前回あれほどまでにGPz400へのこだわりを吐露したくせに実は企画開始時点では400でも400Fでもいいかなとか思っていました.というのもひたすらライムグリーン外装をかぶせたいというのと,前回のリベンジとしてGPzの純正に近い形で車両を製作したいと思っていた時期もあって,結局のところどっちでもいいかなと思っていたのです.あえて言えば,400Fならば一層記憶の断片を寄せ集めて確固たるものにできるかなと思っている反面,400であったなら,400Fのオリジン,私にとって所有したことはないものの思い出深いz400GPからの流れを一層深く認識できるようになるかな?といわばぼんやりとした意志しか持っていなかったわけなのです.
で,両方に網をかけていたところに,GPz400のほうが先に網にかかっただけというのが正直対象車種がGPz400に落ち着いたという主な理由だったりします.で,結構部品取り車ということでは出品が多いGPz400と400Fですが,網にかかった理由というのが,
とある土曜日の早朝.小雨の降る中ではありますが,出品者の方が到着.一応ブレーキ固着はないもののブレーキは利かないということで車から出すところでは後ろからサポートに入ります.出品ページの他にYahooの写真掲示板で多くの写真を掲示されていたこともあり,かなり写真の印象に近いやれ具合.わざわざ来てもらったお礼を言い,代金をお支払して見送ったら早速現状確認です.(写真は晴れた日に取り直しています.)
まず,今回の落札の決め手となったのがこのタンクです.もう今まで見た全てのタンク付の部品取り車のうち,一番のやれ方です.下周りがほぼ抜けきっていて,ガソリンコック,燃料計のセンサーも取り付けてあるタンクの素地ごと崩落しています.左側はかろうじてカワサキロゴが残っていますが,この見栄えがまるで田舎で時折見かける金鳥やオロナミンCの古いブリキ看板のようでして,まさかカワサキのロゴでこんな感じの様を見ることができるとは思いませんでした.タンクキャップについてはかろうじてくっついている感じで,その周りが殆ど抜けてしまっているので,内側にコケて入り込んでしまっています.その手前には新車には必ずついていた注意書きシールがそのままになっています.これがさらにもののあわれを感じさせます.
まあ,ここまで逝ってしまうと,出品者のほうでタンクを外して売りだそうとするんでしょうけど,鍵がなくてシートが外れませんので,このままの納品となったわけです.逆にそれが私の場合,ペーソスを感じさせるというか,自虐的レストアラーとしての誇りを刺激されてしまったわけです.
ここいらへんで,長々となってしまったので,次回以降この車体の逝ってしまい度を代表的な部分のみご紹介していこうと思います.