キーのレストア(その3)

1本のキーですべてが開くようにはなりましたが,タンクキャップがせっかく使えそうなことが分かったので,このタンクキャップを何とか使えないか思案しておりました.タンクキャップの内部は腐食も少なく,摺動面にも凹凸がないので今までニンジャなどで対面してきたさまざまなタンクキャップの中では良質なものと判断していますが,いかんせん外観が悪い.このタンクキャップは表面にめっきあるいは硬質な表面処理が施されていますが,これがところどころ剥がれて,その下地に腐食が進行してしまっています.少々の剥がれであれば,そのまま使ってしまいたいのですが,この剥がれの大きさが大き目で,なおかつ剥がれた層がかなりとげとげしく出っ張っているため,指の皮膚でなぞっても引っかかる感じで痛かったりします.これをそのままで使いまわすのは流石の私も気が引けるレベル.となると見栄えを良くするためになんかしら対策を施すのが今回のお題ってことになります. まず,何をやるかですが,このまま表面処理の層が凹凸していると何もやりようがないのでまず表面を削ります.こう書くとなんか簡単な感じですが,実は金工やすりでガリガリと削るところからで,結構体力と時間を消費しました.実際下地は鋳物でやわらかいのですが,その表面処理部分は結構な硬さであり,力を入れて削らないといけません.

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まあ全体をきれいに落とすまでは必要ないので,ここからは番手を少し細かくしてやすりで出来た表面の微妙な引き目を消していきます.だいたいきれいになったら,ここに耐ガソリンではないもののクリア塗装を塗装します.なんで?ということになりますが,結局耐ガソリンの塗装をしても結構傷んでしまう部分ですので,ここは最初から塗装を最上層にすることをあきらめたのでした.となるとどうするかですが,とにかくコーティングっぽいものが表層を覆っていればよいと考えて,屋外用のカッティングシートを張ることにしたのです.というのもタンクキャップには結構オシャレでカーボン調のキャップカバーシートを張っている方がおられますし,以前ZX-9Rでカーボン柄のカッティングシートを貼って約10年無交換のまま乗り続けることができた経験もあったので,それを今回下地を剥いでやってみることにしたのです.このやり方はもしまたガソリンで傷んで来たら簡単に張り直せるというのもわたし好みの対処方法であったりします.

そんなコンセプトで結局何色にするの?ということですが,とどのつまりあまり冒険することもなく艶消しカーボン調の結構伸縮性のあるシートをちょうど天面に当たる寸法にあてがいながら切断して貼ってみました.面取り部分はさすがに伸縮性があるといっても細工なしに貼るのはむつかしいので,最初っから剥離もせずに,元の地を出しています.ひとまず段差部分も含めしわもなくうまく貼れたので,ここでキーシリンダーを戻し,キーシリンダーの下にあるパッキンを入れ替えてグリス塗布などしてキャップを組み立てて,キーを挿してその開閉具合をチェックします.特に引っ掛かりもなく,かなり新品に近い操作感で,思わず何度も何度もキーを回してしまいます.とまあ,購入したのはキーとOリングだけということでかなりお安く1台分のキーセットが出来上がりました.ああ〜,自己満足度最高〜.

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