フロントフォーク交換,シール入れ替えなど(その3)

さて,長らくフロントフォークネタが続いていますが,まだフォークの分解までしか済んでいません.今回こそ決着をつけたいということで気合が入ります.というのも今回のスライドブッシュを抜くということに関してネットにあまり有効な情報が転がっていなかったのと妙案も思い浮かばなかったので,とにかく投資をしてしまったわけなのです.それも私にとって巨大投資ともいえる投資であったりします.

で購入したのはストレートで売っていたスライディングベアリングプーラーで適合径がφ20~50mmのもの.お値段は10000円まではいかないまでも,私にとってコンプレッサー以外で久しぶりの5000円の大台超え.というのも前回オイルシールが抜けてその作業の過酷さから抜け殻のようになりつつもいろいろな工具の写真を見ながら,メタルブッシュをフォークアウターから抜くことが出来ないかシミュレーションしてみたのですが,手持ちの工具もさることながら,安価なものの中にさえも対応できそうなものは見つからなかったのです.

しかしスライディングベアリングプーラーであれば固定する部位も他にいりませんし,ある程度力の調整もできるでしょうし,最悪爪の部分を加工して深くメタルブッシュをひっかけられるようにすれば用を足すと思われたのです.ただ問題はその値段.軒並み1000円以下の工具しかもっていない私にとって10000円に迫るその値段は私を2日間躊躇させるのに十分な破壊力であったのです.しかしフォークを分解途中で長く放置してもよいことはありませんので,ここは清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入したのでした.(工具を1つ買っただけなのにいきさつの説明ばっかり長い.)

あと,もう一つトピックがありまして,なんとGSX400Sのメタルブッシュは上下ともメーカー欠品という事実が判明しました.同じ時期の車体であってもカワサキであればこのような消耗部品は欠品はほぼありません.ちょっと驚きですが,ここらへんがカワサキとスズキの違いということなんでしょうね.しょうがないのでカワサキですがザンザス用を代用で購入することにしました.う~ん,これってやっぱりホントはダメなんでしょうね.フォーク径は同じでも図面上の微妙な公差が違う可能性があり,ちゃんと使えない可能性があります.まあそうなったらなったときに又考えようということで,まずは今あるブッシュをなんとしてでも抜いて,寸法を測定してザンザス用と比較しなければいけません.

ということで高額なスライディングベアリングプーラー(しつこい)とザンザス用のブッシュが届いた次の終末早速作業です.

まずやってみて,爪の先は追加工とかしなくてもなんとかブッシュには引っ掛かってくれているようなのですが,何度か続けてやると外れてきてしまうので,2-3回に一度は爪幅の調整ノブを締め込みながら,角度を徐々に変えてやっていきます.そうすると少しずつ抜けてきて,約20回ぐらいやったところでブッシュがなんとか抜けてくれました.もう片方も同じような感じで無事抜けてきてくれ,作業時間は約10分ってところ,これで高価なスライディングベアリングプーラーはお役御免.一分1000円以上というすごい工数単金ですね.

これでようやくフォークが完全に分解できました.フォークの分解だけで3週間以上かかったのは初めてのことです.よく見たらカワサキ車のオイルシールよりもスズキのオイルシールは外側のゴムの層が薄く,硬いように思います.そこへきてオイルシールの入っていたところの表面をみると茶色く腐食していて,なんだかオイルシールにあらかじめこのような茶色く腐食する何かが含まれていたかのような感じです.まあオイルシールの長寿命化のためにやった工夫なんでしょうけど,このメンテナンス性はちょっと頂けない感じがします.

といいつつ,私は今までカワサキ車ばっかりやってきたのでこのような苦難を味わなかっただけなんでしょうから,ある意味この経験で少し成長できたかのような達成感を感じるわけです.しかしまだフォークを分解しただけで,何も交換していない状況ではあるんですけどね.ということで長々しくって申し訳ありませんが,フォークネタまだ次回に持ち越しとなってしまいました.

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