再びKSR-II引き取り

さて引き取り場所自体は今までで最も近い場所でもあり出発して15分で到着.路上に車を止め,中に入ってみると鉄板の壁で囲まれた解体屋さんのヤードのようなところに怪しいバイクがいっぱいあり,そこのプレハブの事務所に通され,出品者とご対面.この出品者は女の方で,どうもここの事務員兼務のようです.道理で土日は引き取り不可だとか,大層な配送賃を見積ってきたり融通が利かないわけです.

早速代金のお支払いと書類を受領して,車体をバラすスペースを貸してもらうようお願いします.融通が利かないところにこんなお願いをしても到底良い答は返って来ないはずなので,最初っからあきらめて前の道路でもいいですと言ってみたところ,一応承諾してもらえたので車体を受け取り前の道路に出して早速作業開始.

まずは車体からハンドルを外します.ハンドルからはスイッチ,ケーブル類を全て外して車体から完全分離してしまったら,早速車への積み込み段階へ.まず車のリアシートを外します.車体のドアの周りをいつも結構役に立ついらないホットカーペットカバーで養生します.ここで車体をハンドルの無い状態でえっちらおっちら車の後部ドアの前に持って来ておもむろにキャビンの中に持ち上げつつ押し込みます.なんとかサイズ的には入りそうなのですが,キャビンの真ん中の出っ張りをフロントタイヤがなかなか越えられません.

逆側から引っ張ってみてもリアタイヤがまだキャビンに入って来ていない状態ではかなり厳しい状況です.そうでなくても狭い道路に止めている車のドアを全開にしたままかなり長時間経過しているのでかなり往来に迷惑をかけている状況です.こりゃ不味い.ここは一旦車体を引き出して冷静になって考えてみましょう.

確かにここで車体をキャビンに押し込んだとして,前回よりばらしたパーツが少ないということが唯一の自己満足できるポイントになります.しかし入れるのにこんな苦労しているということは,出すときはもっと苦労するかもしれません.果たしてそれでいいでしょうか?実際ここからフロントホイールとフォークを外したとしても約20分でしょうし,近隣に迷惑をかけてまでこだわって完遂すべきチャレンジとは思えなくなってきました.

こう考えて一旦車体を戻し,再びばらしを再開.といっても今回はジャッキを持って来ていないのでエアキャップの上に車体を寝かせてフロントタイヤ,フロントフォークを外します.ここで一点だけ不具合が.フロントブレーキキャリパーが全然ホイールから外せないのです. 通常はキャリパーを開いて抜くことができるのですが,このキャリパーがなかなか開かないのです.ここで無理矢理ディスクをこじって開けてもディスクを曲げてしまうかもしれませんし,今回は時間もないことですし,キャリパーはホイールと一緒のまんまにして,ハンドルからあらかじめ外してあるブレーキマスターをホイールとくっ付けたまんまで運搬することにします.

あとはフォークを抜いてステムはフレームに付けたまんまでトランクに入れてみます.実は前回はテールカウルとステムは外してからトランクに入れたと記憶しているのですが,ステムはベアリングを周辺にぶちまけてしまうのがいやだったのとテールカウルの取り付けネジが固着して外せなかったのとで仕方なくトライしてみた次第なのです.

で,その結果なんとトランクに収まってしまったではないですか!ということは前回はステムやテール周りを外して対応したというあの努力は一体何だったのかという今悔やんでもどうしようもない思いがこみあげてきます.まあそんなことでへこんでいても仕方ないし,半休しか取っていないのでうちに戻ってから再組み立ての時間もその中でなんとかしなければいけないわけで,再難関をクリアしてあとは車に片っ端からほりこんで,現地作業はこれにて終了.最後に忘れ物がないかどうかをくまなく確認して帰路につきます.

その車内で怪しい気配を感じつつほどなくして自宅に到着.トランクを開けてここで初めてその怪しい気配の根源を見つけることが出来ました.そのにおいから容易に想像出来たことですが案の定オイル漏れ.どこから漏れているかは探すまでもなくすぐ見つけることが出来ました.なんとオイルリザーバータンクにヒビが入っていてそこから漏れているようです.で,その漏れたオイルがとてつもない刺激臭を発しているようです.オイルリザーバータンクに残ったオイルをみたところ,これが綺麗なクリーム色になっていまして,明らかにオイルリザーバータンクのヒビはもうずいぶん前から明いていて長年の放置の末風雨が水分を浸入させてしまったと容易に推測出来ます.

まあ時間がなく,リザーバータンクの微小なヒビに気付かなかったのは仕方ないとして,ものの数10分だけでもこれだけの刺激臭を伴うオイルが漏れていたとなると車内の居住環境に与える影響たるやかなり深刻です.いくらオイル臭いのに慣れている私としてもものの1分たりともたえられません.当然家族はもっとたえられないわけで,このままの状態で放置した日には家族内の私の立場をなおさら激烈に悪化させるのは必至.

車体,部品をトランクから引き釣り出したら,いの一番にオイルを拭き取ります.でも拭き取ったところですぐににおいが消えてくれるわけはなく,これ以上時間をかけてもしょうがないところまでやったらあとはしばらく様子をみることにしました.

ひとまずオイル刺激臭対策を施したあとは私の本分である車体組み立てに移ります.この時点で時間は11時を回っていて,車体を組み立ててそれなりに自転車の陰にひそませて片付けて,昼ご飯を食べて一時に出社するには若干ショート気味な感じ.特にかみさんは今のところ留守にしているので,車体をひそませるところまでをいち早く終えてしまい,一台また増えたことを隠し通したいところです.

またホットカーペットカバーを敷いその上に車体を横たえます.フロントフォークをステムに入れて固定してホイールを付けたら車体を起こし,ハンドル,キャリパーなど次々と仮止めして車体を普段の作業エリアに押して移動.メーター,カウル,タンク,シート,キャリアを付けたらこれで作業は終了.

あとは自転車の陰に車体を押し込んで前に使っていた自作カバーをかけるだけ.なんだけど,車体を隠してしまう前に車体のチェックをしていましたらタイミングの悪いことにかみさんが帰宅.そこで一言.

また一台増えたじゃあないのよ!

ということでなんとか忙しくこなしたお陰で休みは半休で済んだんですが,車体の程度が思ったより悪く意気消沈気味な車体引き取りなのでした.

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