現車確認

部品調達,作業前にはやっぱり現車確認.これを怠ると部品がダブったり,足りなくて何度もオーダーしてなかなか組み立たないといった事態になってしまいます.ここは厳密な目で見極めておかねば...(大袈裟.)



まずフレームですが写真のような状態です.この写真では周辺の部品を取っ払っているので結構曲がりが確認できます.メインパイプは本来まっすぐな筈ですが,ステムの手前から大きく湾曲していて,この部分は曲がりがきつすぎて塗装がはげてしまっていますね.高張力管をここまで曲げる力って言うのは本当にどんなモンなんでしょう?私はあまり経験したくない状況です.エンジンの下を通っているパイプもそれに合わせて曲がっています.一応今回書類も受領してきましたが,これは再利用不可です.


お次はフロント周り.まずハンドルですが,右側が曲がっています.ぱっと見は気づかないレベルですがハンドルマウントとタイバーが平行ではなく,これも再利用不可.トップブリッジも見たところ左右ねじれが発生しているようです.ヘッドライトは割れていて,もちろんライトカウルもバリバリです.ヘッドライトはASSY交換.ライトカウルはどうしようかな?という感じです.補修するのも後々のトラブルにつながりそうですが,一応チャレンジしてみようかな?

ウィンカーはカウルがバリバリになったおかげで左右ともぶらーんとぶら下がっている状態.ステーには曲がりがありませんが,それが取り付いているカウルの一部と一緒にもげてしまっています.片方のウィンカーレンズもぶっ飛んでいて,止めていたネジがひん曲がっています.メーターは前回のレポートにもありましたがスペースとして3cm幅に収まるぐらいにぺしゃんこ.メーターハーネスもメーター球のソケットの根元からブチッっと千切れています.110kmフルスケールのメーターですので,これを交換するのは費用的にも痛いところですね.ちなみに走行距離は24000kmといったところ.結構走っている車体ということでエンジンの程度も心配ですね.フェンダーは後部に一部曲がったような跡がありますが,なんとか使えそうです.大きな傷も見えるところにはついていません.



さて,フロントの足回りです.トップブリッジがねじれているわけですから当然のごとく三叉にもねじれが発生していて,左右のフロントフォークはどう贔屓目に見ても平行ではありません.これはばらしの時も大変そうです.そしてフォークはアウターは大丈夫そうなんですが,インナーは先端部分でかなり曲がっていて,それに釣られてホイールも曲がっています.ホイールとともにディスクも曲がっているようで,フォークを持ってホイールを走らせて見るとどうもホイールとディスクが同期せずに左右に首を振っているようなユーモラスな動きをします.こうなってしまうとアクスルシャフトがどうか気になるところですが,これはばらして見なければわかりませんね.


エンジンについては事故の影響はほぼ無かったようです.左右に転送傷もありませんし,フレームでステーの受けが割れていたりもしていません.キックをおろすとシュポポポと一応圧縮が掛かっている音がしますので,シリンダーが割れていたりはしないでしょう.奇跡的なものを感じます.ちなみにこのエンジンが使えないとなったら,今回の落札は完全に失敗になるので,ここが一番気になるところではあります.次にラジエターですが,結構内側にぐんにゃり曲がっています.しかしクーラントが満タンに入っているにも拘らず,クーラント漏れは発生していないので,うまくすれば使えそうです.

チャンバーについてはフレームにステーが付いているのですがボッキリと折れていて,これがフレームの曲がりだけのせいなのかチャンバーの変形との合わせ技なのかわかりません.ただチャンバーがホイールに当たっていたところは10cmぐらいの範囲がへこんでおり,衝撃の強さを物語っています.チャンバーの後ろ側のステーについてはゴムがフレームから逸脱していて,これもまたマフラー部分まで使えるかどうか微妙なところです.



外装についてはカウル以外は結構使える感じです.タンクは金的部分がへこんでいますが,これはなんとか使えそうです.中身も錆などなく綺麗なのでこれは流用しないことには費用がかさんでしまうこと必至です.テールカウルやシュラウドはほぼ無傷で,これは何にもしなくてよさそう.テールカウルは赤の発色がまだ健在で,KSRによくあるプラスチックの色あせはあまりひどくはありません.恐らく屋根付きの駐車スペースに留められることが多かったのでしょう.これは不幸中の幸いです.

ステップ周りも破損はなく,この車体が本当に車に突き刺さって左右に倒れなかったことが実証されています.メインハーネスなど電装系,オイル系はほぼ無傷で,これらはそのまま流用できそう.KSR-IIとして組み上げたいわけなので,イグナイタなどをわざわざKSR-II用をあらためて探そうとすると結構値が張るモンで,ここらへんは流用できるとありがたいわけですね.



リアの足回りについては,完全に無傷といっていいでしょう.ちなみにタイヤはオンロードのものでバイカーズ仕様です.今回入札に至ったのも,このバイカーズ仕様であったからで,オンロードで楽しいKSRというのを堪能したかったからに他なりません.チェーンやスプロケットはそのまま使えそうです.


ということで文字通りフロント全損,フレーム利用不可といったところでしょうか?ニンジャだったらこれほどフレームが曲がると乗っている人は大概お亡くなりになっていますが逆にそんな車体は恐れ多くて手をつけられないので,今回はある意味初の試みです.これからKSRの部品をまた調達していけばいくほどまたうちの部品在庫が増えていくわけです.最近気づいたんことなんですが,ニンジャだけをやっているうちはそうでもないんですが,他の車種をやればやるほど部品が増えることに気づいたんです.(あたりまえや)

従って今回のKSRもそういった事態の悪化を招いてしまう可能性が非常に高く,今回は是が非でも”絶対必要以外の部品を買わない”スローガンでやっていこうと思います.(←毎回毎回そうじゃない?)

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