ダイナモカバーの交換

車検をとって走れるようになって数ヶ月になる我がGPz400F.走りについてはさすがに大型車に慣れ親しんだ私がそのパワーを褒め称えるほどではありませんが,加速したいときにはそれなりにアクセルをひねってやれば.遅れることもなくトルクが上がって来ますし,その感覚も25年前のバイクと思えば十分すぎるほどのものです.19の頃に乗っていた感覚との比較ということで当時のフィーリングをなんとか思い出したいのですが,その直後のGPZ750Rのフィーリングにかき消されてしまったようです.まあ当時の車体がそんなに快調であったかどうかなんて日頃の私のメンテナンスから想像するに,かなりいい加減なものですし意味もないかもしれません.

ただひとつだけ言えることは,乗っていて限りなく楽しいということです.これはその理由をどう説明して良いか分かりません.なんせ同じ400でありながらザンザスの時とは明らかに違う感覚なのです.特に車体が軽い訳でもなく,軽快感もそれほどでもありません.パワーも適当にある程度ですし,変速動作も大型に比べて頻繁です.ポジションも元々アップハン気味なザンザスの方が乗り易い印象です.

それでも走った後の満足感は非常に高く,疲労感は軽いのです.ともすれば今までベストフィーリングと銘打っていたニンジャのそれを越えているかもしれません.これは単なる私の想像ですが,もしかしたら私の遺伝子にGPz400Fの乗車感覚が既にインプラントされてしまったのかも?なんて思います.

さて親バカもここらへんにして,今日のお題です.こんなにもベタぼれな400Fにも未だ気に入らない点があるのです.それはジェネレータカバー.ゼファーのエンジンを移植している我が400F.ポイントカバーについては400Fのポイントを利用するためにカバーも400Fのものになっているのですが,逆サイドのジェネレータカバーはゼファーのまんま.左右非対称というのがどうも気持ち悪いのです.

実はこの400F用のジェネレータカバーというのは既に入手済みなのです.でも左右非対称というだけで,特段大きな問題ではないということで作業は先送りしてきたというのが真相です. しかし家の中に氾濫している部品の山を少しでも小さくするために,とある休日に作業を行います.まずゼファーのジェネレータカバーを外すところから.ジェネレータカバーを止めているネジを外しても,カバーは外れて来ません.カバーのガスケットがまだ効いているのとノックピンが咬んでいるのとで大体の場合全然緩んでも来ません.まずガスケットを剥がすためにカバーをショックレスハンマーでコンコンと叩きます.あまり力を入れて叩くとノックピンを曲げてしまったりカバーを割ってしまうので注意です.

叩きながら徐々にカバーとクランクケースの隙間を開けて行きます.この時点ではマグネットコイルの磁力が効いているので,ノックピンを曲げないように真っ直ぐにカバーを引っ張るとカバーが外れます.

念のためジェネレータの3極のギボシは抜いておきます.ここでマグネットコイルをカバーから外すのですが,これが一苦労.コイルを止めている3本のネジは緩み防止機能付きのもので,これが全然緩んで来ないのです. こうなると力技でなんとかするしかありません.カバーを足で挟んで固定して,レンチの長手に延長のパイプをかまして思いっきり回して見ました.なんとか回ったかも?ということで更に力を込め回したところ,ポロリとネジの頭が取れてしまいました.

これはショック.でもとりあえずコイルがカバーから外れればよいので作業は続行します.結果として3本中2本がネジ頭を失ったもののコイルが外れました.ちなみにカバーの方はなんとかネジの摘出が出来ないかやってみたのですが,どうも無理みたい.

まあカバーをこの先何かしら流用することもないということで,諦めます.ちなみにカバーの内部のネジ穴のピッチは400Fとゼファーで同じでした.400Fのコイルは結構高額なので,今回はカバーだけを調達したのですが,もしピッチが違ったりしたらまたしばらく乗れなくなってしまうところでした.

ということで,新たなネジを持って来て緩み止めを塗ってコイルを400Fのカバーに取り付けます.クランクケースとカバーのあたり面を清掃して,用意しておいたガスケットを挟んでカバーを取り付けます.後はカバーのエンブレムプレートの傷を研磨して綺麗にして作業終了.


試運転です.乗っている感覚には全く違いはありません.ただ400Fを降りてからの満足度が格段に上がりました.大体車体の左に降りるわけなので,車体を少々でも眺めればこのカバーが目に入るわけです.今まではゼファーのカバーだったのが,ちゃんとGPzのロゴが付いているわけで,GPz400Fに乗ったんだという気持ちが強く沸いてきます.

なんのこっちゃという感じですが,こんな小さなことでまたフィーリングが上がってしまうわけで,私が400Fの乗り味にここまで嵌っているのはバイクのおかげというより私の記憶によるところが大きいのかもしれませんね.

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