チョーク不具合対応

何度もエンジンを掛け,状況確認を繰り返している中で,どうしてもなんとかしたいトラブルが出てきました.それはチョークの戻り.以前キャブのところでいろいろ工夫をして何とかなったかのように落ち着いたチョークですが,やはりスプリング力との微妙なバランスは長くは続かなかったようで,何度もチョークバルブの動作をさせるにつれ摺動抵抗が軽くなり,果てには引っ張ってすぐに戻るという状況になってしまいました.ここでスプリング力をもっと強いものにしようなんて思うと,そのバランスによっては逆に引っ張れない状況もありうるということで,ここをなんとかしなければいけないわけです.

今までのエンジン始動時にはどのようにしてきたかというと,写真のようにドライバーを上から引っ掛けて,チョークを戻らないようにしてエンジンを掛けてきたわけですが,実際走らせる段になってドライバーを持ち歩いて毎回ここに引っ掛けてなんてやっていたら大変.ということで策を考えます.

まずキャブを外してとにかく現状確認です.一応将来の不安は何とかするとして,応急措置でスプリング力で均衡が取れないかを確認します.スプリングの引っ掛ける場所を調整したり,スプリングを変形させてばね力を変化させてみたりしましたが,どうもイマイチ.

こうなったら他の手を考えなければいけません.まずスプリングなんかに期待せず,摺動抵抗をあげてやる方式を考えました.で,チョークのスライドプレートを留めている4箇所(実際ネジが付いているのは3箇所だけですが)の樹脂ワッシャに目をつけました.この樹脂ワッシャが少し分厚かったら摺動抵抗が重くなると考え,樹脂ワッシャを薄めのワッシャに2枚重ねて付けてみました.すると全然スライドプレートが動きません.これは失敗です.もう少し薄いワッシャを...と思いましたが,0.2mm程度のシムを入れてちょうど良い感じの摺動抵抗になりました.で,何度か動かしているとだんだん軽くなって来ました.ついにはチョークがすぐに戻ってしまうようになり,効果はゼロになってしまいました.

ワッシャの厚みを増す方法をとると,樹脂ワッシャに掛かる面圧が高い状況が続き,それが徐々に樹脂ワッシャを削っていってしまうことにつながるようで,これだと長期信頼性は期待できません.なんとか樹脂ワッシャが削れないで,摺動抵抗が長く続いて得られる手は無いものか?ものをしげしげと眺めること約10分.

ここで思いつきました!樹脂ワッシャに押し当てる力を増やすだけでよければ,裏に隙間がある状態でプレートをワッシャに押し当てれば良いのです.となると,プレートの一部を気持ち曲げてみたらそれが実現できるかも?ということで,早速プレートを外し手で少し曲げてみます.これをキャブに取り付け,プレートを動かしてみると結構な摺動抵抗.もちろん戻りません.これでは抵抗が強すぎて樹脂ブッシュが必要以上に削れてしまいそうです.ということで再び外し,曲げ量を少なくして再装着.今度は摺動抵抗も適度でなかなか戻らない感じ.さて,これで百回程度摺動させ抵抗が手感で変わってきていないかを確認.ほとんど変化はないようで,これならその対応内容はいい加減すぎなわりに長期信頼性はなかなか期待できそうです.

一応キャブを戻してまたエンジンを掛けてみましたが,ドライバーを使わなくていいので快適そのもの.チョークの戻し具合の微妙な調整も出来て,あまりの安易な内容でありながらすばらしい効果にちょっと感涙に咽びつつ作業を終了したのでした.

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