Fブレーキパッドの交換

最近なんにもやることがなくなって少し退屈気味な400Fですが,ようやくひとつ出てきました.ブレーキです.ブレーキの効きが悪いわけではないのですが,どうも微妙にブレーキレバーに振動に近いものを感じるのです.なんでこんないい加減な表現になっているかと言うと,てんでその原因が思い当たらないからなのです.

当初ブレーキディスクの歪みを疑ったのですが,フロントを浮かしてホイールを回しても左右ともその変な感触につながるような反り,変形は見られませんでした.ステムやホイルベアリング周りにもそのような振動はありませんでしたし,こうなるとやっぱりキャリパーかな?と思うわけです.

ということでブレーキパッドを交換し,ついでにキャリパーのメンテナンスをしようということにしたのです.キャリパーについてはオーバーホールではなくメンテナンスという言葉にしているのは単に私の面倒くさがりの性格が現されていると思われます.

ということでまずはブレーキパッドの購入です.GPz400Fの場合は1ポッド片押しのもので,忍者のフロントに比べると1サイズ小さいものです.エストレアやKDX,GSX400FインパルスやWOLF50なんかと共通なので入手についてはそれらのバイクの中からメジャーなものの名前検索で引っかかったもののうち価格が安いもので決定.なんと本体1000円送料200円.でも2ケを同梱してくれないということで左右のものを別梱で2400円でゲット.まあそれでも一番安いから仕方ないけど普段だったらこんな発送方法のところからは買わないんですけどね.それにこのショップ,振り込んだ旨伝えても一向に物は届かないし,連絡もない.私も一旦忘れかかったりして2週間経ってから再度連絡したら,その次の日思い出したように出荷しましたメールが届く始末.その文面も通常の発送通知メールで,遅れと忘れに関して謝りの言葉の一つ入っていない.いろいろ個人出品者が簡単に商売できるようになってこの手のショップが増えてはきましたが,このショップは最低です.悪い評価を付けるのはいざこざの元になるのでやめておくとして,私の対策としてちゃんと落札前にチェックするブラックリストにいれておいて二度と取引しないようにしておきましょう.

そんないやな思いもしつつ到着したものはちゃんと真空パックされており,いつぞやのザンザスのときのように適当な袋にパッドのペアががさがさ入っているだけのパッケージとは違います.ショップはいい加減なものでしたが,ものの方は少し期待できるかもしれません.

早速次の週末に作業開始.まずブレーキマスタのリザーバタンクのフルードを少し抜いておきます.というのはブレーキパッドを交換するのでピストンの出し入れをするときにピストンを戻し過ぎてリザーバタンクからフルードがもれてしまうのを防止するためです.この場合フルードが少なすぎるとピストンを出したときにフルード切れを起こしてしまうので大体3分程度の量にしておきます.

左側のキャリパーを外し,パッドをチェック.まだライニングの溝が1mm程度ありますので,通常の私ならばこれは使いまわすのですが,このパッドは涙を呑んで交換です.で,涙の交換の前にピストンをチェック.ピストン側面にさびが浮いていると,動きが渋くなってブレーキの振動につながることもあろうと思い,ブレーキレバーを握りピストンを押し出してピストンの側面を清掃します.幸いにも側面の汚れは酷かったものの腐食と錆ははそれほどでもなく,これなら及第点.何度か押しては戻しを繰り返してモミ出しをしたらスムースに動くようになったのでピストンはOK.オーバーホールする必要もないということで胸をなでおろします.

続いて1ポッドキャリパーの場合はキャリパーマウントとのスライドシャフトの摺動をチェックしなければいけません.通常スライドシャフトの根元のゴムのスリーブ内にはグリースが満たされていて,それが常時隙間に入り込むことで軽い摺動が確保できているはずですが,どうもこのグリースはかなり古いもののようで一部固化して粉のようになっているところもあります.スライドシャフトと穴を清掃し,これを新しいグリースに変えなければいけません.一応清掃,グリース交換後は摺動も滑らかであり,左はこれでOKということで新しいパッドを入れて終了.ちなみにこのパッドはザンザスのときみたいにスライドシャフトの穴や,ホルダとの当たり面を削らなくてもきっちりとキャリパーにセットすることが出来ました.ここらへんは最安値を狙った割りにうまくいったのでご満悦です.

次は右です.こちらはパッドを外したところでいきなり異常を発見しました.パッドが強烈に片あたりしています.それも当たっていないところが残っているほどの片あたり.今までこれほど酷い片あたりは見たことがありません.これはキャリパーに何か大きな異常があることは明らかです.

左と同じようにピストンの清掃とモミだしまでやって一応オーバーホールの必要がないことを確認したら,スライドシャフトのほうです.スライドシャフトは左と同じく一部グリースが固化しているような状況で,こちらも清掃とグリースアップを行いました.そこで摺動具合を確認したところ,どうも1箇所ひっかかるところがあります.まっすぐ押せばそこはクリアできるのですが,そのまっすぐ押すのが手でやっていると難しいのです.でも片押しの場合は所詮まっすぐ押せていないわけで,手で押して引っかかるところというのは動作時にも引っかかるわけです.これは何とかしなければいけません.せっかく付けたグリースを一旦落とし,スライドシャフトの表面を観察したところ,2本のうち1本の中ぐらいのところに腐食したようなエリアがあってその中ほどにさらに浅く削れたような跡があり,その終端にささくれ立ったような箇所があります.実際手でスライドさせたところこの部分が穴の入り口に差し掛かったところで引っかかりになっているようです.浅く削れた部分はもうどうしようもないですが,このささくれは何とかしないとここで毎回引っかかってしまいますので,このささくれをオイルストンで舐めてやります.ささくれを取ってから再び摺動テストをしたところ,滑らかに摺動するようになりました.再びグリースを入れ,組み立てなおし新しいパッドを入れてブレーキレバーをニギニギして,ブレーキマスタのリザーバタンクにフルードを適度に足して作業は終了です.


試運転では,初めはパッドのあたりが出ていなかったこともあり,指に感じる違和感はありません.20km程度信号のある道を走ってゴーストップを繰り返しパッドのあたりを出したら,今度はワインディングに入ってブレーキの感触を確かめます.指先に以前のような変な感触はなく,改善の跡が見られます.まだ完全なあたりが出ていないので制動力という点ではまだ以前に及ばないか変わらないかといったレベルですが,ブレーキレバーを安心して握れるということで,走りにメリハリがつきやすく感じます.というわけでトラブルは収束したと踏んでよいでしょう.

しかし片押し1ポッドキャリパーというものは非常に不安定ではありますが,グリースが切れた状況で使い続けるとあれほどまで酷い症状が出ることになるのですね.今までは一応手でスライドを確認してそこそこだったら取り付けるようにしていましたが,今後は必ず清掃して,スライドシャフトの傷やなんかも確認することにしましょう.(いまさら...)

KEN-Z's WEBのトップへ NEXT