さて，今回一番困ったのが，チェーン，スプロケット関連です．っつーかスプロケットだけですね．というのもゼファーの車体に400Fのエンジンを載せる人は多いようですが（私的には後期型の新しいニンジャに1000RXのエンジンを載せるのと同じいわゆる退化のような気がしてなりませんが），今回はその逆をやろうとしているわけです．アウトプットシャフトがゼファーと400Fでは異なり，その分チェーンオフセットが必要になります．ちなみに400Fに対しゼファーは12mm外にチェーンラインがあるというのが定説のようです．ゼファーに400Fのエンジンを載せた人は，アウトプットシャフトに12mmオフセットの520スプロケットを取り付けるらしいのですが，今回はその逆で内側にオフセットさせなければいけません．ということはゼファーの12mmオフセットスプロケットを買って，それを逆に使えばよいということになります．
しかし ，ゼファーもバカ売れしてから10年以上経っており，社外品にゼファー用のオフセットスプロケットなんてものは売られていません．まあもともとゼファーのパワーがあんまり十分でもなかったもんですから，当時からそんな太いタイヤを履きたいっていう要求もなかったんでしょうね．AFAMやなんかでカスタムメイドのスプロケットも作ってくれるようですが，どうも予算を大幅にオーバーしてしまいそうです．
なんとかならないもんかということで現車のスプロケットの寸法的な取り合いを確認したところ，軸のほうはザンザスと同じで，軸径，スプラインの数などから，Z系の古いほうのエンジンのアウトプットシャフトと同じようです．しかしそれらはすべて632や630や，コンバートでも530がいいところ．真剣に520→530コンバートも考慮しましたが，そんな性能ダウンを目指したコンバートは聞いたことがないし私の趣向に合わないので却下．
ここで少しチェーンのお勉強です．チェーンの520とか530というのは頭に5がつくわけですからチェーンのリンクの長さ，ローラー径は変わらず，２桁目が幅を示すわけでその幅が各々2/8インチ，3/8インチであるという意味です．ということは530用のスプロケットの厚みを約3.3mm薄くすれば530のスプロケットから520用のスプロケットが生み出せるということを意味します．
ということがわかりつつ何を探し出したかというと，Z系エンジン用の530コンバートスプロケットの10mmオフセット，しかも16丁．そうなんです．10mmオフセットのものを片側3.3mm削ると1.65mmオフセットが加算される計算になります．ということは11.65mmオフセットの520スプロケットが出来上がり，所望の12mmオフセットに極めて近いものが出来上がるわけです．でも，今回はエンジンがゼファーのものであり，Z系の標準17丁なのでそんな大径スプロケットではトルクが細くなってしょうがない．やっぱりゼファーの標準が16丁なので，あわよくばそれが手に入らないかな〜？なんて思うわけです．しかしそんなのがそうそう見つかるわけもありませんので，かなり長期戦の構えで待ちます．
結局３ヶ月以上待って待望のZ系用530コンバートドアリブスプロケット10mmオフセット16丁新品！が出品されました．出品価格は3000円というところ．これが開始価格で落札できればなんとか追加工代を乗せてもギリギリの線でいける．ということで注目しつつ入札のときを待つ私．直前まで他の入札もなく緊張感が高まります．で，そのままの緊張感で入札を敢行し無事落札．
さて，届いたものをしげしげと確認し，一旦アウトプットシャフトに取り付けてみます．とりあえず外側オフセットになるように取り付けるのは問題なし．逆刺しはどうかというと，入り口部に面取りがしてないのでとても入れにくい．とりあえずスプラインの入り口部をシコシコ１箇所ずつ面取りをしておきます．
あと，取り付けたときに奥側のミッションカバーとの間にどれほどの隙間が出来るかを確認しました．とりあえずチェーンをつけた場合に3mm程度の隙間が出来るのを確認しました．
さてスプロケットの入手は出来たもののそれをどうやった加工するかですが，これは流石に自分では出来ません．したがって近所の大型旋盤を持っている加工やさんに加工依頼します．材質は何？って聞かれたんですが，S45Cに熱処理をしている感じということで依頼しました．単に3.3mm歯の部分を薄くする形に図面も適当に引いたんですが，とにかく汎用の旋盤しかないということで歯の部分の微妙なRのついた斜面は図面とおりできないかも？とのことでした．そこをなんとかということで，費用も空き時間を利用して格安ということで言い値の破格値で4000円．大体１時間の仕事ということでしたが，大丈夫かしら？
そろそろ長くなってきたので以降次回と相成ります．
