電装系など確認

さて現車確認は済んだものの,そのヤレ具合は機械的にはそんなでもないような感じでしたが,元々ヤフオクの説明文からして電装系に問題がありそうということである意味覚悟はしていた車体です.まあ電装系の確認も合わせて行っておきましょう.

まず一番問題点になるそうなのはその電源です.KSRの場合,よくある電装系チューンの一番手はバッテリレス化です.一方でこの車体の出品者コメントは”火花が飛びません”でした.しかしシートを開けてみたところ,写真のような状況.バッテリーはなくその代わりのコンデンサや整流用のユニットがバッテリーケースの中にポローンという感じでおかれています.素人改造はいいとして固定ぐらいすればいいのにということで少々あきれましたが,出品者コメントにはバッテリーレスについて一切述べられていませんでしたから,この点はちょっと不満ではありますが,所詮バッテリーだったとしても交換は必要でしたでしょうから然して大きな損失ではないかな?なんて思うあたりかなりもう既に重症患者な感じが自分なりにしてしまっています.

一方火花が飛ばないという点,どうもイグニッションコイルが前後逆についているようで,プラグケーブルがプラグまで届きません.なんのこっちゃ?と思いましたが,前後逆にしてこれが機能するのかどうか,ちゃんと確認しておく必要があります.まあ唯一このバイクの電装系の生死が把握できる依代であるメーターがすでになんやら怪しい中国製廉価版メーターに換装されており,電装系の状況を伺い知ること自体がとてもむつかしい状況です.一応イグニッションキーをONにしてキックでもすればプラグに火花ぐらい飛ぶだろうということで,プラグを外して車体に陰極側を設置してキックを下ろします.老眼もそろそろきつくなってきた上に日中ですので,なかなか近くで火花の有無を確認できなくて何度も何度もやり直したりして少し汗ばんで来たころにようやく火花が飛んでいないということが判明.

さて,電装系のステータスが一切わからない元凶ともいえるあやしい社外メーターですが,カウルを外すと写真のような状況.なんていっていいんでしょうか.一見無責任改造のオンパレード.私にとっては一切必要性を感じないシガーソケットとかがフレームについているんですが,その周辺のアースの取り合回しとか全然容量を考えていないように思います.イグニッションスイッチのコネクタからその配線が直接分岐されていたりして,果たしてどこが改造されているのか,その改造が果たして正しいものなのか一切わかりません.さてはこの車体の前のオーナー電装をいじりすぎて不動になって長期放置のパターンか?と勘ぐってしまいます.

ということで電装系はもう一体何をどうしてよいかわからなくなってしまいましたが,ここでクールダウンの意味でフロントブレーキ―のリザーバータンクを開けてみましょう.というのもお持ち帰りの際一度車体が横を向いた割に一応ブレーキは効いてくれるのですが,それも結構変なタッチでブレーキレバーが握れてしまうのです.まずそのブレーキオイルがどうなっているかを確認のつもりで開けてみたんですが,まあこれもかなりショックな状態です.水を含んでいるとか,全然なくって粉が吹いているとかかなりひどい状況は今まで見てきましたので大概のことは気にしないのですが,この車体のブレーキオイルはあえて賞をあげるとしたら単独で変質しきっているで賞です.水を含んでいるわけでもなく,オイルの色もさることながらそのオイルの中に何やら怪しい藻のようなものが浮いています.まあブレーキオイルの中で生命を維持できる藻なんてそうありませんでしょうから,これは藻ではなくてブレーキオイルが変質したものなのでしょう.そういった意味から,単独でという部分を強調したい気分になってしまったのであります.

とまあ,見れば見るほど途方に暮れる車体なのですが,とにかく前に進まなければいけません.ひとまずこの見てはいけないブレーキオイルの有様はあまりにもひどかったのでタンク内のものを除去して,新しいブレーキオイルを入れてエア抜きをしたらブレーキレバーの握り心地はそれなりのタッチになってくれました.まあブレーキホース自体はそう劣化していないようですので,ここはオイルの変質のみが問題点であったということで,意外にやり方を工夫すればこの車体はうまく再生できるのではと一縷の希望を持たせてくれたのでありました.

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