さて新品のフォークオイルシール，ダストシールも入手し，パーツも揃いつつありますので，そろそろ今回のメインディッシュとも言えるフロント周りにメスを入れようと思います．今のところフロント周りで交換しなければいけない部品は見積もり段階においてフロントフォークのインナー，三つ又，トップブリッジです．ということで，トップブリッジと三つ又はフレームと同時落札し無事入手済み．フロントのインナーも都合よく１点左右セットで出品があったのでそれを落札．価格はインナーのみの割には高かったですが，これはアウターを流用しうちにいらない部品を少しでも貯めないための工夫でもあります．
とりあえず部品が入ったところで元の車体のフロント周りを分解していきます．順番がこうなってしまうのはひと時でも部品がばらされて散乱した期間を短くしたいがため．これも家族思いな私のなせる業...と勝手な自己陶酔．で，作業開始．まずトップブリッジを外しますが，これはやっぱり三つ又が変形しているので非常に外しにくいです．結局ハンマーで叩いて抜きましたが，あわよくば使えるかな？なんて思っていたトップブリッジは間違いなくゆがんでいることがわかり，自分の判断の正確さに酔いしれる私．
三つ又はフォークが平行についていないので間違いなく使えないんですが，ここで三つ又を抜くよりアクスルを抜いたほうが作業が楽なので先にこちらを抜きます．で，ここで問題発生．．ナットを抜いてアクスルが途中まで抜けてきたんですが，引っかかって抜けてきません．この時点でアクスルシャフトが曲がっていることが確定的になりました．今のところアクスルシャフトは調達していないので，今回はここでひとまず作業が完了できないことが明らかになったわけです．ついさっきは自分の選球眼に酔いしれたばかりなのに，すでに失望している私．とほほほ．
まあ，ひとまずフロントフォークのインナー交換とオイルシール抜けを解決するのが今回の作業のメインの目的なのでここは失望の中も作業を続けることにします．アクスルが抜けないのは恐らく三つ又があって，フォーク側を半固定状態になっているのがいけないわけで，そうなると作業性は低下させても先に三つ又を抜いたほうがよくなります．ということで三つ又を撤去し，ナットがついていた側のフォークを取ります．あとはホイールを左のフォークを分離するだけなのですが，これが依然なかなか抜けないので，満を持してハンマーでアクスルを叩いて抜くことにします．要は，インナーも利用しないし，ホイールも曲がりありなのでホイールベアリングがどうなってもいいわけで，そうなると力技解禁のお知らせ．
工具箱からアクスルより少し細い真鍮棒を持ってきてぶっ叩きますと．なんとかアクスルが抜けてきました．見るともう明らかにアクスルが曲がっており，衝突エネルギーのすごさをまじまじと実感することが出来ます．う〜む，アクスル単体って結構高いのよね〜．どうやって調達しようかいきなり悩ましいところです．
で，フロントフォークが両方とも抜けたところで，さて分解...と思いきやここでもまたひとつトラブル発生．入荷のチェックのときにはフェンダーに隠れて見えにくかったところですが，なんとアウターの部分にも9Rの時のようなオイルシールのハウジング部分に凹みがついていて，これはどう見ても修正不可．おおおおっ！ノォッ！これでは選球眼を語る以前の問題．思い込みでチェック漏れなんて，愚の骨頂じゃないのよぉう！(ちょっとファンキー）
ということで本日の作業は無念にも中断．あらたに部品調達を行わないことには立ち行かなくなってしまい，当初の目的であるスムースな組み上げに程遠い様相となっていったのでした．しかしここまでダメージが深いとは...結構高値で本体を落札してしまったのは誤りであったといまさら気づいても時すでに遅し．それにフロント周りってアウターだけ売っているケースはほとんどありませんし，それに加えてアクスルシャフトも調達しなければいけません．もう分解してしまっているので，いち早く作業再開が望まれるところですが，急げば急ぐほど高値落札のリスクが高くなりますし，嵌れば嵌るほど理想から遠のいていってしまう現状に半ば放心状態な私なのでした．
