シートのレストア

一応車体には破れたバイクカバーをかけて、その下にはエアキャップを掛けてなんとか水漏れを防止した上に、自転車のタイヤチューブでちょっと緊縛気味にすることでなんとか雨風をしのげるようにしていますが、それでも少しは水分が入ってきますし、結露もばかになりません。出来るだけ早いうちにシートの破れを何とかしておく必要があります。幸いにもシートウレタンはまだあまり水分を吸っていないようなので、現在のシート地をはがして少し乾かせば新しいシート生地が張れそうです。

まず,シート生地を外す前にタンデムベルトを外す必要があります。しかしこれがかなり固着が激しく、なかなか外れません。CRCを吹きかけてショックドライバーも何度か当ててみましたが、結局ネジの頭のリセスをばかにしてしまうのみでした。しょうがないので、もうとにかくネジが外れてくれればいいと考え、バイスクランプで挟んでまわしてみたところ、ねじがまわりました、ただしベルトもくっついて回ってしまいます。これだとよろしくないので、逆サイドを同じくやってみると、こちらは多少力は必要でしたが、ベルトとねじが連れ廻りすることはありませんでした。したがってまずこの連れ廻りしないほうを外します。ちなみにこのネジは先端部分のネジがわざと潰してあり、いかにネジが緩んでも絶対ベルトが外れないようになっています。今回はいつものとおり強行してもナット側よりネジ側がつぶれるだけということでそのまま強行します。

もう一方の固着した側のベルトが外れたら、ねじを裏側からハンマーでたたいてベルトとねじを分離します。錆は圧力がかかっている状態でのせん断には固く抵抗になりますが、単に開く方向の荷重には弱いので、こうすれば簡単にはがれます。といっても一緒にめっきまで剥がれないか心配なので、そんな強くはぶっ叩けませんでしたが。という具合に取り外したベルトについては金具に錆が出ていて一部欠損していましたが、実用上問題ない上に、しげしげと見ない限りは外観上も気にならないので、少し錆び取りして磨いたら流用することにします。

錆のためにシートベースに入り込んで取れないタッカーの針が数本ありましたが、苦戦すること10数分でパリッパリに硬化したシート生地をはがしたら、シートベースが姿を現しました。観察してみると破れているところの下地は少しやせていますが、他はダメージもありません。ただ、あんこ抜きを施術されたようで、シートベースのエッジの部分が少し肉がそぎ落とされています。GPz400、400Fのシートはこの部分の面取りのシルエットが特徴的で私も好きな部分であったので、少し残念ではありますが、わざわざシートベースを入れ替えてまで流用するとまたいろいろ場所を取る部品が増えてしまいますので、なんとかそのまま流用の方向で進めます。

ここでシートベースの一部が湿っていたので1日乾燥を入れます。あいにくの梅雨時なため、天日干しまではできませんでしたが、タオルでやんわりと内部の水分を押し出した後で1日おいただけで、ほとんどの水分が抜けたようなので、次の日にシートを貼ります。まあはがす時は結構大変なのですが、比較的エッジの少ない形状であるので、張る工程自体はそんなに難しくありません。ほどなくして完成。

あとは車体に載せてみて最終確認。これで車体の後ろっ側にエアキャップかけたりしなくっても良くなるな〜と思いつつ、良く考えたらこのシートを固定するキーがまだ出来上がっていません。したがってお次はここに手を入れることにしましょうか。

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