さて,難題が過ぎ去ったら次も難題です.以前より気になる存在であったキャブレターに取りかかりましょう.といっても,この時点で既にもののほうは入手済み(多いな〜このフレーズ).GPz400F用キャブレターの部品取り用として売られていたもので,これをなんとかレストアして使えるようにしようというのが今回のターゲットです.
で,とある休日の朝からキャブレターをごそごそ持ち出してきて,早速状況確認.下記の状況を確認しました.
それにもうひとつ調査したところ,400Fのキャブレターとエンジンを繋ぐインシュレーターが車体とともについてきた部品の中にしっかりと4つあったのですが,これが2ケ破れてしまっていて他も変形,硬化が激しく使えないということがわかり,これは純正新品を買っておかなけば...ということで,その価格を調査したのです.すると,なんだかこのインシュレーターが高いのです.比較のためにゼファーのそれも調べましたが倍近く高いのです.
こういったことが決定打となって,早々にせっかく入手した400Fのキャブレターをあきらめてしまう方向で気持ちが固まりました.こうなってしまうと次は何を使うかですが,好都合なことに入手した車体は部品としてゼファーのキャブレターASSYが付属していたので,それを使えないかを検討することにしました.
まずそのサイズをチェックしてみましょう.長さについてですが,これが長い短いが原因でエアクリーナーの位置が変わってくるので,そこがまず一番気になるところです.並べてみると,なんと目で見てわかるぐらい長さが違ってかなりショック.でもインシュレーターを見ると400Fのものはかなり小型なのに対し,ゼファーのそれは少し長めなようです.キャブの長さをカバーするほどではありませんが,これは少ない確率になるかも知れませんが賭けてみてもいいかも?と思ってしまいます.まあ,ダメだったらエアクリーナーボックスを改造するなり,パワーフィルタにしてしまうなり何でも手はあるみたいですし...とかなり楽観的な私.
お次は入り口と出口の径ですがこれは微妙な違いです.入り口側はなんと同じ径,出口は少しゼファーのほうが大きいようです.同じCVKなのに,こんなに違うとは思わなかったので意外や意外.ということで,その結果をまとめてみたのが右の表. |
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まあ,こんなところでデータ並べたところで誰も興味ないでしょうから何の価値もないのですが,こんなことが見つかってホントに自己満足に浸れるおめでたい自分に感謝なのです.さて,満たされた気持ちでゼファーのキャブも清掃していかざるを得ません.いつものようにフロートチャンバーとトップカバーを外してそれぞれの中身をきれいにしたり摺動を良くしたりします.下回りではフロートチャンバー内の汚れはほぼ無し.メインジェットの詰まりは無し.パイロットジェットは4ケ中2ケが軽い詰まり.これは銅線をクリクリねじ込んで詰まりをなんとか除去.パイロットスクリュー周りはそう汚れていませんでしたが,清掃.その周辺の管という管をクリーニングしました.1点だけ困ったのがフロートバルブ.これがどうしても1番のフロートバルブが固着してプランジャが動かないのです.正確にいうと,はじめ一番出た状態だったのですが,一度押し込んで見たところ戻ってこなくなって,超音波洗浄器に長時間漬け込んでも一向に抜けてくる気配がないのです.これは如何ともしがたいということで,部品取りのニンジャ用キャブから拝借.なんとか事なきを得ました.
ちなみに400Fのキャブのために購入したフロートチャンバーのパッキンは同じ部品番号だったので,そのまま流用します.これでゼファーのキャブを車体につけるべく準備が出来たと思うあなた.甘いです.このキャブレター周りには旧車の中でも比較的新しいGPz400Fであっても多大な苦労をしなければ流用できないのです.ということで続きは次回なのでございます.