タンクのレストア(その1)

車体のほうは各所のびくともしないネジとの格闘を繰り返しているので,そろそろ疲れてきました.気晴らしに外装に行ってみたいと思います.で,いきなりタンクです.というのもタンクについてはさすがに車体についているモノは再利用不可ということで,かなり前からあたりを付けていたのですが,もともと車体の数が多いのと,何かと塗装が弱いのか錆びやすいモノということもあって外観にそうこだわらなければ ,再利用が可能そうな出品が多いのです.その中でまだ時期的には色を何にするか決めかねている頃だったのですが,タンク内に錆がないライムグリーンのタンクが売られていました.中規模のへこみがあって,タンクキャップ周りの塗装がガソリンに侵されて浮いていたりします.この程度だったらなんとかなるかな?ということでお値段もお安かったので落札.この時点で車体の色はライムグリーンに決定ということになりました.

届いたものは,想像していた通りのもので,写真の様に左のロゴ上に大きな凹み.右を見ると旧カワサキロゴの立体エンブレムがあるので,この凹みができたときにこのエンブレムがぶっ飛んで行ったんでしょう. タンクの上のキャップ周りはGPz空冷シリーズの慢性疾患であるタンクキャップからのガソリン漏れの影響で塗装浮きが発生しています.この塗装浮きは純正のウレタン塗色のままであれば問題はほぼありませんが,私のようなサンデーペインターがアクリル塗料をクリア下の色付けに使用しただけでも深刻な影響が出ます.というのも少しかかっただけならばウレタン層のみに多少見えない程度のダメージが残る程度ですが,このタンクキャップからの漏れは長い時間気づかない間ずーっとガソリンがキャップの周りにとどまり続けます.そのためこのような派手な塗装浮きにつながるわけです.

まず表面に残っている片方のエンブレムをカッターを隙間に突っ込んで剥がしていきます.あと表面に付いた粘着剤を落としたら凹み対策に移ります.凹みそのものはかなり深さを持っているので,そのままパテで埋めてしまうとタンク容量の減少,重量増,パテそのもの材料費などばかにならないのでデントリペアツールで凹みを少なくします.このデントリペアツール,正式名称がなかったんですが,世の中ではひっぱり君と呼ばれているそうです.思い起こせばこのツールを使うほどへこみが大きいものは久しぶりなので,恐らく5年ぶりぐらいの登場.それにグル―スティックがそろそろなくなりかけているので,パッドの先についた樹脂を使いまわしてやっていたらなかなか吸着力が上がらず,苦労することしばし.

でも何度かやっていたら熱履歴が功を奏したのかしっかりとくっつくようになって30回ぐらい,時間にして6時間ぐらいやったところで凹みが半分ぐらいまでになりました.しかし,ここで問題発生.欲張って上の方の凹みを何とかしようと塗装がはがれてしまっているところの近くにパッドを当ててやってみたら,塗装がはがれてしまい,それ以降その部分は一切踏ん張りが利かなくなってしまいました.塗装がはがれて段差になっているところを避けてやってみても下地が荒れているので吸着しないようです.そこで下地がさらに剥がれることは一切気にせず,粘着テープを貼ってその上からパッドを当てました.これは少しは効果があったようで塗装が元気だったときの1/3程度のペースで引っ張ってくれました.でもこのペースだといつまでたっても終わらないので,ひっぱり君の出番はここまで.といいつつ実はここまでかなりな時間を費やしていてのべ30時間このひっぱり君での作業を行っております.作業場所は例に漏れずリビングであり,家族がいようがいよまいが樹脂が溶けるにおいをずーっと発しながらやっていたわけで,これが家族にすこぶる評判が悪い.特に口に出してクレームすることはないのですが,作業開始して少し経つと嫌な顔をしてリビングから去っていきます.どうやらもともと悪かった家族関係にさらに拍車をかけてしまったようですね.

というわけで,ひっぱり君で何とかなったのは上の写真のような状態まで.あとはパテ埋めで何とかすることになりますが,ここらへんでもう長くなってしまったので続きは次回となります.

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