フロント周り組み込み

前回はフロントを組み付ける前で夜を迎えてしまいましたが,その状態で車体はかろうじて私の自転車の下にもぐりこませることが出来ました.まあ,これはそれまでフロントを外した曲がりフレームではあるものの,ほぼ同じ状態でそこに収まっていたため容易に想像できたことなのですが,ここにフロント周りがついてしまうと絶対に同じ収納は無理という感じです.ひとまず庭に持ち込んでフロント周りを組むかどうか非常に悩んだのですが,ここは強行突破でしょうということで次の週末に作業を続行です.

まずステムです.ステムはベアリングレースの打ち換えは今回行わず,ベアリングボールのみを新品に入れ替えました.というのももとの車体から取り出せたボールは標準状態の34ケに2ケ足りないものでしたし,もし足りていたとしても事故のときの衝撃が加わっているわけで,十分な性能を発揮できないと考えたわけです.

で,そのボールですがなぜだかヤフオクで40ケセットにして売っている人がいたのです.値段もそんなにお高くなかったので渡りに船感覚で落札し,この日の作業を迎えたのでした.ベアリングレースは一応今までグリスを塗って保護しておいたのですが,今回新しいベアリングボールを仕込むにあたって上下とも一旦グリスを落としレースの内側を磨きます.大きな傷,凹みも見当たりませんので,これはこのまま行こうと考えたのが好判断であったと自画自賛します.

三つ又側と,フレーム側の下レースにまた新たなグリスを塗りたくって,今度は上下とも17ケずつのベアリングボールを載せていきます.注意しないと地面に落としてしまったりするので,ここは細心の注意での作業です.それになかなか17分の1となると円周に等分布させるのは難しく,少しずつ個々のボールの位置を調整しながらグリスの中に埋め込んでいきます.全部埋まったら,これまたショックを加えないようにゆっくりとボールを乗っけたまま三つ又をステムに差し込んでいきます.で,上からのベアリングレース,カバー,ナットなどを締めてひとまず緊張の一瞬からは開放されました.ステムの締め込みは普段のニンジャなどからは少し軽めの締め込みにしてボールがいきなり潰れるようなことがないようにしておきます.トップブリッジを付けてここでひと段落といったところです.

さて,ステムがついたら今度は以前組んだフロントフォークを組み込んでいきます.フロントフォークアウターを組み込む前に綺麗にしてしまおうと思っていたものの時間がなく,気持ち綺麗にしただけですがそのまま三つ又に挿入.突き出しを上部のラインに合わせて固定.ステムの動きを確認してスムーズにかつ,がたがないかを多少強めに往復させて確認したら,今度はフロントホイールです.前述のとおりフロントアクスルが曲がっていたので,フロントフォークと同時に落札したアクスルを持ってきてホイールを固定します.

ここまできたらついでにフロントキャリパーでもつけてみようかしら?と思い,もとの車体についていたキャリパーを持ってきます.このキャリパーは外観も結構綺麗でデイトナの赤パッドが付いているので,今回流用しようとしていたわけですが,パッドがフォークオイルで湿っています.要は前のオーナーはこんな状態で乗り続けていたがために,ひどい事故にあってしまったわけですね.特にKSRなんかはシングルディスクですから,その唯一のディスクの付いている側のフォークオイルが漏れるとこのようにブレーキパッドにオイルがかかって事故に直結するようなケースになるわけです.

ということでパッドについては赤パッドをブレーキクリーナーでしこたま清掃して,オイルを除去します.このままで使用しても限界走行はしばらくはできないでしょうが,ひとまずの対策を打っておいたということです.で,満を持してキャリパーをフォークに取り付けようとしたんですが,ここで1点問題発生.なんとパッドを一番広げてみてもまったくフォークにキャリパーが取り付く気配がありません.キャリパーのステーとフォークが微妙に干渉してしまうのです.よくキャリパーを見てみると.なんとキャリパーステーが曲がっているではないですか.あれだけの事故だったわけで,キャリパーにもダメージが残っていないはずはないとは思っていましたが,ここに障害が現れるというのは意外といえば意外でした.

といっても普段ならここで作業中断となるところが,実は買いなおしたフロント足回りにもキャリパーが付いてきていて,それを流用できそうだったのです.ということでお蔵入りとなろうとしていたキャリパーASSYを取り出してきて,ステーをあてがうと問題なく取り付けできそうです.慌ててそのスライドシャフトなどを清掃し,グリスアップしてキャリパーASSYに差込みフォークに取り付けました.

ということで,今回の作業はここまで.フロント周りだけでも結構トラブルがありましたが,ようやっと車体がほぼ組みあがった感じです.想像していたとおり今までの収容方法ではKSRを我が家のスペースにおくことは出来ず,少し自転車置き場を占有する形で,置かせてもらって何とかなっています.家族の目がより一掃厳しい状態になっていて,かわりに私の家の中での居場所がどんどんなくなっていくような感じなんです.あ〜辛い!

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