんと存在はしています.ただナットから突き出ているねじが盛大に錆まくっているので,これをなんとか落とさないことにはナットは除去できません.まずダイスを持ってきてネジの谷に収まりきっている錆を掻き出しますと,これまた盛大に錆が飛び散りながら取れてきます.この作業,実は最初になめてかかってまして,リビングのじゅうたんの上でやり始めちゃったもんで,この錆が飛び散った時は心臓が止まるかと思いました.ひとまずその場で掃除機をかけて誠意だけは見せておきましたが,どんどん肩身が狭くなっていきますな.

次に万力にナットを挟んでウィンカーのボディをゆっくりと緩めていきます.これも一気にやったりするとプラスチック部分が容易に破壊してしまいますのでCRCとかを掛けながら細心の注意を払いつつです.そのような苦労をしてようやくウィンカーのナットが外れました.残りのネジの部分に再びダイスを通し,新品のナットがちゃんと通り,固定に支障が無いか確認.結果としてこのウィンカーボディを利用して進めるということに心を決めるに至ったのでありました.

さて,よくぞここまでといった感じですが,長年の泥水浸水状態に負けてしまって錆び落ちたパーツの交換をしなければいけません.といってもパーツの目星が幸いにもついていたりします.というもの手持ちになぜだかGPz250ベルトドライブのリアウィンカーがあったりするのです.これから使えるものを移植していこうという魂胆です.もうこのころになると元のウィンカーの中もしっかり乾き,多少汚れは残っているものの,使えそうなパーツはそれなりの見栄えに回復されています.なんとか生き残っているのはダブル球の端子とそのホルダ.アース線の丸端子ぐらい.他は流用してなんとかしないといけません.で,GPz250のウィンカーから何が使えるかというとまず端子の取り付け板の後ろにあるスプリング.これは元のウィンカーではまるでスプリング自体が元々存在していなかったかのように姿を消してしまっていましたので,流用できるものが手元にあること自体とても稀有なことのように感じてしまいます.

次に,電球を留めるブラケットです.これも1/4ぐらいの部分が薄く残っていたのみで,他は見事な錆び落ちっぷりでした.ただ,250のほうはリアウィンカー,今回作ろうとしているのはフロントウィンカーでダブル球であるので,これが通常だと正常な電球押えにはならないはずなのです.で,一応実験してみました.どちらがポジション端子か,ウィンカー端子かはわかっているので,ちょうどその方向になるように電球を抑えながら嵌めて,ネジって見たところ多少その位置が奥になっているような感じはするものの,ちゃんとポジション,ウィンカーともテスターを当てて導通するところが見つかりました.こりゃいけるかも?ということでさささっと組んでいきます.今度はテスターではなくそれぞれの端子に12Vをくれてやり,点灯確認したところ,無事点灯してくれました.それにしてもニンジャのジャンクウィンカーやいろいろあって汚らしい机の上ですな.これ食卓なんですよね,実は.

とまあウィンカーひとつにも随分時間をかけてすったもんだしてしまいました.ちなみに右側についていたウィンカーの方はほぼ正常でして,何の苦労もなく流用が可能でしたので助かりました.これが両側だったら途中でくじけていたかもしれませんね.で,フロントカウルをすぐにつけたいんですが,まだ周辺でやらなければいけないことがあったりしますので,それを次回に.

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