GPz400Fレイニー仕様外装(その3)

お次はフロントカウルです.フロントカウルは以前カウルステーなどとともに入手したもので,ミラーの先が割れていたり下周りにも割れがあります.そんな状況でも救いになっているのがとりあえずその割れた切れ端があるということ.たとえ割れがあったとしても,その破片があれば補修は比較的楽なわけで,ちゃんと入札前に写真で切れ端が本体に括り付けられているのを確認済みだったりして,今回もあくまでも補修ありきの落札であったと断言出来る訳です.

色の方は銀茶でライムグリーンとはいわば対極の色使いです.まあ色はどんな色にも塗り替えられるのでどうでもいい筈.というところで先ずは補修から.割れている部分を接着するために破断面を整えます.カッターで小さな凹凸を削り,端面のエッジに面取りします.以前はこの面取りを端折ってだんだん割れが復活してしまったりしたので,その反省を元に工程を変えたのです.

接着についてはいつものエポキシ接着材を使用します.割れたミラーの先の部分をテープで仮に固定して面取りで出来た溝に接着材を満たし,表側はテープを軽く載せ面を整えます.裏側はグラスマットを張り付け,その上から更に接着材を重ねて塗って行きます.カウルの下周りの固定穴の周りの割れについても同じ工程で補修を行い,割れの補修はここでひと段落.

続いてもともとウィンカーの上に貼ってあるデカールをはがします.このデカールは剥がさないで段差をなくすだけで上から新たに塗装を乗せようかとも思ったのですが,やっぱりちゃんとしたいので剥がすことにしたのです.カッターを入れて少しずつ剥がしていくのですが,ところどころざくっと下地に刃が食い込んでしまったところがあって,ここらへんはせっかくひと段落した補修を再びやらなければいけなくなって少しへこむ私.

剥がしただけではデカールの粘着層が残っているので,これをアルコールを染ませたウェスで取って行きます.その日の作業はここまで.1週間の養生を経てまず表側の接着材の出っ張りをペーパーで落とします.当然へこんでいる部分もありますのでそこには先日カッターを切り込ませてしまったデカール部分も含めてパテを埋めます.ここでまた1週間の養生です.実はパテについては速乾性のものを使用しているので一時間もすればペーパーを掛けられるのですが,以前あんまり急ぎ過ぎてよく乾かない状態で磨いてしまい大失敗してしまったので,ここは用心して1週間開けて作業を行うのです.実際このように時間を掛けて作業を行うようになってからは,心に余裕が出来たのかそんなに失敗しなくなりました.(それでも失敗しない訳でないところが悲しい)

パテにペーパーを当てたら指先で凹凸を確認します.ここで少し凹凸を感じるところがあったので,再びパテ埋めです.ここでまた1週間.再度ペーパーを当て今度こそ.今回はさすがに合格点.水分が完全に飛ぶのを待ってまたまた1週間.長い期間を掛けただけその分後工程がどんどん丁寧になって行きます.これはある意味丁寧スパイラル状態.いい傾向ではあるんですが,これでは一体いつ完成することやら.

次の週末はついに塗装です.表面のゴミがないか確認して念のため軽くペーパーを掛けてプラサフを吹きます.サフェイサーが乾いたら表面を軽く600番でペーパーがけしてすぐにライムグリーンを塗ります.ここらへんは少々調子に乗ってずんずん進めていきます.GPz400Fの場合タンクと同じで忍者よりは少し大目のライムグリーン塗料が必要です.これは側面の塗る面積が若干広いことによるのですが,まあこの時点ではライム1式を塗ればよいのでマスキングもなく非常に楽に進めることが出来ました.ここで1週間また養生となります.

さてここからは肝心のラインデザインです.純正の剥がしたデカールの形状に適当に合わせて青白のラインを入れようかとも思ったのですが,基本はレイニーレプリカなので,やっぱりここは細めのラインをウィンカーから後ろにかけてやや持ち上げる感じで入れていきます.カッティングシートで行こうか塗装にしようかと結構悩んだところなんですが,今回は塗装で行くことにします.まず白いライン.レイニー車の資料写真を見ると,意外に白いラインは細くウィンカーの前まで伸びてきています.まあこれが多少長短あってもデザイン上の違和感はないかもしれませんが,前から眺めたときに左右が違っていたらいやなので,ここはしっかりと位置を決めて入れてしまいます.マスキングが済んだら早速白を塗装します.白が塗れたらここでまた1週間養生.

次に青いラインですが,こちらはウィンカーの下にも回りこんでいて微妙にマスキングが難しかったりします.面積が小さくって色合いが濃い分ここはミスが出ると目立ってしまいますので白のとき以上に気をつけながらマスキングのラインを決めていきます.

マスキングが終了したらすぐに塗装.塗装自体は面積が小さいこともあって重ね塗りの回数だけ家の中と外を往復したのが大変なだけで,あとは特に技術もいらない感じで出来てしまいます.ということでとりあえず色づけの部分は終了.あとはゴールドのラインを青白の間に入れ,クリアを吹くだけですが,ここで一旦フロントカウルは作業を中断します.仕上げはもっと後で慎重にね.

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