光量不足という如何ともしがたい問題点で不合格となってしまった帰途からずーっとその対策を考えてきましたが,ヤフオクにもちょうどGPz400あるいはGPz400F,F-U用のライトASSYというもので,光量がちゃんと出そうなものはありませんでした.
ということで車体からライトハウジングをひとまず外して,対策を考えます.またライトハウジングを外すだけなのにフロントカウルを外したりしなければいけないので,結構面倒だったりします.
確かにこのライト,どうもバルブに近い部分の鏡面が熱の影響か水の影響かわかりませんがかなり広範囲に剥がれてしまって,リフレクターの働きをしてくれていません.また一応その蒸着層が残っているところもくすんでいて,反射光の減衰は明らかです.まあ,そんなのは取り付ける前に気づけよといいたいところなんですが,結構お気楽に車体を組み上げている手前,どうしてもこんなことも起こりうるわけですね.反省.
で,結局新しいのを購入してそれがダメだったりしたら悲しいので,ここは確実に車検をクリアすることを考えてみました.反射そのものが問題なのであれば,今のハウジングにちゃんと反射する何か対策を施せばよいということになります.そこで,考えたのが最近よく売っているミラーのカッティングシートです.結構薄手のものでも最近は屋外用ということでそれなりの耐久性をもっているものが売られていたりします.これをハウジングの内側に貼ってみたらどうかと考えたのです.
善は急げということでホームセンターで購入して早速作業に移ります.バルブに近い部分のみに貼ってしまうと熱の影響が厳しくて剥がれてくる可能性もありますので,ここは放射状に貼って,内側がもし剥がれても外側で完全に剥がれるのを防止する作戦で,都合12枚のシートを現物の曲面に合わせて,できるだけしわが走らないように貼っていきます.実はこんな作業大好きなもんで,始めは結構滅入っていたんですが,だんだんと楽しくなってきてしまいました.
出来上がりの正面写真で見てみると,まあ微妙に何か貼っているのはわかるものの,たとえば正面側から明かりを照らして暗がりで裏側から透過光がないか見てみたのですが,さすがミラーをうたっているカッティングシートです.大きめの懐中電灯や実際のH4バルブぐらいでは全然透過しません.ということは表面が綺麗であればちゃんと反射してくれているはず.
車体に取り付けてみて,夜間に明るさを確認したのですが,正面から見て明らかに明るいです.(ちょっと無粋な文章ですね)正面から正視してしまうと網膜に残像がかなり長時間残るぐらい.以前は比較的短時間で残像が消えていましたので,正直ここまで効果があるとは思っていませんでした.驚き.
ということで光量にも自信が持てたので,次の週の中ごろに再び車検を受けに行きます.今回は再検査ということで手続きをして,書類は全部は書かなくてもよかったのですぐにラインに入り,一応全項目の検査を受けます.さて問題の光軸ですが,一発で合格.確かに前回光軸はちゃんと合わせていたんで,あとは光量だけだったので当然っちゃあ当然なのですが,この合格の○が出た瞬間は安堵のあまりタンクの上に突っ伏してしまいました.
なんとか車検も通り,帰路につきます.それにしてもエンジンを開けたりフロントフォークですったもんだしたり,果てには光量不足で2日にわたって車検ということでなかなかタフな思いをさせてくれる車体です.愛着を感じながら鼻歌交じりに軽快に家へと急ぐ私なのでした.