車検を取って走り回れるようになったものの,インプレがちゃんとできるほどに走り込めない理由が1つありました.それはチェーンです.そもそも元車体についていたチェーンは錆が激しく使えるものではなかったために,1000km程度走行と銘打たれて出品されていた中古の525のシールチェーンを使ったのです,ただそのチェーンのメーカーが不詳であったのと,カシメコマをぶった切ったような感じで出品されていたので,それに合わせてEKチェーンのシールチェーン用のクリップタイプのコマを購入し使用していたのです.
実のところ私はチェーンのピン径というのも規格には載っていませんが,各社同じ径を使っているものと決めつけて,メーカー不詳のチェーンにEKのコマで成立すると思っていたのですが,実際コマが到着してチェーンを取り付けてみると,そのコマの軸がなかなかチェーンの穴に入っていかないのです.結局チェーンカッターを使って無理やり押し込んで装着したのですが,これが実際走行できるようになると問題として現れだしました.
それは運輸支局に向けて走行し始めてすぐに感じられるほど顕著なもので,ちょうどカシメコマがドライブスプロケット側を通過する瞬間に,若干車体に前後方向の揺れが発生するのです.車体を止めてみてみるとその無理やりつなぎコマを入れた部分のチェーンの曲率がほぼ固定になっていて,ドライブスプロケットを通過する瞬間だけ見かけのチェーン長さが短くなったような挙動となり,乗車感覚として現れているようでした.
このような状況はスプロケットの異常摩耗,チェーンの切断,アウトプットシャフトのシールの損耗,ミッションギアの異常摩耗など深刻な問題につながる可能性もあり,思い切ってエンジンのパワーをかけられない状況ではありました.ただ,少なくとも運輸支局の往復や車検取得に関する部分では問題がない(ホントはあるんですが)と思われ,当日の車検予約キャンセルも申し訳ないことなので,車検取得を強行したという次第なのです.

で,その当日帰宅後に早速ノンシールの新品チェーンを購入しました.ものは結構今まで使ってきている中国製のチェーンでして,まあ428とかのサイズで簡単に伸びてしまった事例もレビューなどに挙がっていたりしますが,私の場合今までノントラブルですのである意味信頼のブランドなのであります.

その次の週末に早速装着作業です.装着自体は購入した120リンクに対して116リンクとのことで,スプロケットカバーを外して長さの確認をして余ったコマをいつものようにディスクグラインダーでぶっとばして最後にクリップのカシメコマを取り付けておしまい.一番手間取ったのはこの写真には写っていないチェーンカバーの脱着時にねじを回すのがスペースの都合で大変という部分のみ.ここらへん,様々な保守性の悪さをさんざん露見してきたGSX400Sですが,車検を取った後さえもこんな苦労をしなければいけないということで苦笑してしまいます.
さて,試運転です.スプロケットなどチェーン周りの異常もなかったので,乗っていて感じていた異常な振動,異音は皆無となりました.気持ち加速感も軽快になっています.安心してガンガンエンジンを回してトラクションを利かせてコーナーリングすると意外に18インチのフロントのせいかしっかりバンクさせないといけないことがわかります.そのコツをつかんで適当にバンク角を当てながら走っていると,車重が重いわりに軽快に走れるので,操っている感覚がダイレクトにハンドリングから得られるので乗っていて楽しい車体なのだと感じます.正直私は今までこの車体についてカタナのレプリカであること以外の特徴をわかっていませんでしたので,思ってもみなかった収穫です.実は車検取得からそう経っていないのに,ちょっと楽しくってトータルで200km近く走ってしまった私なのでした.