タンクのレストア(その3)

タンクについては以前続きは次回!みたいなことをいっておきながら長らく放置プレイしてしまっていました.気になっていた方には非常に申し訳ございません.で,今回まで時間がかかったのは単純に塗料がちょうどなかったり,塗装に良い季節を逃してしまったりと,いろいろやらない言い訳があったからに他ありません.なんとか季節も程よくなってきたこともあり,いよいよ塗装です.表面をライムグリーンが残っているところがはげない程度にひたすら荒らした後,ライン部分をマスキングしてうっすらとサフェイサーを吹きます.次にライムグリーンを乗せますが,サフェイサーが薄いので下地の色がなかなか消えません.思ったより多めのライムグリーン塗料を消費しつつライムグリーンは塗装完了.

マスキングをはがして1週間しっかりと乾燥させたあと,また表面を掃除がてら少し荒らして.マスキング際などをきれいに処理します.今回は金縁のない黒のKawasakiデカールを貼ったのですが,背景色のライムグリーンが少し違うようで,際が目立ってしまいます.どうしようか散々迷ったのですが,まあそんな細かいことは言いっこなしよということで,このデカールを使用することにしました.青白のラインの間には元のタンクは金のラインが入っておらず,ここはやっぱりこだわりたいので,ラインテープを貼ります.ここまでできたら最終仕上げ.

2液のウレタンクリアを塗ります.今回はイサムのやつですが,これが最近ノズルが変わったのでどうもコツをつかみ切れていません.少し早く動かすとミカン肌になってしまい,なかなかツヤが出ないのです.気温が高いと垂れを気にして早目に動かしてしまいがちなんですが,終わってみてみるとそれなりのツヤは出たものの,塗装中にミカン肌に一旦なった部分は微妙な凹凸がそのまま残ってしまい,全体的にきれいとは言えない仕上がりになってしまいました.デカールの色の違いもこうやってタンク単体で見ると目立ってしまいますね.あと悪い時には悪いことが重なるもので,作業終了間近になって小雨がぽつぽつ落ちてきました.少しタンクにも雨粒がかかってしまい,あわてて屋根の下に運び込み,ティッシュにしませたのですが,少し跡が残ってしまいました.作業開始のときに雨が降るかも?と少しあせって作業したということもあって,失敗したかな?と今になって後悔.

2週間程度そのまま乾燥させ,ミカン肌っぽくなっているところを1000番のペーパー,粗目のコンパウンド,細目のコンパウンドの順で磨いて,インジケーター,タンクキャップ,ゴムブッシュなどを取り付けてみます.左側のパテ埋め大会でなんとかなったような部分はあまりにも凹凸範囲が広大であったためか,光を反射させてみると少し凹凸が見えてしまいますし,未だにデカールの境目がくっきり見えてしまうのはご愛嬌ですが,まあそれなりにきれいに仕上がったかも?といった感じです.

次に下周りに行きたいところですが,ここでやっておかないといけないことがあります.燃料コックのレストアです.ただ,今回のレストアは今までにない作業が付加されておりまして,これをクリアしないことには先に進めません.というのも写真の様に朽ち果てたタンクの取り付け座の部分が,コックの取付けネジが固く締まっていて取れないのです.通常ならばタンクがあって,そこからネジを除去するのですが,今回はタンクそのものが小さい錆だらけの個片になってしまっています.固定がままならずネジが回せない状態なのですが,これをなんとかしないといけません.まず本来ならタンクの内部になるネジの先端部分はタンクの板金と同じく盛大に錆びています.これを抜くのはとても大変なので,まずネジの先端の出っ張って錆びている部分をハンドグラインダーで落としてしまいます.あとはバイスクリップでコックを固定し,スパナで緩めていきます.実はこのネジの頭と燃料コックのボディの隙間がニンジャでもぎりぎりの隙間しかなく,ボックスレンチがなんとか入るような状況なのに,GPz400の場合は,これがさらに狭くスパナしか入らないのです.これがドライバーで緩むぐらいの堅さなら問題はなかったのですが,剛性が低いのであまり普段使いたくないスパナをこのような力技に登場させなければいけないのです.とはいえ,ネジの先端を先に切っておいたのが功を奏してか,スパナでもなんとかネジを緩めることができました.

なんとか燃料コックのほうは救出できましたが,これがそのまま使えるかどうかはまた別の話.ここからは次回ということにしましょう.

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