メーターで悩む(その2)

前回メーターパネルの見栄えをよくするというだけでなんだかお茶を濁したような感じになってしまいましたが,正直このメーターをなんとかするという企画自体,調べれば調べるほど難題であることがわかってきました.まあ基本的にメーターのレストア屋さんなどにお願いすれば済む話なんでしょうけど,それではヤフオクに出されている私からすると高額なメーターASSYを購入したほうが安くなりますし,私自身がメーター自体のレストア技術を身に着けてみるというのも一興ではありますが,そこまでの根性や技術力もないので,選択の幅が他車流用ぐらいしか方法がないわけです.

ちなみにスピードメーターとタコメーターそれぞれをケースから取り出してみたのがこんな感じでして,スピードメーターに関してはトリップメーターの軸がフレームに完全に固着していたり,タコメーターに関しては背面の基盤に腐食が見られ,電気部品のリード足についてもかなり怪しい状態になっています.まあこれは素人がレストアするレベルではないでしょうし,部品を自作して作り直すような相当な苦労と高い技術力を要する感じです.ということで他車流用に踏ん切りがついたわけです.

ちなみにこのメーターが特殊なのは,そのASSYの形状がオムスビ型である以外にも針の振れ角や,メーターギアの取り付け方向など多岐にわたります.カワサキでしたらメーターギアの取り付け方向はほぼ同じものが多いですし,メーターがわざわざ封止されていないので分解も容易なのです.スズキ車は恐らく巻き戻しを防止するためか,ほぼメーターケースをカシメて封止していますので,分解も大変ですし,傷なく復帰させるのはさらに大変です.そういった事情もありスピードメーター,タコメーターの単体販売はほぼなく,そのために写真もあまり残っていないのです.なので外観から流用できるかどうかを当てずっぽで判断していくしかないわけです.

まず候補に挙がったのは同じような感じでタコメーターとスピードメーターがコンパクトにまとまったメーターケースを持つGSX400FWです.しかしこのメーターは針の振れ角が400カタナより浅く,そのため移植したときに前回ご紹介したメーターパネルがそのまま使えない可能性があります.他にも一体型のメーターがあったのはあったのですがそのままではメーターケースに入らなかったりいろいろな問題点がありました.結局一体型では逆にいろいろな制約があって流用しにくいと判断し,次にメーターそれぞれが個別のケースに入っているものを狙うことにしました.

で,まず手始めにレーサーレプリカの中でも比較的安価に出品されていたGSX-R400のメーターASSYを落札してみました.もののほうはとてもきれいで,スピードメーターギアを直接回してもメーターがスムースに回りますし,400カタナとほぼメーター針の振れ角も同じです.これは期待が持てるかも?

で,メーターケースのそれぞれカシメられている部分をこじ開けて,中身を確認します.それぞれのメーターはとてもきれいで,おのずと流用したい気持ちも最高潮になるわけですが実際400カタナのものと比べると,メーターギアの前後取り合いやトリップメーターのリセットノブの位置など様々な部分で違いがあり,無理やり取り付けるにしてもケース側の切った貼ったがものすごいことになりそうです.で,あえなくGSX-R400のメーター流用についてはあえなく断念.あ〜,またうちに流用しにくいジャンク部品が増えてしまったわ〜.

ということで,こんなことを繰り返していては使えないパーツにさらに埋もれることになります.そんな悩ましい局面のところ,なんとそれなりのお値段で400カタナ用のメーターが売りに出されました.難点と言えばメーターステーが曲がっているところぐらいで他は問題なし.ただメーターステー自体は高値で取引されているケースもあり,手持ちに元の車体のメーターステーがある私には好都合な物件です.それを早速入手してしまい,メーターステーを交換して無事メーターASSYが完成しました.ちょっと振り返ってみれば元のメーターASSY部品を流用するために様々な苦労をしましたが,結末としてはそれらが一切役に立たなかったという悲しい結末となりました.

つくづく慌てるなんとかは儲けが少ないというか損ばっかりしているような気がするわけです.

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