フロントカウルとその周辺(その3)

フロントカウル周りでウィンカーときたら次はヘッドライトです.ここでも結構な手間がかかってしまっています.

元の車体はもちろん国内仕様のGPz400ですが,カウルと一緒に入手したライトはカウルがそうであったようにそのまま輸出仕様右側通行のライトになっています.パターンも写真の様に左右非対称で,ここは左右対称の元のライトを移植しておきたいところ.通常ならこのライトの移植ぐらいだったらそんなに大変ではないのですが,入手時点であれほどの錆に包まれていたこの車体です.間違いなく相当な手間がかかります.そのため通常ならば日中の作業の最後についででやってしまうようなものではあるのですが,わざわざ日の高い時間を選んで作業を開始します.

案の定といった感じですが,ライトを摘出する前に前段の作業があります.まず既に車体から外してあるカウルステーの方は,先日カウルの破片を利用するときに少し触りましたが,まず大半がそのまま残っているカウルをステーから外すところからになります.で,下の方は片方のみ固定されていてバイスクリップでナットを挟みつつ回して取れましたが,上の方はミラーがあるわけでもなく,それぞれのミラー用のネジ穴をそのまま利用して皿ネジでカウルとステーが固定されています.この皿ネジというのが既に終わっている感じなのですが,プラスドライバーで回してもびくともしません.ものがカウルとカウルステーなので,ショックドライバーも効き目が薄く,左右4か所とも結局ネジの頭をドリルで飛ばしてからカウルステーに残ったネジをバイスクリップで摘出するという作法で分解.まあカウルステーも錆々なので再利用するつもりもないんですが,頭を飛ばしたネジがそのまんまなのも気持ちが悪いのでわざわざ除去したりしています.

次にヘッドライトをカウルステーから外します.でも上下の光軸調整のブラケットを留めているねじが錆で完全に回せなくなっており,CRCをぶっかけながらバイスクリップでちょっとずつ回さなければいけなく,かなり時間を浪費しました.で,そのヘッドライトカバーとブラケットを留めているステーについては全然取れる気配なし.恐らくまだ見ぬ内側のナットがおバカちゃんになってしまっているんでしょう.左右のネジは内側のナットが多少空回りしましたがなんとか外れてくれたようです.で,ヘッドライトカバーを留めているねじもかなり錆びていたのでこれもバイスクリップで回します.最後にカバーとライトリムの爪の嵌合がかなり厳しく,それでもカバーを割ってしまいたくなかったので,少し遠慮気味にカバーとライトリムとを分解しました.引き続き車体側に現在ついているライトを取り外します.よく見るとこちら側はヘッドライトとウィンカー,ポジションのためリレーハーネスのようなものがありますが,元の車体はメインハーネスにそのままヘッドライトのカプラーなどがくっついています.ここらへんポジションランプの有無は海外仕様と国内仕様の差というのもあるでしょうが,メインハーネス一体かどうかは恐らくGPz400とGPz400Fの違いによるものなんでしょうね.

ここで,カウルと一緒に入手したライトと並んで記念撮影.こうやって見ると元の車体に付いていたほうはライトリムのやられ具合が半端なく,ところどころ穴が開いていたりしますが,新しく使う予定のものもそんなにきれいでないのがわかります.ひとまず汚れを落としたらまあ見れない感じではなくなったので黒塗装したりまではしないことにしておきます.この時点で左右の光軸アジャスタのネジも外していますが,ここはなんとかネジのリセスをバカにしないでなんとか最後まで抜けてくれました.それにしてもここまで通常の作業スピードの約5倍の時間がかかっています.ああしんど.

あとはライトリムからライトを移植して,カウルステーに取り付け,カウルとミラーを取り付けたら今回の作業は終了.スクリーン,インナーカウルはまだカウルの内側でやらなければいけないことがあるので,それを待ってから取り付けることにします.ということで仕上がり写真はまだ載せませんけどなんとか室内でなにかと場所を取るフロントカウルが車体に乗っかったのでありました.

KEN-Z's WEBのトップへ NEXT