フロント周り(その1:フォークレストア)

フロント周りで一番手間がかかりそうなのがフロントフォークでした.というのもフロントフォークそのものの作業時間はそうでもなんですが,いざフロントフォークをはずしたらそのついでにやりたいことが山のようにありそうで,それをすべて含めるとかなりまとまった時間が必要な感じがしたのです.まあ,それだけやりがいのありそうな作業ということで,やっぱりここは一まとめでやってしまいましょう.

で,早速物品を集めます.今回は絶対タイヤとホイールを一緒になんとかしたいと考え,フォークのオイルシールとダストシールを購入するのとほぼ同時にタイヤを調達することにしました. KSRの場合,オフロードタイヤがついているものと,オンロードタイヤがついているものがありますが,実際新品も中古もその流通量の違いからオンロードタイヤが圧倒的に安いので,そっちを狙います.

スクーターからNSRレース車両まで多岐に渡る車両から外されたタイヤが出品されていて,一本1000円が相場でしょうか?今回はどうせ前後交換しますので送料節約のためにもセットものを狙います.またセンター溝がたんまり残っているレース使用のもの.サイズは純正は前後とも100/90‐12.スクーターでも一般的なサイズであり,このサイズのセットは非常に多く出品されています.しかしスクーターから外されたタイヤは大事なセンター山が潤沢に残っているものが少なく,なおかつ同じ目的で出品を待ち構えている人も多いため,なかなかお眼鏡に適うものに巡り会えないのです.

ここで純正サイズにこだわらないで探すよう方針変更して検索したところ,NSRの純正サイズである100/90‐12と120/90‐12のセットというのがかなり出回っていることがわかりました.しかもさすがNSRだけあってレースで使用したセンターバリ山なセットがかなり多い.

一方,KSRにこのサイズが使えるかと言うと,そのまんまではチェーンカバーと干渉するので少し削らなければいけないようです.で実際この車体を確認してみたところ,一度もタイヤ交換されていないような感じで純正タイヤがついていたにもかかわらず,チェーンカバーの当該部位が若干削られたような形跡があります.うーん,これはなおさら純正サイズにこだわって高い買い物をする必要はなさそう.

そんなこんなでしばらくこのセットで網をかけていたわけですが,1週間もたった頃に,私の触手を掴んで離さない出品が現れました.なんと送料込みで底値の500円増し.送料っていうのがいくら小さいサイズだとはいえ,タイヤが二本となるとばかにはできません.距離と業者にもよりますが相場で千円を少し超えるぐらいでしょうか.それならば正味の品代というと何百円と言ったレベル.こりゃどうしてでも落札せねば!で幸いなことに他の入札者も現れることなく終了.まんまと実質底値なタイヤを入手.すんなり取引は進み,到着したタイヤはセンターにまだうっすらとヒゲが残っている状態で,自然と頬が緩みます.

さてタイヤも入手出来たので,フロント周りの作業にかかります.フロント周りは引き取りのときに一旦ばらしているので,フォークを外すまでは10分もかかりません.フォークの分解も都合3回目で特殊な工具もいらないので両方ともすぐに逆さまにしてオイルを抜く態勢に.何度かストロークさせてほとんどのオイルが抜けたら,ダストシールとサークリップを外し,インナーを抜きます.

インナーは右の方がかなり錆びが浮いていて,摺動部にも気になる錆があります.本来ならば程度の良いものを入手してインナー交換するのが常識的なのですが,ここはやっぱり悪あがき.まずざっくり真鍮のワイヤーブラシをかけて小さい錆びを消して,残った大きい錆びはペーパーを当てて整面します.指でさわってみて凹凸はかなりましになりましたが,それでもまだサイズ的には目立つ錆が3ヵ所残っています.これはしばらく使ってみてオイル漏れが起きないことを祈りましょう.

あとはスライドメタルとオイルシールを前買って使ったのをそのままおいてあったのでその塩ビパイプを使って打ち込みます.サークリップ,ダストシールを取り付けてフォークオイルを規定量より少し多めの200ml入れて,キャップを閉めてフォークを体重をかけて何度かストロークさせ,エアを抜いたらここで日没のため作業終了.

フロント周りをはずしたまんま車体を放置するのは何かと気が引けますが,ここはフレームの下に昔使っていたチャイルドシートを持ってきて敷くことにしました.これでちゃんとカバーを掛けておけば1週間程度の放置は大丈夫〜.続きは次回.

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