クラッチワイヤ

車体周りが徐々に出来上がりつつある中,ブレーキレバーはちゃんとかっちり感が出たんですが,未だにクラッチレバーはブラブラなまま.というのもクラッチワイヤーはもともと車体についていなかったためにこのような状態だったのですが,言うなれば今まで気がついていたけど無視してきたところだったわけです.それで,適当なクラッチワイヤを物色します.まず400Fのクラッチワイヤの形状を確認して,あとは長さ.取り回しなどを考慮すると,90年代初頭のネイキッドブームの何がしかであればいけそうです.

ということで,何種類か物色しましたが,XJRのものがよさげ.写真からだと,ちょっと400Fとはレバー側のパイプの曲がり具合が違うような気がしますが,ここはリスクを楽しむことも踏まえて落札.

で,到着したものは予想していたとおりワイヤーの伸びもほとんどなく,錆やワイヤーの磨耗などもない上物.こりゃええ買い物したわ〜と喜びつつ次の週末の朝,早速の取り付け.がっ!しかし思わぬ落とし穴が!車体にレバー側からワイヤーをフレーム,エンジンに向かって這わせて確認していたところ,驚愕の事実が!

今回はGPz400Fといいながらゼファーのエンジンを流用しており,そのゼファーのエンジンと400Fではクラッチワイヤーの引っ掛ける金具の形状が違ったのです.具体的にいうとXJRの金具はコの字型の先端が少し細くなった金具にちょうどその形にあったテーパ型のワイヤ先端の金属部分が入り込んで引っ張る形.400Fはまさにその形のワイヤーだったのですが,ゼファーの場合は普通の円筒形の太鼓が筒っぽの中に入ってくりくり回る感じのきわめてオーソドックスなもの.う〜む,思わず純正流用とはいえこのような違いがあるとは露知らず先走ってしまいました.

さてどうしよう?ということになるのですが,どうもこのままゼファーのワイヤーを探して入手してもよいのですが,それは私の性格が許しません.ここはこのXJRのワイヤーを細工して何とか使えるようにもって行きたいのが人情というものです.長さを確認した限りではXJRのものは少し長いらしく,その上チューブの長さに比べるとずいぶんとワイヤーの余長もあります.ここはその余長を利用してやらないてはないでしょう!

ちなみにヤフオクなんかで検索してみたところ,ワイヤーにネジでかしめるような感じで後付できるタイコを売っているところもあるようです.これを参考にしてタイコを自作して取り付けようというのが今回の趣向になります.タイコの外形と高さを測ったところ,8mmφx8mmでした.この中心にM4の貫通穴を明け,中央にワイヤーの通る穴を明けて両側から平先のセットスクリューで押さえることにして,旋盤で自作することにしました.

まあ,こんな感じですから図面もなく適当に作るわけですが,ネジの有効長を増やすために高さを8mmから12mmに変更し,片側のネジをダブルネジにすることにしました.こうすれば緩んでくることも確率的に減るかな?なんてね.製作時間は旋盤と電動ドリル,ハンドタップを合わせて20分っていうところですが,なんとか完成.ネジを適当に買ってから取り付けです.

まずXJRのテーパ金具の根元からニッパでワイヤを切断.長さ的にはこれに自作タイコを取り付けるとほぼどんぴしゃになる感じですが,ワイヤ径ギリギリに穴を開けたので,そこにワイヤを通すのが結構大変.しかも長さがどんぴしゃになったことでゴムブーツが邪魔をしてなおさらワイヤが通しにくくって,かなり難航.途中ワイヤがばらけてしまって,それをまた真円に近くなるように整形しなおしたりしてようやっと穴に通すことが出来,その状態で片手をプルプル震わせながら片手でネジをねじ込み固定.3本のネジを入れて固定できたらワイヤの出口側に設けた面取りの部分に半田ごてで半田を流し込んで念押しの固定をします.これで素人工事ながら簡単に抜けてくることはないでしょう.今度はクラッチの金具のところに引っ掛けて調整ナットを一番短い位置にあわせてクラッチレバーを外しクラッチレーバー側のワイヤーを通します.レバー側の遊び調整が終わったら何度かワイヤの摺動具合を確認,何度も何度もニギニギを繰り返し,タイコのゆるみがないかどうかを確認しなんとか作業終了.

出来上がりとしてはちょっとしたワンポイントな感じが結構なお気に入り.あ〜,こうでなくっちゃね.

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