リアブレーキレストア(その2)

苦労してピストンを摘出できたリアブレーキマスタですが,外れたピストンを見てまたびっくり.ピストンにはゴムパッキンが2重に巻かれているのですが,その下側に来るゴムパッキンには錆がびっしりと付いています.こりゃだめだわ...ということで,このゴムパッキンを注文しようと室内に戻り再びびっくり.なんとパーツリストを見る限り,このゴムパッキンは単体売りはなく,ピストンとのASSYで売られています.で,そのピストンASSYのお値段を調べようかな?と見積もりフォームにセット.確認ボタンをぽちっとな.すると...そのパーツは廃番です〜!とな?な〜に〜!

GPz400Fは海外でも息が長く販売されていたのにもかかわらず,廃番パーツがこんなところにも存在するとは...かなり脱力感にさいなまれながら他のオークションに出品されているものがどのようなものか確認しましたがいずれもジャンクの可能性あり.ステッププレートと一緒に売られているものは同じようなトラブルは起きていない可能性もありますが,ステッププレートが一緒だとメチャクチャ高い.かといってジャンクの可能性の高いほかのものを落札したところで,現状とあまり変わらない可能性が高く,そんなの許せません.ここは現状のものが使えるかどうかをしっかり見極めてから決断を下そうということになりました.

ということで,分解されたピストンをとにかく清掃します.まずゴムパッキンについた錆を丁寧に除去します.どうもここについた錆というのは軽くマスターシリンダのアルミから転写されたもののようで,幸いにもゴムパッキン自体には想像していたような損傷はないようです.加えてパッキンの硬さもそんなに硬くなっておらず,これは遮蔽性を期待してもよいかな?という状況です.

ピストン本体,シリンダ内部,スプリング,もうひとつのゴムパッキンなどの清掃を続け,再び丁寧に組み付けます.摺動を確認したらなかなかスムースな動き .コリャもしかしたらもしかするかも?ついでにリザーバタンク側のエルボを止めている部分のパッキンについても心配だったのでサークリップを外して確認してみましたがこちらは大丈夫そう.同じく一応清掃して組み付けます.

さて,ステッププレートに取り付け,満を持して再度ステンメッシュホースを取り付け,エア抜きに挑みます.またビオレを使ってエアを抜きながら,お得意のフルード流速勝負エア抜き!としゃれ込んだのですが,これがまた一向に抜けてきません.マスターからフルードがもれてきたりという最悪の状況にはなっていないのですが,またマスターの中でピストンが動かなくなっているのでは?ということで一旦マスターを外しかけましたが,どうやらそんなことはないようです.

マスターの中を見ると一応フルードは満たされているのですが,そこからホースの中にフルードが流れ込んでいかないようです.かといってホースが詰まっているわけでもないので,こうなったら怪しいのはキャリパーのほうです.まずキャリパーで一番に疑ったのはブリードバルブ.取り外してその姿を見て愕然.特に外観は腐食などはなかったのですが,なんとブリードバルブの根元側に開いているフルードが通る穴が2つとも塞がっているではないですか!こりゃ抜けてこないわけだわ.ということでこのつまりを何とかするのもよかったのですがここまで来たらかなり気分も急いてしまっていて,玄関に転がっていた忍者のキャリパーからブリードバルブだけを取ってきて,それを代わりに取り付けたのでした.

如かして再びのエア抜きの結果はようやっとOK.こうなったらなかなかな硬さになるのにそう時間はかからずほんの3分ばかりのエア抜きでかなりなダイレクト感が得られました.ここで一旦キャリパーをステーから外して,ブレーキペダルをシコシコ押さえながら,徐々にキャリパーのピストンを押し出していきます.ギリギリまで出てきたらピストンの側面をお掃除.ピストンはほとんど出てしまっているので,そう力を加えることなく90度回転させては掃除を3回繰り返し全周を綺麗にしました.その結果もとの状態よりもピストンの動きは滑らかになり,オイル漏れも見られないことからほぼリアブレーキの作業は終了.

ちなみにこの作業の後でもマスターからのフルード漏れ にじみは見られず,あのしつこいまでの慎重で念入りな掃除が功を奏したようで,廃番部品の使いまわしになんとか成功したようです.それにしてもこんな重要なブレーキ部品がもう手に入らないなんてとっても400Fってかなり虐げられたモデルなのかと自覚した次第で,思わずショックな私なのでした.

KEN-Z's WEBのトップへ NEXT