エンジン分解(その1)

前回の火入れトライで失意の中終わったわけですが,大体の原因箇所の特定ができました.まず疑うべきはエンジンの腰上です.おそらく腰下で固着しているならばクランキングは一切しない可能性が高いと思いますが,実際は手で回してもセルで回しても1/4回転ぐらいはする.となるとバルブが飛んだかシリンダが傷んでいるかのどちらかであろうと踏んだわけです.その中でも比較的楽なのはバルブが飛んでピストンとヘッドをオーバーホール,部品交換するという内容になります.

ということでまず予備のパーツ取りの目的で予備のヘッドの入手に動きました.入手したのは程度のよさそうなゼファーのヘッド.まあヘッド修理ということであれば新品部品というのがセオリーですが,まあゼファーとGPz400Fは共通部品も多く,まだ使える部品があったら流用しようというのと,あわよくばASSY交換だけで済ませてしまおうというかなり手抜きコンセプトも先々考えていたりします.一応カムシャフトやホルダーなんかもついていますし,カムのかじりなんかもなくって非常に良質なものを入手できたかなということで失意の中でも一条の光明が差しているって感じですね.

ただ,程度としては良いのですが難点がありまして,裏から見た写真で,取り付けボルトが2本折れ残ってしまっています.確かにこのねじは下からのねじ込みでしてとても回しにくい位置にありますし,ゆるみ止めが塗ってあるうえに裏側からオープンになっているねじ穴には水が浸入して腐食するというトリデンマ状態.致し方ないことではあろうかと思いますが,何とかしないことにはつかえないので,まずはCRCを吹いてしばらく放置したのちバイスクリップでこれを慎重に除去して対応しました.

さて,一応復旧素材は全部ではありませんがある程度入手できたということで,エンジンをあけていきます.プラグを外して少し燃焼室内をのぞいてみました.1,4番はある程度見えましたが,2,3番は暗くて見えないのですが,バルブが飛んでいるかどうかを少しでも確認しようとした結果,2本しか確認できませんでしたが,ストローク可能な1/4回転の中立位置で特にグラグラ動くようなものはありませんでした.もしかしたらバルブとびではないのかも知れませんね.となるとゼファーのヘッドASSYを購入したのは時期尚早であったことになります.少しこの時点で変な汗をかいてしまいました.

で,ヘッドカバーを開けてみました.カムシャフトにかじりもなく,ホルダーの異常摩耗もありません.タペットカバーの表面も傷がほとんどなく,ヘッドカバー内部の状況をぱっと見ただけでは,この車体の走行距離は相当浅いものと推測できます.

さて,ひとまずバルブが飛んでいないかを確認するため,真鍮棒を当てて後ろからショックレスハンマーでたたいてみます.中心部に極力垂直で当てて,徐々に力をかけていきます.するとインもアウトも8つともスムースに動きます.あれれ?これはホントにヘッドじゃないかも?

もうこうなったらあきらめてヘッドを外してシリンダーを見てみるしかありません.ということでついこの間つけたばっかりのマフラーを外します.下廻りのなんとも寂しいこと….気持ちの上もそうなのでこれも相乗効果ということでしょうか.さて,あまりにも寂しいので続きは次回ということにいたしましょうか.とほほほ.

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