実写化について

本作のハリウッドでの実写化が決定したのは約1か月前のことです.ディープな新海ファンの中では実写化の動きが出ていた時点で否定的,あるいは懐疑的な意味合いの発言をする方もいました.正直私も昨年中に実写化に関して動きがあると知った瞬間に100%ナシという印象を持った一人でありました.

しかし,実写化の話が現実になり,1か月以上経過した今では結構前向きに捉えていたりします.というのもこのプロジェクトには川村元気さんが携わることになるという情報があったからです.川村さんといえば新海さんにとってもある意味異質の要素を多く持ったクリエイターのようで,100%新海ワールドにこだわってやるなんてことは考えない人であるように見受けられるからです.これがもし新海ワールドを実写でなんてことを考えた時点でその映画は破綻すると思います.もし新海作品で見られるような特徴的な背景が実写でCGを駆使して作られても,それに何の感動もないでしょう.アニメで実写を超えるほどの感動を生む背景を描き上げたからこそ,新海アニメの醍醐味であったわけです.

ならば川村さんはそんな新海アニメとは全く違うアプローチであのシナリオをハリウッド調のエンターテインメントに仕上げるに違いないと思えるようになったのです.すると俄然どんな映画になるのか推理してみたくなってきました.例えばキャストに関してです.私は昔は洋画をよく見たのですが,最近は飛行機の中でさえ洋画を含めほとんど映画を見ることがなく,最近の俳優さんのこととか知らないので,実際にはありえないであろう昔の俳優さんでその想像を膨らませていたりして,それはそれで楽しかったりするのです.

まずタキミツの二人のキャストについてですが,もう瀧くんは私の中で確定しています.マイケル・J・フォックスです.何が何と言おうとバック・トゥ・ザ・フューチャーの頃のマイケル・J・フォックスが瀧くん,いや,アメリカ人なんで名前は違うと思いますがアメリカ版瀧くんに最もふさわしいと思っています.それはなぜかなんですが,やっぱり困惑した表情や演技の妙であったり,寝床で突っ伏しながら寝ているところからグダグダと起きるところだったり,そういった印象的なシーンから,ぜひ三葉in瀧をマイケルにやってもらいたいと思うわけです.でも残念ながら年齢もさることながらご病気を患っているという事情もあるわけなので,実際には無理な話でしょう.なので私の希望としてはマイケルっぽい最近の俳優さんにやってもらえるといいななんて思うわけです.

さて,三葉についてですが,実はこれが結構難しい.バック・トゥ・ザ・フューチャーということであればリー・トンプソンということになるでしょうけど,ちょっと毛色が違うような気がします.あと,メグ・ライアンとか,若作りしてかわいい感じの出せる点も三葉のイメージに対してどうかと考えてみたのですが,三葉は単にかわいいだけではダメなように思います.なので,なかなか外見や演技だけでイメージするのは難しいのです.

例えば三葉の属性である完全世襲の神社の巫女であり,将来は宮司というような設定はアメリカにあるものかどうか.巫女のような存在といえば修道院のシスターということになるでしょうけど,修道女が個人として街全体から好奇の目で見られるようなことはあまり一般的ではありませんし,特にそのような目立つ立場の人はある程度居心地がいい生活を送っているというのがアメリカの常識ではあります.なので,そういった居心地の悪い生活を何等かの事情で強いられている設定の演技をしたことがある俳優さんを思い浮かべました.すると一人だけやっぱり古い映画ではありますが候補が上がりました.The Princess Diaries (邦題:プリティ・プリンセス)のアン・ハサウェイです.

将に退屈な日常,好奇の目にさらされる当惑,そしてここ一番の美しさなど多様な側面がほんの1作の中でちりばめられているわけで,それが川村さんのプロデュース(サブ?)でどうなるかとかを考えると結構楽しめそうに思えてきます.でもアンさんももう結構な御年ですのでもう高校生の役はできないでしょうから,ここはアン・ハサウェイっぽい人を選んでもらうしかありませんね.あとは少しでも若手ということであればエマ・ワトソンでしょうか.いずれも田舎っぽさもありつつ美しく,そして多様な演技力を発揮しているということではちょっと若作りしてエマさんにやってもらうのがいいかも知れません.けどそうなると三葉はアン・ハサウェイで,四葉は子役時代のエマ・ワトソンでいくとなかなかいいコントラストになるかも知れません.

あと,決めておきたいのはテッシーです.テッシーはやっぱり元気があるけどときどき真面目.何か考え込むところがあって,コンプレックスもありそうな感じでいきたいです.なので私はウィル・スミス を推します.他には

宮水一葉:マギー・スミス
さやチン:エマ・ストーン
奥寺センパイ:キャメロン・ディアス
宮水としき:ロバート・デ・ニーロ
ユキちゃん先生:ジョディ・フォスター

ってな感じでしょうか?ずいぶんギャラだけで破綻しそうなキャストになってしまいましたね.ま,年齢的にはもうできない人も多いので,こんなキャストには当然ならないでしょうけど.

キャストについては以上ですが,次にロケーションについてです.糸守は田舎ということで恐らく適当なキリスト教の信仰の厚いテキサスあたりの街を取り上げるといいと思います.そして東京に対してはそれなりに景色も楽しめる都会でなければいけません.なので私は断然サン・フランシスコを推薦します.青い空,美しい街並み,そして多様な四季のたたずまいなど,ピッタリではないかと思います.

ということで,肝心の私がその実写化された映画を見に行くかどうかですが結局キャストや前評判で決めちゃうのかと思います.ただ,見るときは新海アニメの実写化というのではなく,一本のハリウッド映画として見ることにして,アニメに対してどうかとかはできるだけ考えないようにしたいと思います.CGとかは所詮彗星のシーンだけにしてほしいですし,できるだけアニメの二番煎じのような作りにしてほしくないです.なのでしっかりシナリオをハリウッドのスタッフが自分たちの強みを活かしてしっかりとオリジナルフィルムに仕上げてほしいと思う次第なのです.

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