火入れ再び

電装系もタンクのインジケーターを除き完璧になりましたので,火入れが可能になりました.ということでまずは電源です.

前回の火入れからずいぶん時間がたっているのと,ウィンカー,ハザードなどの確認で灯火類はしこたま使ったのでそれなりに消耗しているはずですので,捕充電しておきます.約半日で維持充電が終わり,これを車体に搭載します.

さて,満を持して火入れを行います.PREの位置にガソリンコックをしたまんましばらく放置してチョークを引きます.空冷GPz400では儀式のようになっているクラッチレバーを握り,セルを回します.はじめは一切火が入らない感じで心配したものの,少しアクセルにあおりを入れながらチョークの中間位置にしたところでボコボコっといいはじめ,ついに火が入りました.アイドルスクリューを締めこみ過ぎていて回転が4000回転とかになったのでいったんキルスイッチでエンジン停止今度はアイドルスクリューを2回転ばかり戻して再度火入れ.今度は2000回転弱で回ってくれました.しばらく白煙をはいていてここでも心配しましたが,一度エンジンを切って再度かけ直したところ白煙は収まりました.肝心の音ですが,ヘッド周りからカチカチ音もなく,かなり良質な音が出ているといえます.ここらへん淡々と書いていますが実際はすごい達成感でして,少し鳥肌が立つような感覚を覚えていたりします.

と,感慨に浸るのもつかの間,この再度の火入れに向け車体を整備している時点からすでに感づいていたのですが,新たにやらなければいけないことが既に分かっていたりします.それはタンクです.どうもタンクの金的の部分のへこみを補修したときの手順がよろしくなかったようで,パテ盛りした部分のふちが微妙に浮いてきていたのです.仕上がったばっかりのときにはその段差は微妙に光沢を透かして見るような角度にすると見えるかどうかだったのですが,今となっていは指で触って段差が明らかにわかりますし,何だかその段差の部分がブヨブヨしている感触になってきました.これはすなわち浮いているということになります.ついにはこの再度の火入れの時に塗装部分に亀裂が見つかってしまい,観念して再度補修することにしたのです.

でも,全体をやり直すほどの気力はもう余っていません.ここは周辺も含めウレタンクリアの層をはがすところまでやって,そこにパテを再度盛りなおしてから再塗装することにしました.まあこうやって書くと簡単なんですが,実はウレタンの上にアクリルを重ねるとしわになってしまうので,そういった事故が起こらないよういろいろ工夫しまして,今回はかなり特殊な作業をしました.といってももうウレタンを塗って3か月ぐらい経過しているので,完全に硬化していればしわなんかも発生しにくいはしにくいので,そこらへんの事情がありつつ冒険してみたって感じでしょうか?ということで今回特に気を付けたのは,

・塗装ははがすところはパテの境界面から3cmぐらいのところまで完全にはがす.
・パテは境界面の近傍はすべてはがす.
・パテを除去し溝になったところは深いのでパテの収縮を考慮し何層か乾燥を待って徐々に盛る.
・アクリル塗料のプラサフとライムグリーンは薄塗に徹し,過度な収縮が起きないようにする.

って感じです.このようにして作業しましたのでせっかく火入れしたのに作業自体は3週間程度お預けとなってしまい,なんとも遅々として進まないのがこの車体の運命なのかなとあきれてしまった次第なのです.

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