エンジン分解(その2)

せっかくゼファーのヘッドASSYを先に購入したのに充てが外れて少し意気消沈状態ですが,次に進めていかなければいけません.ヘッドを外しにかかりましょう.

ヘッドは写真のように下からヘッドを止めているネジが5本のねじがあります.ところがこの内後ろの2本がすこぶる外しにくいのです.セルモーターカバーを外してもいろいろな突起があり,ラチェットレンチが入らない上に,メガネレンチがであってもいろいろなところに当たるため何度も何度もかけて回しては外してを繰り返さなければいけません.幸いにもねじをねじ切ることなく緩んでくれたのですが,それでも外すのに20分近くを費やしました.

で,外してみてびっくり.2,3番のピストン上面,シリンダ内面がえらい錆.それも相当進行したようで,内部に錆カスがたまっています.恐らくセルを回そうとしたときに少しシリンダ面との間にはっていた錆が崩れ,またはシリンダ内面を削り,それが詰まることでこれでエンジンが動かなかったようです.これほど酷い錆ではありましたが,幸いにもヘッド側は多少のカーボン堆積はあるものの,バルブの正面に多少あるぐらいでひどい錆は発生していません.バルブ正面は多少研磨したところ錆はなくなりましたので,どうやらヘッド側は大丈夫そうです.ということでショッキングな光景に対してひとまずピストン上面の錆カスを除去して次の作業に移ります.

引き続きシリンダーブロックを抜いてみます.といっても錆びている2,3番のピストンの内2番が引っかかって簡単には抜けてきません.一方3番はそんなに固着していない様子です.ただここまで固着していると2番はピストンリングなどのみならず,ピストン本体がもうダメかもなんて思いながら少しずつ下からフィンを折らないように気を付けながらシリンダブロックを引っ張っていく.2番ピストンをコンロッドから抜いて調査したところ,スカートに少し擦り傷があるけど,特に損傷はないようで,ピストンピンもスムースに挿入できるので錆さえなんとか取れれば大丈夫そう.ピストンはアルミなので錆は出ていないでしょうし,腐食もそれほどではないと期待してはいますが,まあここらへんはやってみて判断しましょう.

さて上周りは大体状況は把握できました.腰下の状況を見ることにしましょう.ということでこの前入れたばっかりのオイルを抜きます.なんかもったいなくって断腸の思いですが仕方がありません.シリンダがここまで錆びているということは,クランクケースに水が入ってしまった可能性もあり,オイルの様子を見てクランクケースのダメージを判断しようというものあって,抜けたオイルを観察してみます.確かにエンジンを回していないわりにオイルが汚いのですが,それは水が入っているからではないようで,元々オイルパンが汚かったからかもしれません.

腰下をばらす必要があるかどうか,最終的に判断したくなったので,次にオイルパンを取ってみました.オイルパンを外した状態で車体を寝かせて,クランク周辺やストレーナー周りを細かく見てみましたが,錆や腐食はなくクランクの回転に伴って異音があったり金属片とかは出てきませんでした.ストレーナーもきれいで,水はここまで来なかったように思いますので,今回は腰下は分解しないことにします.

とまあ確認作業としてはかなり長時間を要しましたが,つまるところダメージはシリンダースリーブ,ピストンリングといったところで意外に軽微であった印象です.それでもどのように復旧するかはここからいろいろ重い判断をしていく必要があると思います.ということで今回はここまで.

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