エンジン復活に向けての方針

まずエンジンを再びよみがえらせるためにやらなければいけないことはシリンダースリーブをきれいなものにすることです.ということでまず素人ながらシリンダースリーブの打替えをやってみようと考えました.で,ドライヤーでシリンダーをあっためながらシリンダースリーブを下側から叩いて抜く作業をやってみました.結論としては抜けます.でも算木をかまして打ったんですがどんどん算木が砕けていくだけなので,軟鉄の厚い板をかまして叩いたところスリーブの下端面が少し変形してしまいました.このスリーブは使いまわししないので変形しても全然かまわないのですが,もしシリンダースリーブ単体で新品購入できない場合,シリンダーブロックASSYを購入してこのような工程を経てスリーブを抜かなければいけません.実際パーツリストを見るとGPz400Fであってもゼファーであってもシリンダスリーブのみは購入できないようです.恐らく圧入代によってはシリンダーの内径が変形してしまう懸念があるためシリンダー内の仕上げをASSYで行うことが必須なんでしょう.そういった事情を考えた場合,シリンダースリーブだけの入れ替えはあきらめ,シリンダーブロックASSYの交換を本命としたほうがよさそうです. 

で,ゼファーとGPz400FではシリンダーブロックASSYの型番が違います.色もそうですが,フィンのエッジが微妙にカットされているGPz400Fに対してゼファーはR形状がそのままになっていたりします.もちろん鋳型を作る時の木型も異なるんでしょうけど,それがGPz400Fの腰下に乗るのか,またGPz400Fのヘッドが乗るのか一切わかりません.ということで実際程度のよさそうなシリンダーブロックASSYを購入してみました.上がゼファー,下がGPz400Fの取り外したもの.GPz400Fのほうはシリンダースリーブを抜こうとした状態のまんまなんで格好悪いですが,こんな感じで並べて上下のインターフェイス部分の採寸,比較をしていきます.まあシリンダー径,ピッチは変化ありません.スタッドボルトのピッチ,位置についても問題なし.上部についてはオイルの通路の部分と,カムチェーンガイドの位置,着脱に使う座ぐり穴もほぼ同じ寸法なのでOK.

下側から比較してみましょう.ここは気になるのはノックピンの穴径,ピッチですがこれもほぼ合致.ノックピン周りのパーティング面の形状が少し異なりますが,所詮ガスケットでしっかり当たっていれば問題ないでしょう.

横から見た感じでは厚み方向のみが問題になるということで測定したのですが,この全高も同じでした.その結果このゼファーのシリンダーブロックASSYはGPz400Fに流用可能であると結論付けました.これであればボア,ストロークは同じでシリンダーブロックは型番が違うが,外観以外のディメンジョンはゼファーと同じということになります.それならシリンダーブロックのみゼファーにしてもGPz400Fのテイストは崩れまいと思ったわけです.というのも以前組んだGPz400Fはゼファーエンジン.前回のGPz400はGPz400Fとは違うので,今まで厳密には若い頃に乗っていたGPz400Fの復刻は成し遂げていないということになります今回こそはGPz400Fをできるだけ忠実に復刻させ,昔感じた乗車感覚を思い返したいと思ったわけなんです.

ということでとにかく方針は決まりました.ここに至るまで実は腰下もばらすことを考えてゼファーのヘッド(カムシャフト付き),ヘッドカバー,シリンダーブロック,ミッションASSY,シフトドグASSYなんかをあせって入手しておいたのですが,これがシリンダーブロック以外は全く無駄になってしまいました.おかげでゼファーの各種エンジン部品がことごとく家の中にあってとっても場所をとる状況になっています.早急に作業に入らなければいけませんがそれについては次回以降ということで.

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