リアブレーキレストア(その1)

フロントのブレーキが思ったよりスムースに済んだので,次はリアブレーキです.リアブレーキもステンメッシュホースをつけるつもりだったのですが,ちょうどいい長さのものがなかったのでまたオリーブのみ用意して60cm程度の長さしかなかったものを切り詰めてちょうどいい長さのものを作りました.

ブレーキマスタは車体とともに入手したものですが,ステッププレートから外されていたので,マスターのロッドがマスターシリンダに対してぜんぜん違う方向を向いている状況であり,ニンジャなどのマスターと明らかに違う状況です.これはいかがなもんなんでしょうか?と自問自答しつつ,車体に取り付け,ステンメッシュホースを取り付けフルードをカップに継ぎ足し,エア抜きをしていきます.でも一向にフルードが減らず,前回のフルードの流速重視どころかフルードの流れを作る以前の問題に突き当たってしまいました.今まで多少抜けにくいのは経験済みですが,ここまでひどいのは初めて.結局この日は作業を途中であきらめ,トラブルシュートを行うことにしました.

まず怪しいのはマスターです.今回のマスターはその保管状態からして怪しく,エア抜きしている限りではどうもシリンダの中でピストンが摺動していないような感触.これはマスターをひとまずばらしてみないといけないでしょう.

ということで次の日になってしまいましたが,マスターの分解に乗り出します.GPz400Fのリアブレーキマスターはニンジャの1世代前のものらしく,シリンダ径も太く,ロッドが直接ピストンと繋がっているわけではないようで,ステッププレートから外すとグラグラにロッドが動いてしまいます.それが何かしら影響してこのトラブルの原因になっているようです.確かに外して見て手でロッドを動かしてみても,ストロークの奥までまったく手応えがありません.確かにロッドが保管時はこのロッドがフルにシリンダを押してしまった状態で保管されてしまったらしく,ピストンが奥に入り込んだ状況でとまったまんまになっているようです.これではエア抜きが出来るはずもありません.

ロッドをとめているサークリップを取りはずし,分解してみたら案の定シリンダの奥にピストンが入り込んでしまっていて,写真のような状態.それにシリンダ内部,トバ口の周りに微妙に錆が浮いています.

こうなったらひとまずシリンダ内とトバ口周りのの錆落しからです.しかしピストンが奥にある状態ですので肝心のピストンが引っかかっていると思われる錆を落とすことはできませんので,次はピストンを抜いてしまわない限り先はありません.それにピストンは構造上押すことは出来ても引くことは出来ません.さてどうしたもんか?とものをしげしげと眺めますと,ホースの取りつけ部の方向からは1mmx2mm程度のフルードが通過するためにあけられた穴があります.この穴の奥にスプリングが仕込まれていて,その奥にピストンの頭があるはずなので,ここに先端のエッジを面取りした細い棒を突っ込み少し力をくわえました.すると少しだけピストンが出てきました.といっても0.5mmぐらい.ここで無理強いはよろしくないので,一旦ピストンをロッド側から押し戻し ,再度力を加えました.今度は約0.7mmぐらい動きました.ここでまたピストンを押し戻し,一旦シリンダ内を清掃.これを10数度繰り返すうちに徐々にピストンが出てくるようになり,ついにはスプリングとともに出てくるに至りました.やった〜.

で,ここから使えるように復帰できるかどうかが問題なのですが,以後次回となります.

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