フロントフォーク交換,シール入れ替えなど(その4)

ようやくフォークが分解できたものの,まだ一つ懸案がありました.前回ご報告したザンザス用スライドブッシュが流用可能かどうかです.ここらへんは一切規格品でないのでカワサキのザンザスとGSX400Sで流用が利くかどうかは偶然でしかないのですが,このようなものを製造できるメーカーは限られているのである程度規格品に近いサイズで販売しているはずという見切り発車的な選定をしたわけです.しかし,それはGSX400Sのブッシュを摘出するまでは確認できませんでしたので,ここであらためて確認することにします.まあ円筒なのでノギスレベルでしかないのですが,上下とも長さは同じで径は摩耗分ぐらいの差しかなかったので,使えると判断してしまいます.実際こんな測定方法で使えつかどうか判断しても実際使用してみて問題が出るやも知れません.ですのでみなさんはくれぐれも真似しないようにしてくださいね.

ちなみに前々回パーツリストが出てきましたが、このオイルシールとダストシールはパーツリストを入手する以前にネットで情報を拾って購入したものです.ネットには誤情報もあるので,結構検証が重要ですが,オイルシール,ダストシールについてはなんとか確証が得られたのでこれで使えるはずなのですが….

ようやく役者がそろったということで,パーツをひたすらきれいにしたら組み立て.ブッシュを打ち込み.ワッシャ,オイルシール,サークリップ,ダストシールの順に打ち込みます.打ち込みは以前からある50mmの塩ビパイプを使用しましたが,今回ダストシールの打ち込みの時に以前からひびが入っていたところが地面にあてがって叩いたところ,地面に触れていた塩ビパイプの端面が砕け散ってしまいました.あははは.あまりの破壊っぷりに笑ってしまいましたが,こうなってしまってもグラインダーで切って端面をきれいにしたらまた使えますので,問題はありません.

シール類がセットできたのでフォークオイルを入れます.オイルは526mlとのことで,両方で1リッター以上使うんですね.あとはスプリングなどを入れて例のトップブリッジを仮付けしてフォークトップを締めこんで組み立ては終了.体重をかけて何度か伸縮させてエア抜きして置いておき,今度は車体がわのフォークを取り外します.

車体のフォークを抜くにあたって初めて三つ又のねじを緩めましたが,驚いたことに三つ又のねじがカウルがついたまんまだと緩めることが出来ないということがわかりました.まあ特殊な形状のレンチであればできるかも知れませんが,私が持っているボックスレンチ,スパナ,メガネレンチのいずれもカウルステーかカウル,フォークなどカウル内のものにあたってしまい,満足に回転角を確保できません.なので結局カウルを外す羽目になりました.ここらへんもカタナのデザインを忠実に再現する上でメンテナンス性が犠牲になっている点なんでしょうね.そして,ちゃんと三つ又のねじなどを緩めたのに今度はフォークインナーの錆のせいで抜けてきません.結局ハンドル,トップブリッジ,三つ又のスリットにドライバーなどを差し込んで隙間を広げて抜くことにしました.こんな感じでやろうとしたことすべてにおいてひと悶着あるのがこの車体の特徴でもあるわけですね.(もう完全に傍観者目線)

今回フォークを特に抜きにくくしていた理由がもう一つあります.実はこの時点でフロントフェンダーが外れていなかったのです.というのもフォーク左右を渡る形でブレイスがついているのですがその固定しているねじが1本外れなかったのです.そのねじというのは六角穴付きトラスネジで,どうもフォークが車体についたまんまだとレンチが回しにくいというのがあって,下手に力を加えるとネジの頭をバカにしてしまいそうだったので,ちゃんとドライバーが回せるようになるまで我慢しようということにしたわけなのです.

ちなみにそのブレイスとフロントフェンダーも六角穴付きトラスネジで取り付けられているのですが,こちらは裏にナットがついていて,タイヤを外さないと取れない仕組みになっています.なのでなおさら今まで策を講じられなかったという背景があったりもします.ということで,1本だけフォークを外したところでブレイスとフェンダーの隙間にマイナスドライバーを突っ込んでみたところ意外にも簡単にねじが回ってくれました.

あとは完成していたフォークを組んでおしまい.ちなみにフォークトップは8mm突き出しがデフォルトらしいのですが,今回少し前傾が厳しそうなので,突き出し量を0mmにセットしてみました.でも後で考えたら,フォークの突き出し量を変えるには三つ又のねじも緩めなくてはならず,そうなるとカウルも外さないといけないわけで,その手間を考えたらデフォルトのまんま組んだほうがよかったかな?

とまあフォークの交換,補修作業だけでずいぶんと手間をかけてしまいました.これがスズキ車だからなのか,GSX400Sだからなのか,この車体特有のものなのかわかりませんが,ある意味カワサキ以外をあんまりやってこなかった私にとって目から鱗の連続でもありました.でも同じことをもう一度やれと言われたら全力で否定したい私なのでした.

KEN-Z's WEBのトップへ NEXT