GPz400Fの現車確認(その1)

まずは入荷直後の現車確認からいきましょう.

まず出品車のコメントではフロントカウルが無かったからGPz400FUという表題で売られていたのですが,カウルステーはあるし,トップブリッジカバーなどからGPz400Fであることがわかります.タンクのカラーリングと車体番号からA3と断定.まあ最後の最後まで馬力競争に空冷で挑んできたカワサキの金字塔,最大馬力54PSのモデルです.テールカウルはBEETのFRPのものに交換されていますが,ところどころ割れています.これは使う気ありませんので純正に交換ですね.まあそんなこんなありますが一見して車体のやれ具合が明らかですが,各所個別にみてまいりましょう.

まずフロントホイール周りですが,タイヤは前述のように完全にパンクしています.ひび割れも半端なく,タイヤを回転させると一部ではまるでホイールが地面と設置してしまいそうなほどに変形しています.英語でパンクのことをフラットタイヤと言いますが,まさにそんな感じ.ブレーキディスクについては盛大に錆が浮いています.実はこんな状態でもブレーキディスクの減り具合を確認してみたところ,ほとんど減っておらず,もしかしたら10000km走っていないような若い車体なのかもしれません.ここんところちょっと期待.

次にエンジン周りですが,まあ塗装が落ちてアルミが白い粉を吹いているところがあったりしますがそれほど悪い外観ではないと思います.なにやら怪しいプラグキャップがついていますが,これがメンディングテープみたいなのが巻いてあったりして,全然使う気になれません.チェンジペダルはものの見事に錆びています.一応オイルを差したら動きはしてくれましたが,ちゃんと外れてくれるのか,そこら辺から心配です.あとヘッドにべったりと油脂分がついているのも気になります.

で,タンクの方に目をやると,どうもここからガソリンが漏れていたようで,それが長年ヘッドにたまって,まるで琥珀のように固まりつつあるという感じ.どんだけ長い期間放置されたのか,前回のGPz400と同じかそれ以上に長く放置されていたのかもしれません.こりゃちょっと先が思いやられます.まあ期待したり心配したり,絶望したりこういった現車確認,なかなか感情の起伏が大きくって,ある意味何があっても快感だったりします.

左サイドカバー内の電装系はウィンカーリレー,ハザードリレー以外はありそうで,ハーネスもそんなに硬化はしていません.まあここらへんは電装系の火入れしてみるまで分かりませんので,半分期待.ステッププレートは折れてしまっていますし,なぜだかステップが跳ね上がったまんまです.なんのこっちゃという感じですがどうも車体が転んだまんま長期放置されていたのではないかと推測してしまいます.

リアタイヤも壮大にひびが入り,こちらも見事にフラットタイヤを表現しています.実際,この幅広に広がった部分は形状記憶状態になっており,それを無理矢理回転させたせいなのか,チェーンカバーが折れてしまっています.またチェーンの固着もすごくって,オイルを差して指で触ってもびくとも動きません.チェーン引きがすごく短い方に調整されたまんまであり,スプロケットの減り具合からもちょうど10000kmぐらいなのかな?とまた都合よく想像してしまいます.

ということで長くなりましたので続きは次回.

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