キャブレストア&改造(その3)

チョークの改造の中で,引っ張ってもすぐに戻ってしまう点は400Fの場合はとても重要なポイントです.というのも,400Fの場合はスターターロックアウトがクラッチレバーで利いてしまうので,セルを回す瞬間にクラッチレバーを握っていなければいけないのです.私に突然変異で3本目の手が生えてくればそれも可能なんでしょうけど,レバーをキャブの横にしてしまっているので,そんな連立動作は一人では不可能.ということで,チョークレバーが戻らないように工夫をしなければ取り付けても意味がないのです.

一応順調そうに見えた前回の作業を中断して,どのようにこの課題をクリアするかを考えました.チョークシリンダにかかっているスプリングを抜いてしまおうかとも考えたのですが,それをやるのはかなりな手間がかかるばかりか,新たなトラブルを生んでしまう可能性も否定できず,この時点ではベストアンサーではありません.そこで個々のスプリング力とちょうど均衡が得られる程度の張力をスプリングで掛けることにしましたが,どうもちょうど良い方法が見つかりませんでした.手持ちのスプリングでは弱すぎたり,掛ける場所がなかったり.

結局悩みぬいた末に手持ちのスプリング(多分ゼファーのキャブのチョークプレートに引っかかっていたものを利用して少し短いスプリングを作り,その先を3番の負圧ニップルに取り付いているゴムチューブに引っ掛けることにしました.こうすれば微妙に均衡が取れて,チョークを思いっきり引っ張った状態でもチョークが止まっています.しかしこれはチョークのシリンダにかかる摺動抵抗があっての均衡ですので,摺動抵抗が軽い方向に変化してしまうと,またスプリング力を変えなければいけなかったりします.まあ,この点は目をつぶってひとまずの解決ということで次に行きます.

次はいよいよ取り付けです.エンジン側のインシュレーターはまだひび割れなどもなく,内部もささくれ立ってないしまだまだ使えそうだったので,もともとゼファーのエンジンについてきたものをそのまま流用.エアクリーナー側のインシュレーターはGPz400F用です.ここは入り口の口径が一緒なのでキャブピッチに合わせるのがいいのか,エアクリーナーボックスのピッチに合わせるのがいいのか結構悩みましたが,そんなに新品のお値段が変わらなかったので400F用をチョイス.多少のキャブピッチが違っても所詮ゴムなので調整が利くでしょうとかなり甘い考えです.

アクセルワイヤは推定400F用のものを使います.ちなみに1本引きと2本引きでは取り付け方法が違うのでゼファー用の引き側を流用することは出来ませんでした.キャブの取り付けに当たっては,キャブの全長がゼファーのものは400Fのよりも10mm以上短かったのですが,エアクリーナーボックスのフレームへの取り付けネジ穴が長穴になっていて,これを目いっぱい前に出すとジャストフィット.エアクリーナー側のインシュレーターの嵌めこみも心なしかニンジャよりもやりやすかったみたい.

位置が決まったらエンジン側のインシュレーターバンドを締めて,エアクリーナーボックスの取り付けネジを締めて作業そのものは終了.出来上がりを見てみると,ほぼ違和感なくキャブレターが納まりました.1本引きにしてアクセルの戻りがやっぱり心配だったのですが,全然問題なく戻ります.しかしチョークは少し摺動が軽くなったのか目一杯引いても2mmぐらい戻ってしまうようになっていました.これは今後何か対策せねばいけないところですね.少しキャブレターがコンパクトになっている分,何か少し優越感のようなものを感じてしまいますが,実際はキャブセッティングなどで少し手間がかかってしまうのでしょうか?ゼファーのヘッドとキャブなんで,そんなに手間はかからないと思いますが,なんせ点火タイミングが違うはずなので,やっぱり梃子摺るんだろうな〜.

というわけで,キャブをなんとか載せることが出来ました.いつもと違って純正流用の箇所が多いので,時間と手間はたっぷりとかかっているのを痛感しつつ,次なるテーマはどうか軽いものであってくれと祈る私なのでした.

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