タコメーター修理

火入れから今までの工程でほとんどの不具合が解決できてきていますが,1点だけ取りこぼしている点がありました.せっかくエンジンが掛かってアイドリング調整しようにも音を聞いて調整しなければなりません.タコメーターがピクリとも動いてくれないので,こういった不便が続いているわけで,これをいち早く解決しておきましょう.といってもまずタコメーターが修理不能なぐらいNGであれば,新たに購入しなければいけないわけですし,早めにその状況確認だけでもしておかなければいけません.なかなか私のお眼鏡に適う程度と金額を両立したメーターというのは出品されて来ませんし,ここらへんは今になって考えればもっと早く対処すべきだったんでしょうけど.

早速週末の朝にメーターをばらします.といってもタンクの下でつながっているコネクタを外すのが面倒なので,ステーを外してメーターケーブルを外したらそのままカウルの中でメーターをばらして行きます.どうもニンジャよりもGPzの方がカウル内のスペースが広いのと,水温系や燃料系がない分メーターASSYそのものの大きさが小さいことが幸いしてこういった手抜きが可能なようです.

それでも潤沢にスペースがあるわけではないので,配線を千切ったりすることが無いように細心の注意を払いながらなんとかタコメーターの摘出に成功.私はその裏返したタコメーターに驚愕の事実が刻まれているのを目の当たりにするに至ったのです.なんとタコメーター基板の端っこに沿って白い腐食が発生しています.この程度になると間違いなく導通してはいけないところが導通してしまっているでしょうし,回路上の他のトラブルを発生させてしまっている可能性もあります.この瞬間自然発生的に新しいタコメーターを買わなくっちゃね〜なんてことを考えてしまったのですが,それとは裏腹に修理を開始している私がおりました.

修理といってもひとまず清掃です.配線を抜いて取り出したら基盤の表面をひたすらアルコールを浸した綿棒でシコシコ.清掃が進むにつれ腐食が深い箇所は意外に少なく,湿気防止のシールが掛かっていない半田の部分を覆うように白い皮膜が掛かっている状況です.ごく一部の湿気防止シールが浮き上がって,その下にまで腐食が及んでいますが,その部分の銅箔は浮いたり千切れたりはしていないようです.これであれば清掃して何とか腐食を取り除き,同じくコーティングすれば何とかなりそうです.

ほとんど腐食層が除去できたら,今度は半田と半田の間の部分を爪楊枝にアルコールを染ませて清掃します.本来この部分の腐食がもっとも問題であり,この腐食層を通じて導通してしまうことで回路が破綻するわけです.ここはかなり念入りに清掃しておきます.

さてこの状態で動作確認をしておきましょう.アルコールが乾いたのを確認したら,メーターASSYの配線を繋ぎこんで,エンジンを掛けます.すると針は見事に動き出し,その回転数はかなり聞いているイメージに近い数字を挿しています.アクセルをあおってもちゃんと追従していて,回転数なりの応答性が確保できているように思えます.電圧についてはちゃんと12Vをちょっと過ぎたところを挿しており,これなら電気的にも機械的にもほぼ完調であるといえるでしょう.仕上げに室内から持ってきたコーティング剤を基板に塗ってタコメーターをケースに収めます.ステーを留めて,メーターケーブルを繋いで作業は終了.

今回はタコメーターのような機器,今ではそんなでも無いですが,この車体が世の中に出た頃は立派な精密機械であった部分を無謀にも修理という形で対処したので,この先どこまでこの状態がキープできるか一抹の不安が無いわけではありません.でも,これはこれで又楽しみがあるってもんなんですね.(←また異常思考)

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