ちょっと怒涛の引き取り

さて引取りですが,先方は先ごろ民営化された巨大配送企業の方.お忙しい中,勤務後の4時半にならOKとのことで,少々無理を言って,その場でのばらしを申し込みました.すると一応出来るけど...ということ.というのはその方の職場の駐車場の片隅をお借りするわけですが,もともとはお上の土地.自由に利用していいかというとそうもいかないようで,まあ短時間ならということでご了承してもらいました.

あと,秋も深まった季節であったにも拘わらず,待ち合わせは4時半.ということは日没まで1時間程度しかないわけで,この間に少なくとも車に積める大きさまでばらさなければいけません.この時点で私の想像では,ハンドルとタンクを外してしまえばトランクに載せられるのでは?と考えていたので,それであれば楽勝と考えていたのです.

先方の方はなかなか気遣いの行き届いた方のようで,本当にばらせますか?って少々心配気味.それはそれでありがたいのですが,一度やると決めた私は引くに引けません.少々ご無理を言ってもやっぱりその場でばらす方向で強行です.

さて,時間よりも少し早めに到着して駐車場で待つことしばし.相手の方がやってきてくれて,早速実車確認.まあ,写真から有る程度想像できましたが,見事にフォークが逆側に曲がっていて,ホイールがチャンバーに刺さっています.乗っていたのは出品者の方ではなく同僚の方とのことですが,怪我は両足骨折をはじめかなりなもので,1ヶ月の入院のあとリハビリしながら内勤されているとのこと.ともかく命があってよかったという感じで,めちゃめちゃに壊れたメーターを覗きますと針が90km/hのところに来ています.壊れたときに移動したのか,それとも壊れるときにその位置にあったのかは定かではありませんが,KSRというのはこの図体で90km/hですから危険といえば危険な乗り物なんだな〜と感じました.

出品者の方はわざわざ駐車場に車体を出すところまで押してくれましたが,ホイールが曲がっている上に,チャンバーに当たっているので,若干ハンドルを切りながら前に進む必要があってこれまた大変でした.一応場所はうちの車を止めた後ろでばらしてもよいとのことで,お金を払って失礼した後に早速作業開始です.

計画通りにまず,タンクを外して,テール周りの外装,灯火類も外します.で,ハンドルを外したところで,トランクによっこいしょ っと?入らない,ちっとも入らないじゃないの!私はホイールがチャンバーに食い込んでいるほどなので超ショートホイールベースの状態ならばトランクに寝かせてはいると踏んでいたのですが,もうこれは全然入りません.とんだ見当違いで面食らうところですが,そろそろ日没が本格的になってこようとしているところで躊躇している余裕はありません.

ということで方針を変更し,フロント周りを取っ払って載せることにしました.っつーても今回は甘く見ていたためにジャッキなんて持っていませんので,まずトップブリッジを外して,フェンダーも取っ払い,その状態でステムを緩めて上のベアリングを外しました.外したとたんボールベアリングがそこらじゅうに散らばってしまいましたが,そんなの関係なく片手にフレーム,片手にフロントフォークを持ってエイやっと分解しました.重量車では出来ないこの芸当に酔いしれる間もなく腕力の無さからフレーム側はチャンバーから地面に着地,フォークはそのまま手に持ってばらばらとボールベアリングが落ちてしまったら後部座席に放り込みます.(もうめちゃくちゃ)

で,あとは車に積み込むだけですが,フロント周りがなくなったとはいえ結構重い車体を2回も3回も持ち上げるのは大変なもので,もうそろそろ体力の限界です.もうふうふう言いながらトランクに車体を掘り込んだら,あとは周辺をお掃除するだけです.やっぱりいわば人の職場で作業しているわけで,後始末をしっかりしておかなければいけないわけです.で一番大変だったのが,散乱したボールベアリングの収集.もう完全に暮れてしまっているし,その中で少しの明かりを頼りにボールベアリングを探し探して,ちゃんと数が合うまでがんばりました(あとあと使うわけでもないんですが).結局これに30分以上費やし,作業終了し帰路に着いたのはとっぷりと暮れてしまった6時.帰宅は6時半で,それから庭に,ガレージに,玄関に適当に部品をばら撒いて保管してその日の作業は終了.

ちなみに,今回このようにばらして車体を持ち帰りましたが,結構中途半端にばらしてあります.既に3台バイクが並んでいるところに,どうやって置くの?ということですが,実はこの時点では車体は庭に持ち込んで庭で組立てようと考えていたので,このKSRについては1台とは考えていなかったのです.まあ,そんなことを安易に考えつつ持ち帰ったわけですが,この後どうなることやら,乞うご期待!

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