隕石の落下地点とご神体について

今回は私がちょっと気になるところを語ろうと思います.まあ通常は全然気にしないポイントだと思うのですが,何度か見るうちどんどん気になってしまった部分です.まあこんなところ気にする人は少ないとわかっているんですがどうしてもお話しておきたいところなのです.

<隕石の落下地点>

映画では落下地点が宮水家の軒先になっています.これがパンフレットの1冊目に描かれている初期コンテでは少し違います.これはなぜかについて少し考えます.

ある意味入れ替わりは憑依のような出来事なのかと思いますが,それには憑代とトリガになるものが必要なのかと思います.一つはその場所なのでしょう.そのために予言めいた能力(アナザー小説の二葉さんの感じからだと予知能力というのとも違うかもと思いました)を持っている血筋の宮水の人々は,次の隕石の落ちる場所を特定していたのではないかと思います.そこに繭五郎の大火で神社の拝殿など多くが焼失したことで,潜在的にでも三葉が彗星の惨禍に敏感になれるパワースポットのような,すなわち自分たちの子孫が最強の憑代となることができるという点を鑑み,あの場所に宮水家を作ったのかも知れません.

ですから宮水家が隕石の落下地点であることがストーリー上も重要ということになり,そう考えると宮水家の土地が持っていたパワーに呼ばれて隕石だけではなく,瀧くんも落下してきたようなイメージになります.まるで三葉のパワーに引っ張られ瀧くんの人格や精神が,かの地に無理やり引っ張り込まれる姿を思い浮かべてほほえましく思えてしまったりします.ですからその理不尽な結果が映画の冒頭シーンにつながっているのではないかと私は推測しております.

<ご神体>

四葉ちゃんがご神体ハイキングのシーンで質問している通り,宮水神社のご神体は神社そのものと離れた位置にあります.確かに山そのものをご神体としている神社は少なくありませんので,それは日本の山岳信仰の一環と言ってしまえばそれまでなのですが,それでは彗星の件とあまりにも関係がなさ過ぎてつまりません.なので,ここでも一考してみます.

宮水神社の起源は瀧くんが見返していた糸守の資料本で446年となっています.これは前回の彗星被害よりも前です.糸守湖が1200年前にできたとテッシーの調べたwebで書かれているようですので,ご神体のある外輪山は糸守湖と同時にできたのではないとすればその前の2400年前あるいはそれより前にできたことになります.したがって彗星の壁画もその2400年前のものかそれ以前のものを直接体験した人々がまだ文字がなかった時代に伝承のために描いたものなんでしょう.また,あのご神体は外輪山のほぼ中央にあるということは隕石の中核にあった何かとても硬い物質でできた奇石ということになるでしょうか.何か地球上にあまり存在しない元素でできていたりすると面白いんですが.

で,あの四葉ちゃんの質問に戻ります.2400年前あるいはその前の彗星被害の時点では糸守湖はありませんので,私は宮水神社があの形になる前にご神体のみがぽつんとあの場所に祭られていたのではないと考えています.そこが神聖な場所になっていったことがすなわち宮水神社の起源だとすれば,1200年前まではあの石の周りに豊かな水が流れていることで,そこに集落ができ人が信仰の対象であるご神体と共に生活していた姿を思い浮かべます.あの小川を境目に内側が神聖なエリア.外には集落や畑があったのではないかと想像しています.もしかしたら周辺の部族とは隔離された環境で,孤立無縁の部族がマチュピチュのような環境で永く生命の糸をつなげていたような感じ.

そのような生活をしていた場所の近くに1200年前に新たな彗星が被害をもたらし,糸守湖を作った.当時人的な被害がなかったわけではないでしょうが,水の量がそちらの方が多く,山岳地帯ではないことから暮らし良いそちらに人々が移住していったのではないか.例えば組紐の技術を交易に利用して周辺の部族とも交流をそこで初めて開始するような人たちが糸守湖の周辺に居を構えるようになる.そしてそれが糸守町の起源となったのではないかと思うのです.したがって人々の移住と共にご神体はそのままに神社のみがあの場所に移ったのがご神体と神社の距離が離れている理由なのかなと思います.そして,宮水神社の役割が徐々に人々を彗星被害から守ることになっていったのでしょうか.

そんな妄想の末,映画を何度も見返すたび一葉おばあちゃんのかわりに四葉ちゃんの疑問にそう答えてあげたいと感じてしまう私なのです.

ちなみにハルヒの廣田神社のところでも書いていますが,古くから神社の遷宮や遷座自体はそんなに珍しいことではなかったようです.天災,人災,戦乱などで場所が変わることは多くあり,今回の宮水神社も必ず遷宮して糸守の近くに復活してもらいたいと思う次第なのです.そしてそこには当然のごとくたきみつがいてほしいですし,子供はやっぱり女の子2人.名前は五葉,六葉で,ある程度の年頃になったところでちゃんと二人で奉納舞を踊っていたりとかだったら最高なんて妄想してしまいます.

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