次はシートです．現在の状態としては現車確認のレポートのとおり，表皮は破れ端からなんだかわかりませんが布のようなものが垂れ下がっています．この布の正体が何であるかはシートを外せば簡単に把握することが出来ました．
裏がえししてみると，裏側の縁にまたまた錆びまくった画ビョウが親の仇のように打たれまくっています．でも表皮は純正の生地のまんまで，どうも純正の生地が破れたのでそれをなんとかしようと自分で生地を買って来て適当に張ったのはいいけど，生地が弱過ぎて一気に破れ，無惨に垂れ下がってしまったというのがことの顛末のようです．
あまりの状況に少し心が折れそうになりましたが，顛末が推測できるならば復旧は可能ということで，やる気は取り戻しました．早速作業に移りましょう．まず利用する生地ですが，今回は純正色が青ですので在庫のあるレジャーボートやウォーターバイク用の青シートを使用します．これは以前ニンジャの時にライムグリーンに合わせるために買ったものなのでもう3年も在庫している計算になります．以前はいろいろなシートベースを買っては練習に使っていたので在庫は順調にはけていたのですが，最近ではめっきりそんな情熱も冷め一向に減らないシート生地．まあ使う予定があるから在庫しているわけですが，あまり長期在庫を放置していては無駄に朽ち果てて行ってしまうばかりですのでちょっとシート生地とはいえ大人買いした自分を反省．
作業で一番心配していたのが錆びまくった画ビョウです．果たして全て除去できるかどうかがどうも怪しいところ．ひとまずひとつ外してみたところ案の定頭だけ外れて針は残ったまんま．それをなんとか外そうにもかなりな錆びに見舞われている針はシートベースの中で膨らんでしまっているのとラジオペンチで挟んでもボロボロ砕けてしまい，全然抜けてくる気配無し．
まあこんな感じだろうなと思いながらどんどん画ビョウの頭を引っ張っていくとその勝率は大体7割といったところ．で，それらが全部抜けたところで外れるのは所詮前オーナーが付けた薄めの生地．それも既にボロボロなので，取りにくいったらありゃしない．でもいわばここからが通常のシート生地剥がし作業なわけで，気を取り直してタッカーの針を抜いていきます．で，これもまた画ビョウの針に負けず劣らず抜けては来ません．確かに画ビョウよりも長い期間ここに刺さっているわけで，その腐食具合たるやもとの材質が金属なのかなんなのか分からないほどの腐食．ラジオペンチで引っ張ったそばから断面が全て腐食しているらしく，綺麗に全体が砕け散ります．結局水がたまり易い部分は全てがこのようになっていて，約半数のみが通常の除去方法，残りは砕けたあと無理やりシート生地を引っ張って，シートベースに残った針の部分の除去を後で考えることにします．
でシートのウレタンがお目見えしたところで本来ならばすぐに新たにシート生地を張りたいのは山々なんですが，シートを外した時点でずっしり感じるその重さから，ひとまずたっぷり含んだ水分を乾燥させる必要性を感じ，玄関にシートを放置させ乾燥することにしました．１週間後，シートの状況を確認したところ，まだまだ濡れている箇所が多く重量もウレタンスポンジのみには程遠い感じです．上下逆に置いていたので前後の接地している下のコンクリートもしっとりではなくべっちょりと濡れています．
そこで，まだ水分をたんまり含んでいると思われる前後の部分のみウェスでサンドイッチしてスポンジが破壊しない程度にたたいて見ました．すると何度もウェスの位置を変えなければならないほど水分が抜けてきたではないですか．でそれをまた１週間放置して重さはかなり軽くなり，水分はほぼ抜けきったような感じになりました．まあ季節が冬だったので，水分を抜くのにこんなにも時間を要してしまいましたが，夏場だったら３日もあれば十分なんでしょうね．一時は焦るあまり，洗濯機の脱水を使おうとも思いましたが，衛生上家族がそれを許さないのと開けてビックリでボロボロになってしまっては元も子もないのでやめた次第です．
さてその長い期間にシートベースに残った針を除去します．針と言ってもシートベースの中に入り込んでいるものは大概芯まで錆びてしまっているので除去は大変です．でもシートベースに完全に埋まってくれていれば全く問題ないので，ちょっとでも出ている部分を引っ張ってみて抜けてくればそれでよし．抜けて来ないものは出っ張った部分をカッターで落とすことで対応しました．
さて，ウレタンスポンジの乾燥が済んだら，生地を張っていきます．ここは普段と同じ工程なので詳細は割愛しますが，シート形状がかなり深いV字になっているため生地のシワを取るのにかなり苦労しました．ということでシートが完成．車体に取り付けてみてもまだ他にみすぼらしい部分が多いので効果絶大とはいきませんが，もうこれ以上シートのウレタンが水分を吸うことがないと思うと精神的にはかなりな効果があったと自己満足する私なのでした．
